ブランディングにおける最初の作業であり、 極めて大切な要素となる「ネーミング」 についての一考察

ブランディングにおける最初の作業であり、
極めて大切な要素として「ネーミング」があります。
私たちが仕事をお受けする前の段階で、すでに名前が決まっている場合もありますが、まだ商品開発の途中で「ネーミングから考えてほしい」とご相談いただくこともよくあります。ネーミングの良し悪しが、商品のブランド育成や実際の売上げに影響を与えることは、既にさまざまなシーンで経験していますし、だからこそ、ネーミングはプロの仕事であると思っています。

商品のネームを考えるに当たっては

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といった感性を主体とした発想に加え、以下のような論理性も重要になります。


○商標として登録可能か
ネームを決定し、メディアで公表し、商品を発売したあとに、
他社から類似商号で訴えられたという話しも耳にします。
最初の段階では特許情報プラットホームなどで下調べをしながらネーム候補を絞っていきますが、
最終的には専門家による商標調査を行なう必要があります。

○ ブランド戦略全体を見据えているか
その商品の狙うべき属性、ターゲット、ポジショニングとの整合性を見据えた上で、
そのブランドをロングセラーに育てていくという発想で作り上げるべきだと考えています。
商品によっては単にワンブランドだけでなく、ブランド拡張していく際の使いやすさなども想定する場合があります。

さらに、上記のような基本的なポイントに加え、私たちが特に重視しているのは

インターネットの検索画面で

最上位に上げることができるか

という、WEBブランディングの視点です。
以下は、私たちが実際にお手伝いしたネーミングとブランドロゴの例です。

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01 (株)フリーデンさまのブランド豚肉「やまと豚 米らぶ」のマーク
㈱フリーデンさまのブランド豚肉「やまと豚」は、すでにある程度の認知とポジションを確立しています。
この「やまと豚」に家畜専用の飼料米を食べさせた豚の名前を、サブブランドとして考案してほしいという依頼を受けてつくりました。
「米らぶ」と書いて「まいらぶ」と読ませます。「米そだち」「日本のこめ豚」といった他社のネームに比べて、極めて印象度が高く、売り場で光るネーミングであると自負しています。もちろん、ネット検索でも最上位に上がります。


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02 (株)アジアン・トレード・リンクさま「アトルコ」のロゴ&マーク
㈱アジアン・トレード・リンクさまより、当初「ATL」というブランドネームのロゴを依頼されましたが、ATLでネット検索をかけると7000万件も出てきてしまい、また商標登録も難しいと判断しました。
そこで独自のノウハウを駆使して「ATLCO=アトルコ」というネームをご提案。検索サイトでのヒット数は英文字で6万件、カタカナで数10件ありましたが、WEBサイト開設から約1ヶ月で検索第1画面の第1位を確保しました。


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03 (株)文教センターさま「ハレスタ」のロゴ&マーク
㈱文教センターさまより、ヨガ、ピラティス、サーキットトレーニングを組み合わせた女性専用スタジオの新ブランドを考えてほしいとの依頼を受け、ネーミングから考案させていただきました。最終的にHALESTA=ハレスタ(Haleine=呼吸+Stageの造語)というネームに決定し商標出願。
WEBサイト開設から約1ヶ月で検索第1画面を独占することができました。


おわりに商品のネーミングが、人間の「名づけ」と決定的に違う点について触れておきたいと思います。
人間であれば、親が「想いや願い」を名前を構成する文字に込めたり、
運気のよい画数に合わせたりといった方向から、子どもに贈る素敵な名前を考えるのが普通です。
なぜなら、そうした感性や占い的なもので決めたとしても、
ひとりの人間にとっての名前は、第一印象の面では多少影響があるものの、
その人の価値を決定づける要素としてさほど大きくはないからです。
平凡な名前と思われる「花子さん」でも有名な人はいますし、
筆者の知り合いの「五郎丸さん(姓ではなく名前です)」は、
名前から受ける印象とはだいぶ違う普通のビジネスマンです。「名は体を表す」とは言いきれません。
例外として、森田一義さんや鈴木一郎さんのように、マスメディアに登場する人物が特殊な芸名、
たとえば苗字を外し、カタカナやアルファベットだけの名前をつけたりしますが、
それは人間の場合であっても商品の「ブランドネーム」に近い発想です。
商品のネーミングは、受け手であるマーケットを強く意識し、ブランド戦略全体を見据えて開発される点において、人間の「名づけ」と決定的に違うといえましょう。

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