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広告会社の私が、紙の値上げで思うこと

こんにちは!名古屋の広告会社、ADプランニングの水野です。

今日は私の好きな「紙」のお話をします。

幼い頃から仕様の吟味に余念がなかった私。
新聞の折り込みチラシの中から、裏面が真っ白で、ツルツルしていないもの(なかなか無い)をかき集め、「らくがき帳」という名前を付けて保管していました。

青春時代は勉学少女だった私。
大量のペンをケースに詰め込んでノートまとめに命を賭けた中学高校時代。
友達に率先してランチを奢り、ノートのコピーに命を賭けた大学時代。
紙との思い出は尽きません。

それ以外にも、漫画や本などの出版物や、
トイレットペーパーや段ボールといった紙製品も含めると、
紙は、わたしたちの生活になくてはならないどころか、
指は切っても縁は切れない、人生に染み付いている存在だと思います。

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紙の広告を取り巻く、悲しき現状

そんな親の顔より見た紙が、深刻な値上げの波に飲まれてることをご存知ですか?

わたしたち広告業界もこのあおりを受け、昨今のペーパーレス化も手伝って、紙の広告の需要が年々減少しています。

紙の広告は昔から、お金がかかる割にイマイチ効果が分からないと言われてきました。
残念ですがこれは本当で、チラシ広告は費用対効果が見えにくいのです。
(効果がないということではなく、効果の程が見えにくいという意味です)例えば新聞の折込チラシであれば、見て欲しいお父さんお母さんの目に留まるよりも先に、かつての私のような熱心な収集家によって回収されてしまうこともあるでしょう。
しかし、広告主様がそれを知る術はないのです。

それに比べネット広告はというと、
どのような人が見ているか、何回クリックされたか等、かなり細かく効果の程を知ることができ、
いつの間にか紙の広告に取って代わる存在となりました。
今回の値上げをきっかけに、また一層広告のWeb化が進むことでしょう。
幼い頃からチラシと戯れ、いつしかチラシを作る側になっていた私の心中は、少しばかり複雑です。

紙の価値って何だろう。

確かに、ネット広告は魅力的です。
拡散力も高いですし、誤植があっても直せます。
これらは紙の広告にはないメリットです。

それでも、周りを見回して「紙が1枚もない」なんてことは、起こりそうでなかなか起こらないものです。
多くの飲食店には名刺サイズのショップカードが置いてありますし、
映画館には近日公開作のフライヤーがずらっと並んでいます。
綺麗に積まれた紙の広告を見ると、不思議と手が伸びてしまいませんか?

手に取って、"ざらざら"や"つるつる"を感じ取る。
パッと全体像が目に入る。細かな字が気になって、少し読む。
バッグの中に入らないから、半分に折ることにする。
家に帰ってバッグを開け、その存在を思い出す。
何となく、折り目を広げて机の上に置く。

紙のメリット。しばしば「保存性」や「視認性」などと言われますが、こうした言語化できない紙への愛着のようなものは、失われていないように思います。
「日本人は紙の本が好き」と言われるのも、きっと似たような理由なのでしょうね。

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結論:扱いにくいが、尊いのが紙

長くなってしまいました。ここまで読んで下さった方は、きっと私と同じで紙が好きな方なのかもしれませんね。
紙広告とネット広告は、互いを補い合う存在のような気がします。
しかし紙の値上げには原油や原料の高騰など、地球規模の問題も背景に潜んでいます。
時代を見つめながらも、広告を見た人がどんな気持ちになってほしいかを目いっぱい想像して、それに寄り添える媒体を選んでいけたらなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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