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北海道大回り乗車の旅 その3(最果ての地編)

7月8日(金)〜10日(日)の3日間、北海道へ行ってきました。
最初の想定と全然違う旅程になってるし、とにかく予定がぎゅうぎゅう詰めやし、いい年していい加減もっとゆったりした旅しろよ…と帰りの飛行機(もちろんLCC)で自分の行動に呆れ返りましたが、とにかく今回もいっぱいインプットできたので結果オーライ!

1日目夕方 - 稚内

5:30pm ノシャップ岬に向けて出発

5:23pm、ついに日本最北端の駅稚内に到着。
駅舎は最近できた新しい建物で、地元のコミュニティスペースとしても活用されているらしく、宗谷本線の本数の少なさの割にとてもにぎやか。
車止めや次の行き先が空欄になっている駅名標が、最果てにたどり着いた実感をかきたててくれます。

さて、ここから次の目的地ノシャップ岬へバスで向かいます。選択肢は2つ。

  1. 5:31発のバスに乗る。
    メリ:ノシャップ岬でぼーーーっとする時間をたっぷり取れる
    デメ:稚内駅の撮影&散策、ホテルのチェックインができない

  2. 6:32発のバスに乗る。
    メリ:稚内駅を堪能→チェックインして身軽に出発できる
    デメ:ノシャップ岬滞在時間が10分しかない

さすがにノシャップ岬10分は残念すぎるよなー、ということで全荷物(30lの登山用リュック)を背負って5:31発のバスに乗車!
稚内〜ノシャップ岬は不思議なくらいバスの本数が多くて(20分間隔、220円!)、時間の融通が効くのでありがたかった…。

駅周辺はバスの本数が多い!ありがたい〜


6:00pm 最果ての地「ノシャップ岬」

ノシャップ岬はバス停から5分ほど歩いた先にあります。岬に隣接するノシャップ寒流水族館&稚内市青少年科学館は既に閉館時間を過ぎていて、とても静か。この日の日没は7:23pmとまだ太陽も高かったからか、人も車もまばら。
見渡す限りの水平線。稚内港へ入港するフェリーの影。聞こえるのは穏やかな波の音とカモメの鳴き声だけ。真夏だけど潮風はほんのり涼しくて、ストールで風を除けながらぼーっと海を眺めました。とにかく何も考えないようにしてその場に身を漂わせることに集中。頭を空っぽにできる何とも贅沢な時間でした。

刻一刻と雲が姿を変え、太陽の色が少しずつ赤みを帯びていく。ぼーっとしているだけなのに全然飽きない。ここに住んでいる人たちは毎日この夕日を「最果てに沈む夕日」ではなくただの夕日として眺めているのかな、いや眺めることすらないくらい当たり前な風景なのかな、真冬はどれだけ厳しいんだろう、今の景色とどれくらいギャップがあるんだろう、私はここのいいところ、表層だけしかみてへんのよな・・・なんてことをぼんやり思っていました。

7:09pm 日本最北端のサウナへGO!

今回絶対行きたかった「日本最北端のサウナ」。ありがたいことにノシャップ岬からバスで行けちゃうんです!が、日没時間前に出発してしまうので泣く泣くノシャップ岬を後に。名残惜しくて後ろを振り返り振り返りバス停に向かって歩いていたところ・・・

目の前に鹿のご家族。奈良公園級の近さ

ち、近いわ!!!!!!

こんなでかい鹿をこんな至近距離で見たのは初めて(奈良公園除く)で、蹴られたりしたらどうしようとビビりまくるも、鹿の方は私にまったく無関心の様子。この子たち、どの山から降りてきてるんや・・・?
(後で温泉施設の人が話していたのですが、鹿が来るのはごく普通のことらしい。育てている野菜とか根こそぎ食べられちゃうとご立腹でした)

カニ歩きで鹿の群れを避けて、ノシャップバス停へ戻る。バスの運転手さん、バス停で人が待ってるのに若干びっくりしてた気が。笑
温泉施設まで7分ほど、海岸沿いの道(道道254号線)をぐんぐん走ります。徐々に暗くなっていく海岸線を見ながら、ほんまに日本の北の端っこを走ってるんやなぁとむくむく実感が湧いてくる。北の果ての道路は道路灯もまばらで、たまに行き交う車のヘッドライトでようやく道路の線形がわかるくらい。車の走行音は暗闇に吸い込まれ、すぐに静寂に戻ってしまう。

そうこうしてる間に、ついに着きました!
日本最北の温泉施設、「稚内温泉 童夢」です!!!(ネーミングが厨二との説あり)

日本最北端のお風呂屋さんに到達
バスからずっとこの景色。最果て感…

サウナー歴2年強の若輩者ながら、過去イチの体験ができました!!!!

  1. まっぱで日本最北の夕陽を拝む
    大急ぎで駆け込んだ結果、日没に間に合う奇跡!ノシャップ岬の展望台と比べて距離は多少広がりましたが、露天風呂エリアに素っ裸&仁王立ちで夕陽を拝むという(たぶん誰もやらないであろう)唯一無二の体験ができました☆

  2. 日本最北のトトノイイス
    サウナ室の温度と湿度のバランス、水風呂の導線&水温、いずれもとっても素晴らしかったのですが、極めつけは露天風呂エリアにトトノイイスが4脚も設置されていること!!!この日のこの時間帯、名古屋は28℃だったらしいですが、稚内は23℃(あれ、割と暑い?)。ほんのり潮の香りがする心地よい風と静けさに癒やされる〜〜〜

とりあえずこういうのは買っておくよね
21:07発、稚内駅行き最終バス。ありがたい…。

さぁ、今回の旅の目的はほぼ全クリ!残りわずかな滞在時間、稚内名物でもつまみながらぐいっといきたいもんですな。稚内の名物はタコね、ふむふむ。

9:20pm 稚内駅前でサウナ飯難民

21:07発、温泉施設→稚内駅前の最終バスに無事乗車。もと来た道を戻るのですが、いよいよ真っ暗闇。海も家も道路も闇の中、です。夏はいいけれど、冬でこれだと孤独さに押しつぶされそう…。街灯やお店の灯りを見ると安心する私はたぶんこれからも都会でしか生きられへんのやろうな、と思う。

今日は金曜日。一応フライデーナイト。21:30やけど夜はこれからよね!…は都会でしか通用しない論理だった(涙)

誰もいない 明るいけどお店の暖簾はもう出てない

いくつか探しておいた「ここ行きたい☆」店はことごとく暖簾を下げてしまっていて、開いていそうなのはスナックやバーばかり。サウナ4セットやってるのでさすがにお酒だけだとキツイ。でもセコマやとさすがにちょっと寂しい。とにかくお腹に何か入れたいのよ!Google Mapやと23:00まで開いてるってなってたやん!!!!涙

で、行き着いたお店がこちら。
(絶対あと数時間は開店してると雰囲気でわかる安心感)

ひときわ明るく輝くお店、ラーメン広宣
さすが稚内、冷房がないっぽい

(稚内あるあるかもしれんけど)冷房が行き渡らないもわっとした空気。でんっと無愛想にカウンターに置かれるビールジョッキ。この後絶対チューとかできなさそうなにんにくモリモリの餃子!美味い!!

サウナメシとしては最高よ
チャーシュー!思いの外量が多い

でもたぶん稚内でこれ食べんでもよかったと思うねん!!!涙
ほんで価格が基本的に僻地価格でちょっと割高やねん!!!涙

今日の私の最優先イベントはノシャップ岬と夕陽と日本最北端のサウナ。だからこの時間にゴハンにたどり着けただけでもほんまにありがたいわけで。何かを優先するということは何かを捨てる(諦める)こと。だからこれでイイのだ!

ちなみに今日のお宿はこちら。

37歳、2日連続のドミトリー泊。泊まるたびに「もう絶対ドミは嫌だ」と思うのに、いつも価格の誘惑に負けてしまう。悲しき貧乏性。明日の朝がかなり早くて、朝食付きプランが取れない&チェックアウトに時間を取られたくないという事情もあったんですけどね。

早朝5:00起きで1日中活動してサウナ→ビール→宿のラウンジでチューハイときて、さすがに体は熟睡モード。23:00、寝落ち。

2日目朝 - 稚内駅周辺を散策

4:30am 奇跡の起床

隣のベッドでもぞもぞ音がしたのに気づき、ふと目が覚める。部屋は遮光カーテンで真っ暗なので何時か全然わからないなーと何気なく携帯を見て仰天!

朝4:30am!!!あぶなかったーーー!!!

実はもともとの起床予定時刻は3:50amとさらに鬼畜な時間だったのです。その理由は・・・夏至前後の北海道の朝は相当早いと噂に聞いており(その1参照)、「まだこんな時間やのにこんなに明るい!!!」というのを実際に体験してみたかったのです。この日(7月9日)の稚内の日の出時刻は3:54am。3:50amは、その後の行程に影響しない程度の睡眠時間確保を考えて設定したギリギリの起床予定時刻でした。

で、目覚めてから気づいたことに、ワタシ目覚ましセットしないまま値落ちしてた。もし隣の人がこの時間に起きてなかったら、さらに寝坊して最悪乗る予定の特急(6:36am発)も逃してたかも・・・(恐)

5:00am前の稚内、ピーカンです

ちょうどいい時間に起きれて結果オーライということで、さっそく早朝の稚内駅周辺を散策してみます。写真だけじゃなくどうしてもその場に行って自分の目で見たいと思っていたもの。それが、北防波堤ドーム。

最果ての地とコンクリートの巨大建造物というギャップにくらくらする

建造物の大きさ、コンクリートの重厚さ。
冬の厳しさ、打ち付ける波の高さや強さ、そして寒さ。
80年前繁栄していたころの様子。
戦後使われなくなって放置されていたころの様子。

ほとんど人もいないドームを数百m歩きながら、違う季節、違う時代の情景を思い浮かべて、稚内という街の歴史(やそれを作ってきた人々の暮らし)にこれまで以上に関心が深まった。それと同時に、一番過ごしやすい季節の街だけ見てもその街を見たとかわかったとは言えないなと思った。旅だけでなくほんとは何でもそうで、いいところだけじゃなく、厳しいところも難しいところも見て初めてその物事を知ったと言えるんだということ。

早朝からいろいろなことをぼーっと考えられて、すごく深い時間を過ごせました。

あとは時間の許す限り駅周辺を歩いて回ります。

マンホールはタロ&ジロ、防波堤ドーム、利尻富士と盛りだくさん♡
この船がサハリンに行ってたこともあるんやな…

何となく垢抜けたカラーリングのフェリーが港に2隻停泊中。このハートランドフェリーは、1998年〜2015年までの15年間、かつての稚泊連絡船と同じくサハリンのコルサコフと稚内の間で定期航路を走らせていたそうです。
フェリーでロシア入国→サハリン縦断→シベリア鉄道・・・なんてやってみたかったなぁ。

6:36am 「サロベツ2号」乗車

さて、稚内に来て12時間と少し。
早くもお別れの時間がやってきてしまいました。
稚内駅本日2本目の列車「サロベツ2号」乗車の時間です。

乗り遅れたら4時間待ち!(そもそも1日7本しか出てない)
終着駅なのに1面1線しかないホーム

(なんでもう1泊できる行程にせんかったんや自分…呪)

稚内始発列車は稚内5:21発の普通名寄行きですが、朝の散策時間を取ろうと思うと睡眠時間がえげつないことになるのでこれはパス。次の列車がこの「サロベツ2号」です。特急だから先行列車を追い抜くのかと思いきや、先行列車の終点名寄まで一度も追いつくことなく逃げきられてしまうというのは、さすが長距離(すぎる)盲腸線です。

ただここにきて、どうにも釈然としないことがひとつ。

ワタシ、行きと同じ道をただ帰るというルートが、どうしても鉄道好きとして嫌なんですよ。

行きと帰りで違うルートに・・・は宗谷本線だと無理。でも何とか変化を作りたい。

そうだ、普通列車に乗りたいぞ。

かつて学生時代に青春18きっぷデビューした当時、普通列車で乗り通し制覇することに妙な喜びとこだわりを感じていました(18きっぷだから普通列車なのは当たり前ではあるけれど)。それ以来徐々にワタシの掟が固まっていき、今に至ります。

初めて通るルートは普通列車で!
(2回目以降は特急・新幹線のワープ可)

行った先でちょっとでもお金を落とす
(三セクのきっぷを買う、売店で地元の名産を買う、現地でお昼を食べる) などなど

今日の最終目的地は、札幌。
ライブ会場(札幌駅から徒歩10分圏内)に5:00pm到着が必須条件。
ここから逆算して時刻表をたどっていくと、名寄で特急を途中下車して2時間ほど駅周辺を散策、次の11:01am発普通列車に乗って旭川まで行き、その先特急に乗れば問題なく札幌まで行けることが判明!

(またもサッポロビール記念館に行けんくなったけど、名寄の方が次いつ来れるかわからんレア度で圧勝ということであっさり諦めがつく)

ということで、セコマの朝ごはん食べつつサロベツ原野をひた走ります!

稚内駅のセコマの営業時間は6:00am〜0:00am!神!朝イチでも品揃えバッチリ。物流網見せつけられました

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