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#0 文章の構成技法

 エントリーシートを作成する際に最も重要でありあがら、言及が少ないのが文章の構成技法である。また、面接の基本原稿になりうるESの文章構成には特に気を配らなければならない。
 この記事では、文章の構成技法についてESへ焦点をあてながら解説していく。ただし、基本的には就職活動をしていれば自然と体得しうるものを要約するものである。そのため、テンプレートとなる型を最短で身につける、というニーズに特化して作成するものである。

1. マクロ視点=エントリーシートの基本は「劇的構成」

 「劇的構成」とは、物語・小説文の基本であり、以下のように明確な区別が可能である、という特徴を持っている。

A)「具体的な状況設定 = setteing」と「具体的な筋書き・展開 = plot」
B) 「事実描写」と「心理描写」

さらに、単純化すると、以下の三部より成る。

導入部
その話の状況設定部分(主人公・登場人物の紹介/場所/時 etc.)

展開部
主人公の一連の経験を追っていく部分。(「出来事=事実描写)をめぐる主人公の「思い・考え・発言の=心理描写」で構成される。つまり、主張には具体的な事実が必要であり、因果関係を以って主張することが重要である。

結末部
いわゆる「オチ」の部分。新たな出来事はもう起こらない。つまり、結果の部分である。

有名なSTER法であっても同様である。

Situation
事実描写=具体的な状況設定

Task
事実描写=課題や困難
心理描写=課題設定

Action
事実描写=具体的な行動

Result
事実描写=具体的な結果、他者からの評価など
心理描写=課題解決によって学んだこと、入社後どのように活かすのか、など

 ただし、私の場合は質問文に呼応した要約文を入れるようにしている。
 例えば、以下のようなテンプレートである。

Q. あなたの自己PRを教えてください。
A. 私の強みは、〇〇です。…

Q. あなたが学生時代に頑張ったことを教えてください。
A. 私が学生時代に頑張ったことは、〇〇です。…

Q. あなたの志望動機を教えてください。
A. 私が貴社を志望する理由は、〇〇です。…


2. ミクロ視点=文章構成の基本は「文と文のつながり」

 文章には、基本的に以下の二つの属性しかない。

同じ意味か違う意味か、である。

 同じ意味の時は、情報の抽象度・具体度に注意が必要である。基本的に文章の情報属性は抽象から具体、という流れになる。これらが、同じレベルになってしまった場合、全く(ほぼ)同じ文章となってしまい、意味が重複してしまい、字数稼ぎとなってしまう。

X→Y / X←Y (情報の転換)
話題の転換…ところで
展開・区分・列挙…第一に・第二に
追加…加えて / さらに
例示…例えば以下である
一般化…概して
根拠・原因…というのも〇〇だからだ
結果…それゆえ
論理的帰結・結論…要約すると

A ≠ B (異議・対立)
逆説…しかし(後続する文が強調される)
対比…一方で(後続される分は強調されない)
譲歩…だが/であるが

A=B / A≒B (同義)
換言…言い換えれば/すなわち
強調…とくに
類似…のような / ように

 さらに欠かせない要素が談話標識(概ね接続詞)と助詞である。
 談話標識は文と文の繋がりの際に、どのような関係性なのかを示すものである。
 私が普段から特に意識しているのは以下の2つ。

「は」…主語を別の対立概念と対比
  A君は野球が好きだ。B君はサッカーは好きだ。
  (A君とB君がそれぞれ対比され、対立構造が伝達される。)

「が」…主語を強調
  野球が好きなのは、A君だ。サッカーが好きなのは、B君だ。
  (A君とB君がそれぞれ強調され、対比構造は伝達されない。)

 助詞は細かく拘る必要はないが、大まかな意識くらいは持つべきである。また、助詞を意識して、英語のように画一的な構成にすると文章が綺麗になる傾向があるように思う。


3. 付録、通過したES

 私の書類選考を通過したESをご紹介いたします。必ずしも良いものではないかもしれませんが、ご覧ください。

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