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シドニー交通系ICカードOpalよ、さようなら!

クレジットカード(デビットも含む)のタッチ決済を利用した公共交通機関の非接触改札の仕組みをオープンループというのですが、その導入が世界各国で始まりつつあります。有名どころではおそらくオープンループ化世界初のロンドン交通局、絶賛使用箇所拡大中のアメリカニューヨーク地下鉄のOMNY、あまり有名でないところではVISAの協力によって実施されたブラジルサンパウロの地下鉄などが挙げられます。

そして意外と忘れ去られがちなのが(というか何故か注目されていない)オーストラリアシドニーのTransport for NSWが管理発行する交通系ICカード「Opal」です。2019年9月にOpalのシステムがオープンループにほぼ完全対応したということで、公共交通機関を運営する団体からの注目を今後集めるのではないかと個人的には考えています。

Opalにおけるオープンループのトライアルが開始されたのは2017年7月6日ですが、最初対応していたのがマスターカードだけでした。使える場所も一部のフェリーだけでしたが、2018年3月12日から拡大されてきました。またVISAも使えるようになりました。料金体系もはじめは1種類だけでしたが、これも段階的に複数の料金に対応するようになりました。そして2019年9月23日、バスにも完全対応したことによりOpalが使えるところすべてでタッチ決済も利用できるようになりました。異なる料金体系あるいは特殊な券種についてもほぼOpalと同じように使えるようになっています。ただし子供料金やシドニー在住のかたが使う一部の定期券などは従来のOpalカードのみの対応となっています。

このようなクローズループからオープンループへの更新は約2年で成し遂げられたわけですが、この種のシステムの更新としてはかなり早いといえます。なぜこのように迅速に行えたのでしょうか。

これは想像でしかありませんが、そもそものOpalのシステムとその機器がタッチ決済と同じMIFAREによるものであったのではないかという点と、タッチ決済による非接触改札のシステムについて実績のある「Cubic Transportation Systems」社の技術を利用しているからというものが挙げられます。

小難しいことはさておき、これはわたしたちにとってどんな益があるのでしょうか。シドニーを旅行する外国人にとってはこれは役に立つといえます。シドニーの公共交通機関を利用するためにはこれまではOpalカードをカウンターに行って購入しなければなりませんでしたが、タッチ決済機能がついているクレジットカード(あるいはデビットカード)を持っていればそのような行動は必要なくなります。Opalを使わないならチャージの手間もいりません。そしてOpalカードの残額の無駄もなくなります。大きな時間と労力の節約につながります。空港から両替もせずに公共交通機関を利用してホテルに直行できるのです。

そして素晴らしいことに、Opalカードと同様の各種割引も適用されます。
1日の料金の上限、1週間の料金の上限、日曜日の料金の上限の適用。
1週間のうち8回利用した後の9回目の料金半額。
連続した移動の際、乗り換えで2ドル割引。
ピーク時間以外の料金30%割引。

完ぺきではないでしょうか。

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