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ネタバレなしで「イカゲーム」について語ってみました

こんにちはRYUです。皆さんは「イカゲーム」って聞いたことがありますか?今年9月からNetflixで配信されているこの作品、私はついに最後まで見てしまいました。生死をかけて「子供がやるゲーム」で大金を争奪するという展開は非現実的なんですが、巨大なセットを使った画像は迫力がありますし、人間が何を目的に生きるべきなのか?という本質的なメッセージも含まれていて、考えさせられる部分も多くありました。結果として、決してカルトではない、とても面白い作品に仕上がっています。

これから見る方も多いと思うので、どんな展開になって結末はどうなるのか?ネタバレになる部分は無しで、本作について私が気づいたり考えたりしたことを書き連ねてみたいと思います。

1.壮大なスケール

この作品の製作費は総額240億ウォン(約24億円!)とハリウッド映画クラスで、随所に巨大なセットが組まれています。主演のイ・ジョンジェさんはこのセットに感心して、スマホで撮影しまくったのだとか(汗)。スケール感の大きさが「面白さ」に繋がっている部分は大きいと思います。

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そこでまず考えたのですが・・・現在の日本のドラマで、これくらいスケールの大きな作品が出てこないのは何故なんでしょう?広告収入の減少に苦しむ日本のテレビ局は高額の製作費を掛けられない経営状況になりましたが、Netflixなら日韓で条件は同じはずです。

ひょっとして日本のプロデューサーや脚本家はスポンサーの顔色を伺って制作することに慣れてしまった結果、自由に作品を作れなくなったのではないかと・・・日本の作品にも頑張ってもらいたいです。 

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ちなみに240億ウォンの製作費について情報漏洩したスタッフは解雇!されたそうです。このへんは話題作りのためのリーク?と思えなくもないですけどね。

2.共通項が多い日韓の生活文化

この作品で参加者は6つのゲームで戦うことになりますが、そのうち4つは日本でも一般的な、誰もが知っている遊びです。1910年から1945年まで35年間にわたって朝鮮半島は日本の占領下にあり、現在まで続く反日感情の起源になっていますが、この頃に伝わった遊びがまだ韓国に残っているのでしょう。

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カルククス(うどん)やキムパ(海苔巻)も日本が占領時代に伝えたものらしいですが、日韓が多くの部分で生活文化を共有していることを、このドラマからも気付かされます。

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3.ファッションの面白さ

作品中で、ゲームを進行するスタッフはこのファッションです。匿名性が強調されたファッションで、ユーモラスながらも無表情なので、同時に恐怖感を感じさせます。ファッションの視覚的な印象をよく考えた巧みな設定だと思います。

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そしてゲーム参加者側は、終始こちらの緑のジャージを着用。日本の中学校・高校で一度は着るファッションですが、韓国でも同じみたいですね。子供の頃の服装をすることで、視覚的にも「子供の遊び」感が強調されています。

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ちなみにこの衣装、既にネット上では販売中で、新大久保では店舗で販売しているのを見かけました。今年のハロウィンでは、既に着ている人がいましたよ!

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4.巧みなキャスティング

今回主演のイ・ジョンジェさんを始め、ゲームに参加する主要キャストは、日本ではまだ有名ではない方が多いです。しかし、脇役には大御所クラスが効果的に配置されています。まずは平成の韓流ドラマブームで大人気だったイ・ビョンホンさん。今年51歳だそうです。

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そして最近大人気のコン・ユさん。身長184cm!の長身です。お2人がどんな役で登場するのか?確認してみてください。

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そして本作のヒロイン、モデルのチョン・ホヨンさん。スタイルが良すぎると思ったら・・・パリコレなどヨーロッパのコレクションに出演しているスーパーモデル!でした。BlackPinkのジェニーさんともお友達だそうです。

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現在はルイ・ヴィトンのアンバサダーにも就任したそうで、これからアジアン・ビューティのアイコンになりそうな方です。キャストの面でも、見どころが多いドラマになっています。

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5.韓国ドラマに必須の格差問題

そして登場人物の設定を見ると、韓国ドラマに欠かせないテーマである「富裕層と貧困層の対比」が本作にも組み込まれています。今年、日本でも人気になったドラマ「梨泰院クラス」もそうでしたが、「格差」が韓国でも重大な社会問題になっていることがわかります。

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6.人としてどう生きるか

さらに、もっと深く見ると・・・この作品はゲームが進行するにつれ、「お金」や「生死」を前にした人間の本性が描かれます。極限状態で人間が何を選ぶのか?選ぶべきなのか?を、見ている私達にも問いかけるような展開になっています。極端に自分本位な参加者が次々に現れますが、私達が「そんな人達とは違う」と言い切れるのか?何度も考えさせられる局面があります。

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ちなみに私個人の解釈ですが・・・この作品にはさらに深いテーマがあると思います。「現代社会で生きている私達は、知らず知らずのうちにこのゲームの参加者のように、管理している何者かに操られて競争させられているのではないか?」そんな示唆を、この本作は伝えているように思います。

いかがでしたか?この作品は一見すると「カルト」に見えてしまうのですが、ご覧頂いたような見どころが多くあり、人間がどう生きるべきか?さえ考えさせるシュールな作品に仕上がっていました。娯楽以上の価値があると思うので、機会がありましたらぜひ体験してみてください!  (RYU)