個性的な3つの神社で初詣しました(2.千代保稲荷神社)
こんにちはRYUです。私が新春に3箇所連続!で初詣に行った個性的な神社のご紹介、第2回は岐阜県海津市にある「千代保稲荷神社」(ちょぼいなりじんじゃ)です。地元では「おちょぼさん」の愛称で親しまれる商売繁盛の神様で、規模は小さいながらも創建は平安時代。年間の参拝者は250万人!いう大人気の神社です。
千代保稲荷の位置はこちら
まずは千代保稲荷の位置はこちら。名古屋の北西にあり、名古屋中心部からの所要時間は車で1時間程度です。
名古屋駅から「西美濃ライナーリレーバス」で行くこともできるようなので、行ってみたくなった方は以下の休日ダイヤを参照ください。
https://www.city.kaizu.lg.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000001/1854/p7.pdf
個性その1:飲食店が多い
今回、大混雑する三が日は避けて6日に行ってみたのですが・・・狙い通り、参道はちょうど良い程々の混雑でした。
いつも南側の大鳥居の近くの駐車場に駐めるのですが、1日の駐車料金は500円。ただ、引き換え?にサービスでデカい大根が付いてきます。ウチは奥さんと私だけの2人家族なので、数日は大根ばかりの献立になりそうです(汗)。
ではいよいよ参道へ進んでみましょう。この神社の第一の特徴は、参道に飲食店がめちゃくちゃ多い!ことです。
地元のソウルフード「味噌串かつ」「どて焼き」のお店が軒を連ねており、皆さん立ち食いしたり、店内で本格的に飲んだり、もうやりたい放題です。
参道にある飲食店は数十軒。活況になるのは年始だけなので、なぜこれだけのお店が営業を続けられるのか?疑問に思ったんですが・・・実はこの神社、月に一度「月越し参り」という習慣があり、この日は朝まで営業しているお店が多いんだそうです。全国的に見ても、アルコール血中濃度が高い素敵な参道です。
私たちも魅力に勝てず、参拝前に休憩・・というわけで、今回はこちらのお店に入店しました。
定番の味噌串かつ、牛すじの煮込みを頂きました。肉の量が多い串かつで、なかなか美味かったです。私は味噌味、関西出身の奥さんはソース味を選択しました。
個性その2:伝統の川魚料理
この参道、地域の伝統料理である「川魚料理」の店が多いのも特徴です。「なまず料理」「なまずランチ」なんて看板が見られるのは、千代保稲荷と埼玉県の吉川市くらいじゃないでしょうか?
ショールームに並ぶ食品サンプルはこんな感じ。ナマズは私も食べたことがあるんですが、「脂の少ない鰻」みたいな味でした。頭が大きい分、身の部分が少ないのでコスパはイマイチです。
骨まで柔らかく煮た「鮒(フナ)の味噌煮」も、この地方の伝統的な郷土料理です。皆さん見たことあります??
こちらが岐阜県~愛知県南西部の郷土料理である鮒の味噌煮です。ご覧の通り、鮒に大豆がてんこ盛り。タンパク質×タンパク質の、当時のスタミナ料理だったことがわかります。お味の方は・・・ほぼ「見たまま」なので、興味がある方はお試しください(汗)。
この地域で食される川魚は多様で、紹介した「なまず」「鮒」だけではありません。ご覧の通り、様々な魚の佃煮も販売されています。
まだ冷蔵や流通のインフラがなかった時代、地元で採取できるこうした川魚が、一般庶民の重要なタンパク質&カルシウムの摂取源になっていたことがわかります。
さて、ここで関東の皆さんに質問です。以下のお店の画像を見て、何か気づくことはありませんか?
ピンときません?では商品の画像をクローズアップしてみましょう。
中部地方の「はんぺん」は揚げた練り物の総称で、色はご覧のとおりの茶色。関東の皆さんにおなじみの「白いはんぺん」は、スーパーで頑張って探さないと有りません。この参道、そんな食文化の違いも発見することができます。
参道内にはもちろん飲食店以外の出店もあるのですが、お正月に目を惹くのは正月飾りのお店。商売繁盛祈願の「熊手」が多数売られています。
岐阜県は昭和の時代に繊維産業が盛んだった経緯もあり、アパレルのお店も多いです。こちらはGUやしまむらより安そうなお店。
「地方の神社の参道に良さそうな服なんて無いでしょ?」と思われるかもですが・・・そこは繊維の町・岐阜。意外に素材・デザインのクオリティが高い服も混ざっているので侮れないです。
その他、漬物の老舗があったりとか・・・
豆菓子の店があったりします。キリがないので参道の情報はこのへんで留めておきます。
個性その3:独自のお参り方法
さて、ではいよいよお参りしてみましょう。境内はさほど広くない、こじんまりした神社なんですが・・・驚くべきはそのお参り方法。他の神社とは全く違います。
「あげ・ローソク 1組50円」のサインが見えますか?実はこれ、千代保稲荷では必須のアイテムなんです。
油揚げと蝋燭のセットを50円で購入するんですが・・・この油揚げ、手が油だらけにならないよう藁が通してあり、これを賽銭箱に投げてお賽銭の代わりにします。全国的に見ても、かなりユニークな参拝方法じゃないでしょうか?
こちらが本堂。ここでお賽銭(油揚げ)を投げるんですが・・・
現金の賽銭も可能で、手前が油揚げ、奥が現金の賽銭箱になっています。
初めて見る方は、これだけでもビックリだと思うのですが・・実はこの神社と油揚げの関係は、参拝後も続くのです。
個性その4: 神様の「お下がり」がある
この神社、お賽銭になった油揚げが神社の一角で提供されており、なんと「お持ち帰り可」なんです。
開封するとたいへんな量(汗)。まずは稲藁を外す作業をします。三角が87枚、四角が35枚(合計127枚)ありました。
次に、油抜きと洗浄・殺菌を兼ねて湯通し。これだけ量があるので、めちゃ時間が掛かります(汗)。
粗熱(あらねつ)をとったら、当面使う分を残してジップロック&冷凍。家の中は奥さんと私だけなので、使い切るのに時間が掛かります(汗)。
とりあえず翌日は、稲荷寿司と大根&油揚げの煮物を作りました。手作りのしっかりした揚げなので、味の方も美味しい!です。
そんなわけで、いかがでしたか?全国的に見てもかなり個性的な神社である千代保稲荷神社、もはや単なる神社ではなく、参道を含めると「昭和のテーマパーク」としての楽しさがあり、つい何度も通ってしまいます。お近くの方も、関心を持った方は遠方の方も!機会があったら、ぜひお試しください。 (RYU)