「引退なんてするな」なんて、軽はずみに言っててゴメン
5月1日(土)
高校生のインハイ予選。
勉強に熱心な高校だから、例年、3年生はこの時期での引退が恒例になってしまってる感じ。今年の3年生も、全員じゃないけれど、このインハイ予選を負けた時点で引退、と決めてる選手も多い。
引退という言葉を高校生が使うのどうかと思うし、やはりせめて選手権まではやってほしいから僕も「引退なんてまだしなくてもいいじゃないか」とつい言ってしまうし、実際、試合前日の練習でも彼らにそう話したのだけれど
この日の2回戦。ある3年生の選手が、自身が初めてサッカーを始めたというチームで着ていた、当時のユニフォームを持ってきてた。
サイズ120㎝。ちっちゃいちっちゃい、古びたユニフォーム。
彼自身が志願して今回のインハイ予選で背番号を変えたのだけど、その背番号は、この120㎝を着ていた当時のものだということを今日初めて知った。
昔のユニフォームをまるでお守りのように試合会場に持参したということは、やっぱり、今回で自身のサッカー人生を最後にすると決めてるのだろう。
いつもクールな感じを出して寡黙、でも変態的にドリブルを愛してやまない彼が、こういう一面を持ってるとは。
こちらが思う以上に、引退という言葉を安易に使ってないし、相当の覚悟と決意を持っているのだなと。
試合前にこのユニフォームを見せてもらって
「引退なんてまだしなくていいじゃないか」と安易に言ってた自分を反省した。そんな軽いものじゃなかったと、この小さいユニフォームが教えてくれた。
「このユニを着てた頃から今日までずっと《好きだな》と思ってし続けていたプレーを思う存分すればいいからな」
と彼に話して、送り出しました。もうそれしか言えないよね。
で、肝心の試合は、、先制されたものの後半にひっくり返し、2−1で逆転勝利。
同点ゴールは、サイドを切り裂いた彼からのアシストでした。
僕も今日は勝負シャツを着て、頭をフル回転させて一緒に戦いました。
いろんな想定をして準備してたから、もう頭が消耗して疲れた疲れた、、
悩みに悩んだ末、1-1で迎えた後半なかばに攻撃的な選手交代をしたけれど、これがうまくいかなくてもし失点して負けでもしたら、本気でみんなに土下座して謝ろうと思ってた。
けど
投入したその選手が、終了3分前に劇的な決勝ゴールを決めてくれた。もちろん彼が決めると思ってたから信じて投入したのだけど、あの瞬間は、ちょっと忘れられそうにないな。
もう、こんなヒリヒリする真剣勝負の場には戻らないと決めてたのに。
やっぱり、当分はそうもいかないみたいです。この仕事はやはり、麻薬みたいなもんだ。
この日(5月1日)から始まったユニオンの告知・宣伝を当面の間はガシガシ張り切ってやるぞ!と思ってたのだけど、やっぱり現場で得られるこういった選手達との時間を忘れちゃいけないし、彼らが見せてくれる一瞬一瞬を、見逃してもいけないすね。
最近はオンライでの仕事に明け暮れ、そしてすっかり宣伝モードになっていた自分を反省して、久々にこんなエモい現場のコラムを書いてみました。
・・・
と言いつつやっぱり最後に宣伝!(バレてた)
でも本気です。最後にもう少し時間ください。
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