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40歳からの勇気〜なりたい自分になるためのアドラー心理学〜 【第10章:なりたい自分になるための訓練1「行動」】


行動をコントロールする

あなたは、自分の人生を自分の思い通りにコントロールしたいと思うだろうか?

「なりたい自分になる」ことを目的にしたあなたなら、当然「イエス」と答えるはずだ。私もそうだ。

教育心理学には「ローカス・オブ・コントロール(locus of control)」という概念がある。locusとは「場所」とか「力の根源」という意味であり、日本語では「統制の所在」と訳されているが、要するに「ものごとをコントロールする力のありか」という意味である。


例えばものごとの結果が良かった時(あるいは悪かった時)、あなたはその理由をどこに求めるだろうか?

選択肢は2つだ。
その理由を自分の内側(才能や努力)にあると考えるか、あるいは自分の外側(環境や運)にあると考えるか。

このどちらかを選ぶことによって、あなたのパーソナリティの一面が見えてくる。


アメリカの心理学者であるジュリアン・ロッターは、コントロールする力を自分の内側にあると考える(つまり人生は自分でコントロールできると感じている)人のほうが、精神的な健康度が高く、幸福度も増すと言っている。


しかしこの考え方には注意が必要だ。アドラー心理学のコモンセンスに従って考えるならば、自分の力で「変えることができるもの」と「そうでないもの」とがあるからだ。

自分の人生をコントロールする際に、あなたは自分自身をコントロールすることはできるが、自分と関わる他者をコントロールすることはできないし、その他者の集まりである社会をコントロールすることもできない。

そう考えるほうが健全なコモンセンスであると言えるだろう。

馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることができないように、自分と他者との課題は分離して考えなければならない。

その範囲で、「人生は自分でコントロールできている」と考えるほうが、精神的には幸福であるはずだ。


つまり「人生は自分でコントロールできる」という感覚は、「自分の行動は自分でコントロールできる」という感覚に他ならないのだ。


そう、これまでも何度も言ってきたように、あなたの「行動」が全てなのである。

「なりたい自分になる」ために、あなたは自らの行動をコントロールしていかなくてはならないのだ。


今あなたが仮想的イメージとして作り上げている「なりたい自分」は、社会の中で降りかかる「困難=人生の課題」を正しい方法で解決していくことで実現していくだろう。

それはアドラーの言葉を借りるならば、「人生の課題を、答えを出すべき数学の問題のように」に解いていくことで具現化できるということだ。

個人の虚構の世界では、個人の「感覚」や「イメージ」や「言語」が優先され、それらは目的を持った時に強い力を発揮するが、

それを社会で実行していくには、あなたはそのプログラムを「社会用」に変換していかなくてはならない。


個人用に書かれたプログラムはそれが正しい手順で書かれていない場合、社会ではたいていバグになってしまうからだ。


社会に適用するプログラムを、私は「社会の共通言語(common language)」と呼んでいる。

この共通言語は、あなたの「行動」によって書かれていく。

つまり、あなたの「活動性」を上げる行動と「共同体感覚」を高めていく行動によって、この言語は成り立っているのである。


そして、これも何度も言ってきたように、この言語には順番がある。まず初めに「活動性」を高める行動を取ること。こちらが優先だ。なぜなら「共同体感覚」は「活動性」に伴って引き出されものであるとアドラー心理学では考えるからだ。

それでは、あなたが「自分の行動をコントロールする」ために必要なこと、そして社会の共通言語としての「行動」をどのように生み出していくかについて、具体的な方法を紹介していこう。





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