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「ニュースの数字をどう読むか」を読んで。

・背景

新聞を読むようになって、「本当にそうなんだろうか?」と強く感じるようになりました。

また、よく聞く話として、「その情報本当にあってる?」っていうことをよく耳にします。

「疑ってかかることも大切」と聞きますが、どこまでを疑うのか?どこを疑うのか?線引きが難しいです。

こんな意識があったので、何か参考になればと思って読みました。

・感想

いい本だな~と率直に感じました。

というのも、200ページ少しながも多くの話題(22章)に触れている点と基本的な話+実例で書かれているので、浅く広く理解できると感じたからです。

もう少し知りたければ、その分野に特化したものを学ぶのがいいのかと感じました。

個人的になるほどと思ったことを紹介します。

>シンプソンのパラドックス

何か名前は聞いたことがあるような…?という言葉です。

簡単に言うと、全体で見ると良くなったように見えるものが全体を構成するものの個々で見ると、悪くなっているということです。(その逆も然り)

『大は小を兼ねる』という言葉は必ずしも正しくはないです。

全体で見ると良くなっているように見える
→個別ではどうなの?

個々で見ると良くなっているように見える
→全体ではどうなの?

こういう視点をニュースで見る時に確認したらいいのかな~と感じました。

>絶対的な値を確認する

「たまねぎを食べるとアルツハイマー病のリスクが30%低くなる」

例えばこんな報告があったとします。

30%ってそこそこ大きく見えます。

でも、元々アルツハイマー病になる人って、何%くらいなんでしょうか?

ここが重要です。

日本の人口で100万人いたとしたら、占める割合として1%無いくらいです。(仮に1%とします。)

この内の30%減は0.7%です。

このためにたまねぎを食べようとするかどうかは人それぞれです。

元々の確率を知ることで、それって本当に重要?なのかを考える指標になります。

*ここでは仮に日本の全人口と仮定して1%でしたが、70代以上にすると、直感としてもっと高そうですよね?
全て架空の話ですが、元の確率もどうやって出しかをチェックすることも自分がその問題を考えることに重要だと感じました。

>調査のサンプル数

アンケート結果や研究結果で、「何人で行いました」というのは必ず示されているはずです。

テレビなんかだと、「どう答えたか?」がピックアップされていて、人数は小さ~く書いてあることが多いです。

このサンプル数が小さいと誤った結果が出ることがあるということです。かといって、サンプルが大きければいいという問題でもない。

例えば、人の考え方は地域性もあると私は勝手に思っているので、日本人1万人のある調査結果が他の国でも同じか?と言われればおそらく違うでしょう。

明確にこれなら信じられるという線引きはありません。

>研究者

研究者の地位的な話です。

「この研究者はすごい!」というのは、論文をたくさん投稿したり、その論文がたくさん引用されることですごいと思われます。

まず、論文を投稿するためには、投稿先の学術出版社に認められる必要があります。

投稿するためには、「本当なの?」という驚きがある方が認められやすいです。

というのも、出版社は資本主義社会にあるので、売上がなければ潰れてしまいます。

何か驚きがある方が目を引きます。

論文が引用されるというのは、他の人が自分の考えを認めてくれるということです。

いずれは「この人がやっているなら問題ない」となっていきます。

これが「この人はすごい」に繋がっていきます。

こうなるには、やはり「論文を投稿する」に繋がるので、「何とか差異はないか?」と躍起になってしまうので、必ずしも正しい研究ばかりではないことを注意する必要があります。

私自身も、研究室にいて、「何とか論文に」ということを感じる機会が多くありました。

・最後に

この本は図書館で借りて読みましたが、手元にあってもいい本かな~と感じてます。

所々、分かりづらいと感じることもありますが、得るものの方が大きいと思ってます。

数字に騙されないためにも、読んで損はないです。

気になれば是非!






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