ADHDとは？

ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorder（注意欠陥多動性障害）の略称です。ADHDは、主に子ども期に発症する神経発達障害の一つで、注意力や集中力、衝動のコントロールに問題があることが特徴です。

ADHDが初めて認識されたのは1902年で、イギリスの小児科医ジョージ・スティルが、注意欠陥、衝動性、多動性の症状を持つ子どもを研究した際に発見しました。その後、ADHDは多くの研究者や専門家によって研究され、定義されてきました。

1950年代には、アメリカの小児科医レオン・アイスナーによって、活発で落ち着きのない子どもを「ミニー・ハイパーキネティック・シンドローム」と名付けられ、1957年にはアメリカ精神医学会の疾患分類 DSM（Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders）に、ハイパーキネティック・リアクション・オブ・チャイルドフッド（児童期の過剰反応性障害）が加えられました。

その後、ADHDは研究や臨床の進歩によって、より詳細に定義され、1994年に発行されたDSM-IV（第4版）では、注意欠陥/多動性障害という疾患名に改められました。2013年には、DSM-5（第5版）にて、ADHDという名称に戻され、さらに診断基準が更新されました。

現在、ADHDは世界中で広く認識され、様々な研究が進められています。ADHDの症状や原因、診断や治療について、専門家や関心のある人々によって積極的に研究が行われています。