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脳卒中サバイバー同士でラジオ

1月26日に見た満月がとても美しく、何かいい事があればいいなと密かに心の中で思った私。

1月26日・満月が綺麗だったので写真を撮った



その翌日、私はラジオ放送局「ゆめのたね」
甲守弘さんのShining Breezeのオンライン収録日であった。
昨年末、東京で開催されたG2さん主宰第73回コミュラボオフ会「病いと地域とコミュニティ」のゲストとして参加させていただいた。
G2さんが自らのfacebookでイベント告知してくださり、G2さんとお友達だったラジオパーソナリティの甲守弘さんが私の事を知り個人的にメッセージを送ってくれた。


⭐︎前回の記事⭐︎



甲守弘さんは脳出血を10年前に発症され、リハビリを得て社会復帰された脳卒中サバイバーだ。

「僕もサバイバーです!」と向こうから声をかけてくれたのは初めてだった。
今までは同様の患者に会いたくて自分から声をかけ探していたので、本当に嬉しかった。
甲さん自身もサバイバーと話すのは初めてだったようだ。
このように同じ共通項、いや特異な共通項がある者同士というのはどこか懐かしく、初対面でも共鳴し共感できるところがある。
それは自分自身の感情の高鳴りや安心感からも分かるし、またリアルにサバイバー同士に会うと年齢を超えて手を繋ぎ合う喜びに浸る事がある。

甲守弘さん

ラジオ収録の前に丁寧な打ち合わせを甲さんはセッティングしてくださり、その時点から互いの経験を話し「分かる、分かる」とうなずき合った。
私が「退院直後は神経過敏になっているから音もうるさい、電気も何もかも眩しかった、道路で車の音が怖かった」と話すと
甲さんも「退院直後は地下鉄の音やあの空間が怖かった」と共感してくれた。
自分の退院直後を考えると、あの東京の雑踏の中、いろんな音が混じり合う地下鉄の空間は想像しただけで怖い、とてもとても私には無理だ…
甲さんすごいな…きっといろんな事を乗り越えてがあるんだろうなと思った。

「生きているなら楽しんでいろいろな事にチャレンジした方がいい」
甲さんの言葉はものすごく説得力があった。
甲さんは本職を持ちながら、ラジオパーソナリティとしてもご活躍され、さまざまボランティア活動もされ、災害時に人の助けになるようにと小型重機の講習を受けられたりとこの世の時間を精一杯生きられている先輩サバイバーだ!

Shining Breezeインターネットラジオ収録

千葉と高知、オンラインでの収録。
収録中は緊張で頭が回らず、結局うまく話せなかった。だけど本音すぎる気持ちは話せた。

1月27日のShining Breeze収録の様子


退院後、辛い時期を乗り越えもうすぐ社会復帰という時にこんな言葉を他人から聞かせられた事があった。
「ショックを受けないでくださいね、脳卒中をした人は将来自殺する人が多い、だから愛さんも……」といきなり言われたことで私はかなりショックを受けた。
その時はよく理解できずその言葉は流したが、術後1年も経過していない患者にそのような言葉を絶対に浴びせるべきではない。
間違った部分的な情報がネットに溢れている。
なぜそんなことを私に言うのか?
情報をくれたとしてもそれは正確な情報なのか?
何気ない会話の言葉は時として人をそのような方向に誘導する危険性がある。

私の強さは、それから悔しくて自分なりに英語で情報を集めたり医療従事者にも聞いて幅広く勉強したことだ。無意識にラジオで私はそれを話していた。
「それは違う」と今ならはっきり言える。
理由もはっきり言える。

だからサポートネットワークが必要なのだ
希望ある正しい情報で上書きをしたい

私の心には怒りがあったんだな…と自分でもわかった。
「病気になる前は私はなんとなく生きていた、だけど今の私は意識的に生きている」
甲さんと話しながら、私ってそうなんだ…と不思議だがそう思った。

そんな甲さんと私の脳卒中サバイバー同士のラジオトークおそらくラジオで初なのでは?笑
聴きたい方は↓↓

◯2月4日(日)15:00‐15:30
〇番組名「Shining Breeze」
〇チャンネル「オレンジチャンネル」
〇放送日「毎週日曜日 15:00-15:30(翌週は再放送)」
https://www.yumenotane.jp/shining-breeze
【聞き方は簡単です】
①上記のURL(番組Shining Breeze)を開く。
②毎週日曜日 15:00になったら「オレンジチャンネルを聴く」のボタンを押す。

最後に

今年に入って、人の繋がりのおかげで私は今までどうやっても逢えなかった脳卒中サバイバーの方々と会う機会が増えている。
サバイバー」という言葉の通り皆さん、苦しみを生き延びた人達。
言葉が出ない、体が動かない、脳の違和感を感じながらも皆さん生きている。
それはとても美しく私が見たあの満月のように私の希望となっている。

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