見出し画像

福島・須賀川の「暮らし」に魅せられて〜住み込み家守チームとの多拠点生活〜

「おすすめの家はどこですか?」

ADDressで出会った会員さん同士、頻繁に交わされる会話です。私が家守を務めるADDress二子玉川邸に度々来られ、既に1年以上続けている会員さんに10月に何度目かの再会をした時に、この問いを久々に投げてみたところ、

「須賀川ですね」

と即答。その会員さんも1年以上続けている他のADDress会員さんのクチコミがきっかけで滞在したそうで、「すごく良かった」と推薦されました。これは行くしかない!とスケジュールを調整し、翌11月に4日間の予約を入れたのでした。

福島県の南部、栃木県からのアクセスも便利

ADDress須賀川邸は福島県の南部にあり、ADDress物件の中で最もアクセスがしやすいのはお隣・栃木県の東北道沿い(那須塩原A邸や宇都宮A邸)です。福島県内には他に、いわきA邸や南相馬A邸、湯本温泉A邸もあります。

既に滞在経験をしたADDress会員さんが、会員限定SNSコミュニティに投稿していたので、「須賀川といえばウルトラマン(=ウルトラマン作品など特撮映画で有名な円谷プロダクション創業者・円谷英二の故郷)」という前情報は知っていました。とはいえ、ADDressに須賀川邸がなければ、そうした関係性を知ることも無かったかもしれません。

▼まちなかに建つウルトラマン作品のキャラクターたち

この物件はビルの居住部分の一棟がADDressで、階下の店舗部分は地元でも人気のパン屋「アンジュール」が入っています。分かりやすいパン屋の外観が目印です(=画像下)。駐車場は向かって右側2軒を挟んだ、瑞穂不動産所有の駐車場です(パン屋さんの駐車場に停めないように!)。

ADDress物件のオーナーは隣接する瑞穂不動産で、社員さんが住み込み家守をされています。一棟管理のADDressオリジナル物件との違いとしては、家具家電など備え付けのものがすべて、オーナー(家守)さんの所有物である点です。使い勝手は異なりますが、こうしたオーナー(家守)さん好みの設備もまた、家ごとの違いを楽しめる要素となっています。

▼広いリビングは交流の場に

このエリアに生まれ育った20代の家守さんは、須賀川愛にあふれ、人懐こい笑顔が印象的な会社員さん。私が滞在したちょうど1週間前に、大学時代の同級生が須賀川市に転職移住され、サブ家守としてADDress須賀川邸での同居生活を始められていました。サブ家守さんも同じオーナー会社で働いています。家守チームが勤める瑞穂不動産は、須賀川の空き家活用事業も手掛けており、中心市街地にもリニューアル物件があります。

須賀川は福島県の内陸部ですが、2011年の東日本大震災では農業用水ダム「藤沼ダム」が決壊し、死者不明8人の大きな被害を受けました。

沿岸部の被害がさらに大きかったこともあり、あまり知られていませんが、現在も震災復興活動が続けられています。

すべての個室が広々快適、コリビングで交流

家守さんに聞くと、ADDress須賀川邸へは今のところ、8〜9割の会員が車で来るそうですが、電車で来る会員もたまにいるそうです。私が滞在していた時も、中国人の会員さんが埼玉県から公共交通機関を使って到着されました。最寄駅のJR「須賀川」駅からは車で5分、徒歩だと20分の距離です。ほぼ直線距離なのでわかりやすく、にぎやかな商店街沿いを歩くので、天気が良ければ地域散策がてら徒歩で来るのも悪くはないです。

ちなみに、ADDress須賀川邸から車で13分の距離に福島空港があり、伊丹空港間、新千歳空港間の定期便が出航しています。意外に知られていない穴場ルートです。

ADDress須賀川邸は3つの予約個室があります。1つ1つの個室がかなり広いのが特徴です。ストレッチやヨガなども余裕でできます。

▼同じ階にある3つの予約個室

いずれもシングルサイズのベッドなので、同伴利用の際は、家守さんが別途マットレスと和布団セットを用意してくれます。

どの部屋にもデスク&チェアがあるので、テレワークも快適でした。
歩いて3分圏内に、コンビニエンスストアや飲食店も多数あるので、ちょっとした買い物にも便利な立地です。

私自身の1年前の多拠点生活は、1日ないしは2日の超短期滞在が多かったので、外食がメインでした。2021年に入ってからは、多拠点先では自炊半分・外食半分の生活をしています。今回の滞在でも2晩は自炊、もう1晩は外食をしました。

ADDress須賀川邸はIHのシステムキッチン(=画像下)で、料理好きな家守さんが料理道具を揃えており、楽しい自炊生活ができました。

初日の夜は、家守さんと居合わせた会員さん(二子玉川邸にも複数回滞在しに来てくれた会員さんでした!)と自炊料理をシェアしました。地元・須賀川の食材を用いたアレンジ料理はどれも美味しかったですし、何よりも一期一会の食事会は、会話がとても弾みました。

▼家守さんと会員さんでシェアした自炊料理

「まち歩き」に最適でグルメ店舗に囲まれた家

ADDress須賀川邸は居心地がいいので、ついつい家の中で過ごしたくなりますが、まち歩きの時間をぜひ作ってほしいエリアです。

家から徒歩4分の場所にある、須賀川市市民活動サポートセンター「tette(テッテ)」は、図書館やイベントスペースの他、ラジオ番組のスタジオ、休憩スペース、円谷英二ミュージアム(無料)、屋上テラスなどが備わった複合施設です。町のシンボル的な建物で、地元の人が集う施設となっています。ADDress会員さんたちも足繁く通っているとのことで、気分転換に「tette」でテレワークをしたり読書をしたりでき、とても明るい空間が広がっています(=画像下)。

屋上テラスからは須賀川市内が一望できます(=画像下)。

須賀川にはグルメスポットが多いです。

居合わせた会員さんから推薦されたラーメン店「かまや食堂」は、煮干し出汁が効いた極上の一杯でした(=画像下)。なんと朝9時半から営業しており、会員さんは「前回来たときが金曜日の定休日で食べられなくて悔しい思いをしたので、今回は絶対に食べに行く!」と朝から出掛けていました。私は12時のランチ時での訪問だったので、想定通りの混み具合でしたが、会員さんいわく「朝も行列ができていた」とのことです。

3日目の晩の外食先は、ADDress須賀川邸から徒歩1分以内のイタリアン「フェッラゴースト」(=画像下)。外観からおしゃれ感たっぷりです。

本格イタリアンなので値段は少々高めですが、納得の美味しい料理の数々を食べることができました。コロナ禍なのでランチは予約制(テイクアウトも予約制)でしたが、夜は予約なしで入店できました(2021年11月5日時点、来訪時は要確認)。

▼コース料理の前菜の盛り合わせ

家守さんがコリビングスペースに「おすすめ店舗情報」を紹介してくれているので、滞在の際は参考にしてみてください。須賀川のグルメスポットは徒歩圏内にもたくさんあるので、今回の滞在だけでは回り切れませんでした。リピート滞在会員さんに聞いたところ、彼もまた同じことを言っていて、私同様にきっとまたリピート滞在しに来られるのではないかと思います。

同時滞在した2名の会員さんからそれぞれお薦めされた、以下2店舗(「焼き鳥 とり峰」、「深夜食堂ばんや」)も地元の人が集まる大衆居酒屋で、「ぜひ行ってほしい」とのことでした。ADDress須賀川邸から目と鼻の先です。

車での観光なら裏磐梯、ハイキングコースも

須賀川に車で来るなら、1時間圏内で行ける観光スポットも見所が多いです。これもまたADDress会員さんに「11月に来て紅葉を見ずに帰るのは惜しい!」と言われたことが発端でしたが、大満足でした。赤く染まった裏磐梯の景色は見事でした。

車窓から眺める秋の風景は紅葉の見頃を迎えており、往復約2時間の「五色沼湖沼群」ハイキングコースも、日常の良い気分転換になりました。リュックにPCを背負って歩きましたが、風景の素晴らしさに心を奪われて、気づいたらあっという間に時間が過ぎていたという次第。勾配もほとんどない歩きやすいコースなので、高齢者の観光客も多かったです。

▼さまざまな彩りが美しい五色沼の湖面

五色沼の手前、車で5分ほどのところにある「諸橋近代美術館」(=画像下)は、アート好きな自分が思いがけず満足できた施設です。建物も庭も立派ですが、なんと言っても展示物がユニーク。それもそのはず、スペインの鬼才サルバドール・ダリ作品の世界屈指の所蔵点数を誇る美術館なのです。絵画はもちろんのこと、多くの彫刻作品も展示されています。作品のテーマは発想に富んでおり、刺激的な時間を過ごせました。

なお、ここまでお薦めして大変恐縮ですが、上記の公式サイトを確認したところ、現在は冬季休館中とのこと(残念!)。2022年4月27日に開館とのことです。春の多拠点生活で、訪れてみてください。

裏磐梯から須賀川市内に戻り、車で行くお薦めスポットとして、最後に2つご紹介します。

まずは、温泉。
ADDress須賀川邸から車で10分の日帰り入浴温泉「弘法不動の湯」です(=画像下)。弱アルカリのぬるめのお湯(38度程度)が特徴で、ヌルヌルとした黄金のかけながし温泉。ぬるめのお湯なので、ゆっくり長くお湯に浸かれますし、身体の芯がポカポカになります。私は最終日、朝風呂をしに行きました。8時から営業しています。

もう1つのお薦めスポットは、「須賀川特撮アーカイブセンター」です(=画像下)。無料で入館できる市営施設。2020年11月に開館したばかりです。

言わずもがなの「特撮の神様」にちなんだ施設で、特撮関連作品の保存・研究・修復をされています。また、スタジオジブリが制作し、樋口真嗣氏が監督を務めた特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』も定期上映しています。前編は映画上映、後編で撮影風景を紹介する構成となっており、特撮技術の舞台裏を学ぶことができました。

▼施設に展示されている作品(スマホの静止画撮影はOK)

* * * * *

須賀川多拠点生活の体験記事、いかがでしたでしょうか?
まだ1回目の訪問でしたので、再訪する時はまた新たな魅力発見が期待できる町だと思います。出会う会員さんが都度、笑顔で須賀川について語るので、私も訪問前から聞いていて嬉しくなりました。
家守さんも生まれ故郷の福島への愛着がとても深く、愛情にあふれた地元紹介をしてくれます。

私は仕事柄全国を転々としていますが、意外と「都会羨望」的な視点で故郷を謙遜される地域住民は少なくないのです。もちろん生活をするからには良いことばかりではなく、苦労や悩みも抱えるのが「暮らす」ということ。でも、初めて滞在する地域について口を開く瞬間、笑顔で「地元のお薦め」を話してくれると、聞いている側も話している側も、両者が幸せな気持ちになれますね。

当たり前の日々の日常の「幸せ」がお薦めスポットであり、それを語り合える関係が作れるのがADDressという共同生活。地域を多拠点生活する度に、出会った家守さん、会員さん、地元の皆さんから学ぶことは非常に多く、それがまた旅する生活を続けたいと思う原動力になっています。(ADDress取締役・広報PR・自治体連携担当 / 桜井里子)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?