ホイップはやわらかい彫刻
年越し前夜から降り出した
可愛げのない雪は
年明け早朝の街を無慈悲な質量で
覆い尽くしていた
白って眩しい
銀世界は
自分という輪郭を強調する
動いたら
動いただけ
myroots
連なる
何処までも
いずれ溶けて無くなる
手触りだけは記憶に残る
足跡は
増えて増えて増えて増えて
踏まれて踏まれて踏まれて踏まれて
自分だけだった冷たさに体温が宿った
頬が赤くなる
恥ずかしさからでも
ときめいたわけでもなく
人間だからだよ
すーっはあはあ
すーっはあはあ
はあはあすーっ
静かな世界で騒々しい蒸気機関
草木も風に揺られて
オールナイト
踊っていた
ダンスホール
疲れ果てて
埋まっている
揺らぐね
冬
持てるし
握れるし
固められるし
投げられるし
なんなら
ダイブすることも
抱きしめる事もできるよ
路上の雪だるまたちは
ぎゅっぎゅっとまるめて
おいてのせておいたんだ
誰かが
誰かの
宿るね
祈り
雨ニモマケズ 風ニモマケズ