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グリーンノートは公平な香り。そして、

グリーンノートは、葉や草原の緑を想起させる自然を意識した香調。

さきがけはバルマンのみどりの風VentVert。1947年のリリース。

60年年代後半から70年代はグリーンノートのラッシュで、シャネルのNO.19、エスティローダーのALLIAGE、ギラロッシュのFIDJIもそう。

そして90年代に再びのブーム。グレのCABOTINEやVnetVertの復刻。

第二次世界大戦、ベトナム戦争、湾岸戦争、戦いに疲弊した人々の心が自然回帰へ向かってこのみどりの香りが大きな戦争の後に流行すると聞いたことがある。ワークショップでもグリーンノートを教材に入れる頻度は高い。

性別を意識させない、ありのままの心地よさ・・・グリーンノートはとても公平な香りなんだと思う。

公平なグリーンノートは二つに分岐していく。一つは、少年のように颯爽として軽々と私たちの前を駆け抜けていくようなイメージ。だから、そういうイメージを持った女性にも男性にも、とても似合う。

一方、あるがままを主張し突き抜けていく自我を感じさせる強いグリーン。NO19 は晩年のシャネルが愛用しただけあってその代表格。

前者の代表格はギラロッシュのFIDJI。1966年のリリースだけれど近年の新作と言っても通じると思う。性別を意識させないつくりでありながら、不思議なことにFIDJIは、そのことそのものに一種のセクシーさを伴っている。

自分が女であること、男であることに無自覚なセクシーさ。FIDJIに接していつも感じるのは、そういう魅力。



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