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白い白檀 3月7日〜365日の香水

白い
白檀と名がついているのに、さらに“白い”と形容するのも面白いなぁ、と言うか変な感じもするな、と思った。
真意はどうかわからないけれど、「white sandalwood」に使われているのはオーストラリア産の白檀とのことで、伝統的なインド産との違いをwhiteと形容したのかもしれない。
実物を見たわけではないけれど、資料などで確認してすると、確かにオーストラリア産の白檀は、インド産よりも木心が白い。

インド産との違い
昨今はインド産の希少性が増してオーストラリア産や他の産地の白檀の需要も高まっていると言う。
いくつもの種がある白檀はインド産とオーストラリア産では実は異なる種なので学名が違う。
落ち着いた甘さを伴うインド産に対しオーストラリア産はバルサミックなトップノート、どちらかと言うと清涼感に近いものがある。

白檀の多様性
香水に用いられる他、アロマセラピーの精油として、そして線香などの薫香料や焚香料として東西の香り文化の中で長い歴史を持つ白檀(sandalwood)。白檀の扇や彫刻などで馴染みのある人もいるかもしれない。
私自身もいただいた白檀の扇は仰ぐたびに甘い香りが吹いてくる。
アロマセラピーでは鎮静作用があるとされる代表的な精油で、調香の上では保留性が高く多くの名香ラストノートに関わっている香料である。
薫香、香油、香水あらゆる形態でその香りを楽しむことができるのも白檀の特徴だ。

white sandalwood/goldfield&banks/2016
オーストラリア産の白檀の特徴なのか清涼感とビターさのあるトップノートで、タイムやペッパーなどの影響がありそう。白檀ということについて明確に新しい解釈を与えてくれる。香りの世界の変化はド定番のように思える白檀でも起こっていると思うと奥深さと広がりの果てしなさを改めて思う。
ラストノートに向かうにつれローズなどのフローラルと調和しながら仄かな甘さを醸してくる。
この香水は、かっこよさにも、ナチュラルさにも、優美さにも通じて、どう装うかで表情を変えそうだ。
シンプルなのに多面的な選択ができる。
思いがけない出会いだった。

香り、思い、呼吸。

3月7日がお誕生日のかた、記念日のかたおめでとうございます。

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