見出し画像

オーデコロン戦略 8月15日~365日の香水

獅子座の男 ナポレオン
ナポレオンの誕生日が8月15日と知って、この人は自分に似つかわしい星座のもとで生まれたのだなとつくづく思う。
獅子座のイメージは古代ローマの英雄カエサル。
ナポレオン自身も、かつての軍神や英雄にあこがれ自分をそれになぞらえてもいたし、凱旋門はその象徴だろう。
バイタリティがあり、逆境に強く、強烈なリーダーシップの持ち主で、そのリーダーシップの源泉はカリスマ性。
別に星座に詳しいわけではないけれど、獅子座のイメージとナポレオンのイメージはぴったり重なる。

オーデコロンとナポレオン
ナポレオンはオーデコロンと縁の深い人物で、彼自身も愛用者であり遠征にもかなりの数を持ち込んだという。
オーデコロンはアルコール度数が高いので、消毒殺菌などの役にもたったのかもしれない。
なによりナポレオン軍が侵攻したドイツのライン河畔の町はオーデコロンの発祥の地でありメッカだった。100を超えるオーデコロンのハウスが乱立する状態の中で、あるハウスの本店がナポレオン軍の区画整理により4711番地と定められた。
1792年のこと。
この時の様子を描いた絵画と銅版画はそれぞれこのハウスのメインフロアとエントランスに飾られている。

オーデコロンとケルンの水
マーケティングにたけた経営者は侵攻されているとはいえ、破竹のナポレオンにあやかって社名も商品名も「4711」に変える。さらに、ナポレオンのおひざ元パリでの売り出しを見据え、「ケルンの水」の名称をフランス語のオードコローニュ(eau de cologne)に変更した。
この英語読みがオーデコロンなので、ある意味この商品とオーデコロンの名称が明確に結びついたのはこの時のことといえる。
それまで、ケルンの水は現地のドイツ語でケルンワッサー(kolnisch wasser)と呼ばれるだけだった。

そしてオーデコロンとして残った
このハウス4711の本店はケルンの釣り鐘通り4711番地にある。
たくさんのハウスがあったなかで、4711、オーデコロンのネーミング戦略があたったのか、過当競争から抜け出し、今ではケルンといえばオーデコロン、4711というくらいこの町の象徴になっている。
ケルンの駅に着くと4711の大きなロゴが迎えてくれる。そのロゴには釣り鐘のアイコンが施されている。
4711の経営者ウィルヘルム・ミューレンスの戦略でオーデコロンとしてフランスマーケットを狙ったものが、今では世界中どこでも「オーデコロン」になった。”歳時記”にも夏の季語として扱われている。

4711/the house of 4711/1792
イタリアのレモン、ベルガモット、オレンジ、プチグレインなどこの香りが起点に様々なオーデコロン、シトラスノートの香りが生まれてきた。
オーデコロンもまた真夏にぴったりと重なるタイプの香りだ。
王道過ぎて、語ることが世界一難しい香りかもしれない。


エルバ島
ナポレオンに関わる香りとして私は未体験なのだけれど、エルバ島発祥の香水ブランド“アクアデルエルバ”もご紹介したい。
こちらの方の素敵なnoteでわたしも初めて知って、いつかは手にしたい香りの一つになっている。
エルバ島のことも良くわかるので、異日常を味わいたい方は是非。

香り、思い、呼吸
8月15日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。



私のNOTEのナポレオンの過去記事はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?