少年のようなフィジー 10月10日〜365日の香水
フィジー諸島
フィジー共和国は日本から10時間ほど、トンガやニュージーランド、バヌアツなどが周辺国である。
西洋社会から大航海時代に発見され、英国統治時代に労働者としてたくさんのインド人の入植があり、現在もフィジー系とインド系の国民が大半を占めるという。したがって、キリスト教と共にヒンドゥー教徒も一定いるということ。
カーストの仕組みがフィジーという国の体制下でどういう働きになっていたのか、興味深い。
独立よりも香水が先
フィジー(fidji)という香水が世に出た時、私たちの知るフィジー共和国はまだ誕生していなかった。
香水フィジーは1966年、独立国家としてのフィジーは1970年に誕生した。
フィジーについては一度書いている。
少年のようなフィジー
二つに分岐するグリーンタイプ
一つは颯爽と少年のうなナチュラルさと瑞々しさ、もう一つは強い自我を感じさせる一貫性、前のnoteでは前者の代表としてフィジー、後者の代表としてシャネルの19番をあげていた。
専門的な話だけれど、草木の緑を感じさせるグリーンノートにより繊細なフローラルを合わせるか、ウッディとモッシーで深みを与えるかが分岐点になっていると思う。
マーケティングを業界にもたらした
さて、フィジーは、音声配信で語った通り香水の世界にマーケティングの概念と仕組みを投入するトリガーになった作品でもある。
フィジー島というテーマ、ヴィジュアル、美しい女性像、計算されたPR戦略のもと、この香水は大ヒットした。
なぜ、ちょっとセクシーなのか
瑞々しいグリーンノートなのだけれど、フィジーにはちょっとしたセクシーさも感じる。
ヒヤシンスのトップノート、ミドルでジャスミンやイランイランが開く時にアルデハイドを伴って、人肌のような感触を醸すせいだろうか?
隠しているわけでもなく、本人も気づいていない深い情緒に触れたような感覚が、このナチュラルでさりげないグリーンノートの香水の中にはある。
figji/guy ralouche/1966
香調は前述の通り。
調香師はジョセフィン・カタパノ。
エスティ・ローダーのシナバーやユースデューを手がけた女性だ。
こういう香りをセンスよく使いこなす提案は意外と難しい。一説に、ギ・ラロッシュが浴衣の日本女性をイメージしたともあるけれど。
この香りはユニセックスで使えるし、男性が装うとまた違ったセクシーさがでそう。
今日、10月10日はフィジーの建国記念日。
香り、思い、呼吸。
10月10日がお誕生日の方、記念日の方、フィジーの皆様、おめでとうございます。
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