見出し画像

パリ 7月14日〜365日の香水

フランス国民祭
7月14日はフランスでは革命記念日、近現代フランスの建国記念日だ。
1789年のこの日にバスティーユが襲撃され、1990年、一年後に革命政府によって全国連盟祭が催された。この日をなぜか日本でだけ「パリ祭」というのだそう。英語圏ではバスティーユデー(bastille day)、フランスではフランス国民祭(féte nationale francaise)。

国民国家の誕生
この日にパリに居合わせたことがないけれど、一日中花火が打ち上がり、パレードがあり、街中にトリコロールの三色旗か掲げられるという。
自分たちの手で、つかみ取った自分たちの国家、そのような誇りが革命後200年の歴史の中でフランスの人々の遺伝子になっていったのだろうか。
やがてこの国民国家という新しい仕組みはグローバルに波及していく。

絢爛な王朝文化の担い手
文化的にも王権としても最も華やかで絢爛であったフランスで王侯貴族階級が消滅したことで、その成熟した文化は市民社会に拡散していく。
モード、美食、アート、香水、宝石、音楽やバレエ、フランスが様々なジャンルでその都とされるのも、源泉は絶対王政の集中力にあったのかもしれない。
7月14日を機に、それが一般の人々、つまり私たちにかいほいされていった。

今でも華やかで洗練された文化はフランスの首都パリがその担い手。

革命の恩恵としてのモード、アートや食文化
各都市の目抜き通りにはそれぞれの趣や良さがあるけれど、パリのシャンゼリゼにたつと、“華”という一点で他を圧倒している。
フランス革命により、私たちは人権を持ち、私たちの国という概念世界で暮らせるようになった。
同時に、特権階級が育み抱え込んでいた様々な文化を享受できるようになった。
市民社会になって、食文化が市民化したわけではなく、王侯貴族の食文化とゆっくり融和していったことが面白い。モードもアートも全て。
否定し壊したもの中から、私たちは受け継ぎ育むべきものは自ずとそうしてきたのだ。

パリはパリ自体がその象徴であり、あちこちにそのことが可視化され体感することができるのだろう。通りをいく人のセンス、ビストロ、オペラガルニエ、ルーブル。

paris/yves saint laurent/1983
私がソフィア・グロスマン(sophia grojsman)を尊敬する理由がこの香水に集約されている。
多様なローズ、繊細なヴァイオレット、全体にパウダリックで、肌のせした時の独特の親和性。
イヴ・サンローランがシャンゼリゼをいく女性の美しさを讃えた香水と言われているけれど、本当にパリという実は複雑な歴史を持つ場所の美しさをこれ以上なく表現している。
エレガントのお手本の一つ。

7月14日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?