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かに座

100年くらい前の占星術書『占星術の鏡』には星座ごとに香り、味、色彩などの割り当てがある。独特な言い回しが面白く、特に香りの情報を元に星座のキャラクターを想像してゆくNOTE7回目。著者のマックス・ジャコブはピカソらの少し年長の友人だった。同性愛者でユダヤ人であった彼は強制収容所で命を落とすことになる。

香りはミント、味はみずっぽい、色は白、ベージュ、薄緑
濃淡で言えば淡い、重い軽いで言えば当然軽い、温度ならひんやりの方、なんとも軽やかで爽快な印象に彩られている。
やはり、香りに注目してさらに考えて行きたい。
ギリシア神話のミント
ミントはギリシア神話の精霊メンテに由来する。愛されたがゆえに、その美しい姿はミントの葉に変えられた。それでもなお、ミントの香りは存在感を放ち、そこにいることを知らしめた、そうだ。
「~なのに~」
姿を消された(変えられた)のに「ここにいます」と存在感を出す、「~なのに~」という思考や言動がこの星には運命づけられていそう。
いないのにいる、複雑なのに単純、合理的なのに夢想家・・・。
私の知ってるかに座さんも、そうかもしれない。
無駄が嫌いなのに寄り道が好き、とか。
ミントの香りは、すっきしりた爽快感の中の甘さが特徴。爽快さは、われわれの意識を一気に覚醒へと導くけれど、ずっとその中にいると、そのことが自覚できなくなる。「興奮後麻痺」という言葉で教えられたことがある。
まさに、興奮なのに麻痺である。

~なのに~、とはつまりかに座が持つ視点
陰陽ではないけれど背中合わせの「~なのに~」を同時に観て楽しめるのがミントを配するかに座なのかもしれない。オセロのように表裏一体で今はどっちが出ているかだけの話。そういう視点を持てる人。

ダリのフレグランス
さて、サルバドール・ダリの着想に基づいて1983年に始まったダリのフレグランスシリーズがある。比較的古いラインアップに「サルバドールダリ ラグーナ」がある。ラグーナはラグーンのことであるけれど、連続した時間の一瞬の分断のこともこういう。そう「連続なのに分断」である。
繋がっているということは途切れているということと表裏一体という視点。パッケージはペパーミントグリーンだ。
「かに座にピッタリだよ」とこの香りを勧めたら、どんな反応があるだろう。

laguna/salvador dari/1991
香水好きではなく、ダリ好きのコレクターも多い。
私はこちらのパウダーも愛用している。

香り、思い、呼吸。

#note100日
#コルクラボ
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#かに座



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