ビジョンと回り道と。香りのみちのり。
ものごとは結果がすべてではなく、そこに至るプロセス、伴う意識から形作られると思っている。
プロセスを経ながら意図したしないに関わらず、既に何かしらの結果に向かってその道は伸びていく。それが目標のこともあるけれど、思いもしない偶発的な出会いのこともある。
planned happenstance theory(プランドハップンスタンスセオリー)、計画された偶然性といったりするけれど、ビジョンだけに目を向けていると、道端に落ちてる何かや、面白そうな脇道にも気づかないことがあると思う。
何かに向かって歩く時は、早く到達することを目指すより、道のりを観察して楽しむことを優先したい時もある。
逆に、行先が分かっているからこそ、道のりが充実することもある。
これには好みもあるし、自分にフィットする進み方もある。ヴィジョンも大事だし寄り道も大事。優劣ではなく、時々の選択なのだろう。
香りを創ることにも、同様に二つのアプローチがある。
一つは創りたいものが描けていて、ヴィジョンを実現するために調合していくやり方。これは本当にどうしたいかわかっていれば、一つ一つ歩を進めてゴールできるんだということを、創香を通して体験できる。
つまり、何をしたいかわかっていることが大事というパターン。
もう一つは、回り道を楽しむやり方。
その日の自分の気分や体調、直近の出来事などに影響されながら、香料を手選んでいく。
まさに香りと語り香りに聞く時間。
回り道しながら自分の近況を知る、「あ、そうだったのか」がやがて訪れる、そういう時間。
前者はどちらかというと長期的なゴールに向かいたい時に出てくる現象で、後者は「いま、ここ」の自分を客観的に捕まえるため、といえそう。
そしてどっちにも行ったり来たりはある。
どちらにしても、道のりはある。
プロセスを使い分けられることも楽しいし、プロセスを振り返った時に
自分がどっちモードだったかを知ることも楽しい。
香りのデザインは、そのプロセスの輝き。
香り、思い、呼吸
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