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後悔している喜びの心

喜びの心という名前の香水があって、ボトルはラリック製だった。
フランス語のcoeur joie(クールジョア)という響きも素敵だった。
ラリック製のハート型のボトルで中心はハート型に型抜きされていて、レリーフを施した周縁部分に液体が入っていて、見た目もネーミングも素敵だった。

いつかは欲しいとおもっていた。
確か2008年、急遽行くことになった年末のパリで、セフォラ(LVMHグループの香化粧品の専門店)に入った時に見つけた。たった一つ、NINA RICCI(ニナリッチ)のコーナーにクールジョアのパルファンが最下段に誰かの置き忘れみたいにひっそりとあった。
5万円はしないくらいの価格だった(セフォラはすべてプロパー)。
何故か、その時買うのをやめた。次回にしようと思ったのだった。

そのまま機会がなく、クールジョアもいつの間にか生産中止になり、今はオークションサイトで8万~10万くらいで出品されている。
なんてチャーミングでビューティフルな香水だったんだろう、
喜びの心。

あの時、新品で正規で、思い切って手にしておけばよかった。
後悔している香水の第一位だ。

#note100日
#コルクラボ
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