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おとめ座

『占星術の鏡』から紐解く星座と香水。ついに10日目になった。

香りはマジョラム、味は香気ある味、色はさめやすいニュアンス
12星座の中でもしし座とおとめ座はイメージが誰にもつきやすい。勇ましさ、王のような存在感のしし座、ピュアで無垢な夢見るおとめ座。という感じしかしない。
そこで、香りはマジョラムである。
これはラベンダーやローズマリー同様にシソ科のハーブで特にヨーロッパでは昔から暮らしに根付いてきた植物。民間医療にもお茶にも料理にも重用されてきた。ハーブのドライ感、少しツンとくるような感じ、微かに樟脳のような後味。香気ある味とあるからハーブをたくさん使ったご馳走がおとめ座には合うのかもしれない。ちょっと気になる「さめやすいニュアンス」、移ろいやすさもまた、おとめ座の一部なのだろうか。

植物療法の名著に語られるマジョラムの効果
マジョラムには優れた殺菌消毒作用があり、風邪気味の時に蒸気吸引に用いたりする。交感神経と副交感神経とどちらにはたらくかといえば、副交感神経。面白いことに制淫作用があると、植物療法家の最高権威者といっていいジャン・バルネ博士は記している。対極にあるのがイランイランのような催淫作用のある植物、香り。

「恐れを知らぬ少女像」
マージョラムの特徴をなぞっていきながら、浮かんできたのが「恐れを知らぬ少女像」である。
何年も前だけれど、国際女性デーのプロモーションのような形で、ウォール街のチャージングブル(ウォール街のシンボルとしての雄牛像)の前に置かれたものだ。権威、勝者、パワー、そういうものを象徴する勇ましく、荒々しく猛る相手に、立ち向かうのは、「そんなもん怖くない」と胸を張る少女。なんとも痛快で清々しくて、このプロモーションが好きなのだ。
胸を張る乙女は、権威や拝金主義に侵された勝者たちを殺菌消毒しちゃうのかもしれない。「ちょっと落ち着いたら?」とアドレナリン放出状態の彼らの交感神経の働きを鈍らせて、立ち返らせてくれるのかも。

「私にとって大事なものはそれじゃない」
その強さは、向こう見ずに、全てに恐れを知らないわけではない。
要は、チャージングブルのような価値観を「私は違うから、振りかざされても怖くない」ということなのだと思う。
彼女にはもっと素敵でもっとパワフルな大事な何かがあるのだ。
いつか、この少女とツーショット撮りたい。

現在はNY証券取引所のビルの前に移設されたらしい
2017年の国際女性デーに合わせて制作された

おとめ座の香水は「クランデスティン」、「秘密の」という意味がある。
移ろいやすい心に抱く秘密と、胸を張れる強さの秘密と、何が大事かをその胸に秘めているところと、いろんな「秘」が重なる。
香りは柔らかいフローラルで品格があるけれど、その匂い立ちはフワフワっというよりキリリとしている。

ギ・ラロシュから1986年にリリースされたクランデスティン
修業時代に香水にとても詳しい先輩から、名香だよとすすめられて
確か、コレクションを譲ってもらったのだった。
(clandestine/Guy laroche/1986)

香り、思い、呼吸

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