マリリンモンローの分人〜NO.5 と麝香
シャネルについての記事が続いたので、シャネルの5番を着て眠ると言ったマリリンモンローとその香水についてのお話を。
自身の優れた経営者
マリリンモンローという女優は努力家であり、戦略的でもあった。着想豊かで自己理解もショービズの世界に入るずっと前からできていた。
こんな言い方ができるのでは、
彼女はマリリンモンローという人を上手に経営していた。
それが私自身のマリリンモンロー像。
NO.5をライジングさせた!
シャネルのNO.5 という香水は、ある意味ではマリリンがグローバルにライジングさせたと言っていい。もともと知名度も人気もあったけど、さらにその名が地球の隅々までとどろいたと言っても過言ではないくらい「5番を着て寝る」によって波及した。
(シャネルの香水事業を事業譲渡されていたエルマー兄弟による大衆化路線や北米マーケットを最優先した展開が背景にはある)
マンガで十分ベストセラーになってたけど、アニメ化したら津々浦々もともと興味がなかった人にまで知れるところとなった、という感じに近い。
なぜ、あの香りだったのか
チーズケーキに例えられたり、そのままセックスシンボルでしかないように言われたいた面で彼女を捉えると、そんな女優マリリンモンローの選択する香りとしてNO.5は少し不自然。調香師がシベリアの雪原をイメージしたというどこか無機質で孤高の感じがする香り。この時代なら、もっと贅沢で華やかなJOYや女性を優美に見せることで脚光浴びるディオールのミスディオール、などでも良さそうなのに。
その選択の方が一見、マリリンには合いそうなのに。
「優雅で官能的で清潔感のある香り」
シャネルのそういう思いを託したのがNO.5 。大事な要素に清潔感がある。
それは何年たっても今日的で、高価な天然香料を使いつつそれを新しい時代の合成香料で覆いつくすような挑戦的な試みだった。
その調香に確かにマドモアゼルシャネルが意図した清潔感が成立している。
醜いことは仕方ないけど、だらしないことは許せない、という思想が反映されている。
だから、マリリンもNO.5 を選択したのではないかな。
女優としてはJOYだったかもしれない、マリリンを経営する経営者としてはNO.5だったのかも。
直感的な戦略だけれど、ブランディングはNO.5を彼女に選ばせたのかもしれない。
半分閉じたような瞼、モンローウォークなども彼女の研究の賜物だし、大スターになった後も1から学び直すために演劇学校に入ったりした一面もある。
そういう面と呼応するのがシャネルの五番だったのかもしれない。
さて、
マリリンモンロー財団というところから(今はあるかわからない)、
マリリンモンローゴールデンムスクという香水が1985年にリリースされている。こちらは、女優マリリン全開の肉感的で甘い官能の匂い。
ゴールデンムスクとNO.5 、マリリンモンローの分人のよう。
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