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ふたご座

マックスジャコブの『占星術の鏡』に語られた星座ごとの香りからその星について想起し星座と名香水をリンクさせるNOTEの7回目。
著者は20世紀初頭にモンパルナスを拠点にした自称アーティストでピカソやモディリアーニらと有名なカフェ、ラロトンド界隈をうろついていた。そんな写真をコクトーがコダックのカメラに収めていたりして、私もパリに行くと彼らの屯した軌跡を辿ったりしている。

香りは麝香、味はすっぱく、色はモザイク
麝香はムスクのこと。ムスクの語源はミュゲ(muguet)、ミュゲとはフランス語でスズランのことなので、動物性の妖艶な香りの代表のようなムスクのその名は、清楚で可憐なスズランに由来しているということになる。
ただ、スズランというのは昔からの香り高いことで親しまれていて、「香りの強さ」という点では共通している。ミュゲ、ムスクからさらに出来上がった言葉がミュスカダン。詳細は省くけれど、フランス革命期にダンディな装いをした若い反体制派をこう呼んだ。

ムスク、ミュゲ、ミュスカダンに通じるもの
これらの共通点は究極「インパクト」なのかもしれない。
麝香もスズランもそれとはっきりわかる香りのインパクトがあるし、ミュスカダンも、すぐにそれと分かるインパクトある存在だったのだと思う。
ふたご座の味として、”酸っぱい”とあることもインパクトに通じる。
ふたご座の強みは、香りで言えばトップノート、第一印象のインパクトかもしれない。
私の知っている双子座の人は、自分の信じた道に対して、それを突き進むことで世の中に与えるインパクトを常に意識しているように思う。
目立ちたいとか、観られたいとかではなく「手応え」を感じていたい、ということなのだと思う。

両極性はどうか
さて、双子ということから考えれば、一卵性なら共鳴だし、二卵性なら二面性かもしれない。
共鳴と二面性を併せ持つとは、香りで言えば、ムスクのように覆いつくす強さ、味となると酸味のような一点を突く強さ、こういう両極を持っていることがふたご座であり、彼らの与えるインパクトもこういう両極があるのかもしれない。
だから、ふたご座を一色に閉じ込めることはできない。モザイクなのだ。

「石の花」
さて、そんなふたご座の香水は。
ムスクをメインにしているわけではないけれど、これもまた名作といえるのが「石の花」という香水だ。岩の花、岸辺の花とも訳され、岸辺の岩の間に咲く花というところだろうか。それにしてもこのネーミングの幻想的なこと。岩と花というネーミングの両極性と岩間に咲く花の存在感。
香りは様々なフローラルが調和し、インパクトの強いふたご座を引き立ててくれそう。
すれ違った時、あれ?と振り向きたくなる香り。

1934年のリリースでフローラルノートにシャネルのNO.5 の特徴でもある
アルデハイドノートが重なる。私のコレクションは古い時代のもので、
現在流通しているものは1993年にリニューアルされたタイプ

香り、思い、呼吸。

#note100日
#コルクラボ
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#ふたご座

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