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スイス[28] スイスの鉄道[2]日欧都市交通圏

202205031545スイス[28] スイスの鉄道 [2]日欧都市交通圏 A. J.

 ちょっと無理のある表題なのですが,これはスイスばかりではなくてドイツ語圏の都市やフランス・パリなどと東京などの日本の大都市との比較の話です。

 少し日本の鉄道網やその利用に関して疑問に思うことを述べたいと思います。
 今は首都圏からかなり離れた(日本の)地方都市に住んでいるのですがずいぶん昔,私は東京に住んでいました。当時,地下鉄などの公共交通機関を利用していて,どうして首都圏の交通網を利用する際に「共通きっぷ」のようなものがないのかという疑問が消えませんでした。もちろん現在ではSUICAやPASMOなどの交通系ICカードを利用することで少なくとも運賃決済や利便性に関してはほぼ解決しているとは言えます。乗り換えのためにいちいちきっぷを購入する必要はなく東京メトロと都営地下鉄の割引も可能ですね(違ったかな?)。

 しかし,山手線内のJRと東京メトロ,都営地下鉄そして各社バス路線全体の運営に関して利用者の利便性が本当に考えられているのかは少々疑問です。各社が一斉に集まって利用客のための会議をする,なんてことはどのくらい行われているのでしょうか? 新宿駅から東京駅まで行く場合に,都営地下鉄でも東京メトロでもJRでもバスでも同じきっぷや定期券が使えて同じ料金,ということがどうしてできないのでしょうか? ICカードを利用することによりその不便さは解決出来ていますが首都圏をマクロで見た交通網の設計や運営はうまくいっているようには見えません。

 例えば近郊から東京都心にJRや私鉄で出る際に,山手線内で路線や運営会社を問わず自由に使えるフリーきっぷのようなものはないのでしょうか? 全く同じ仕組みかどうかはともかく,ヨーロッパの主要都市では近郊鉄道とその都市交通網(トラムやバス)を連絡して使える便利なきっぷが存在していることがあります。

 また話は少し違いますが,日本はヨーロッパと違い公的資本が入っていない私鉄が多い(現在のJR3社も完全民営化されていますが)ためか,各社の協調が少ないように思います。もちろん関西の京都-大阪-神戸間のように競争にも利点はありますが,JR3社を含めてこれは弱者切り捨てではないかと思われる方針を出す交通機関には疑問を感じます。税金で公共交通機関に補助を出すことが良いかどうかはわかりませんが燃料税などが原資にあったとしても道路整備には公的資金を投入しても(第三セクターを除く)公共交通機関には1円も出さないという姿勢はおかしいと思います。


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