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スイス[26] スイスの鉄道[0]

202204251056スイス[26] スイスの鉄道[0] A. J.

 先日,NHK TV総合を観ていたら「ブラタモリ」で日本の鉄道発祥の話をしていました(2022年4月23日放送)。今年は日本の鉄道150周年だそうです。言われてみればそうだったな,と思いました。異論もあるようですが本格的な営業路線としては1872年の新橋ー横浜間の開業が日本初の鉄道だそうです。
 ではスイスはどうだったか,と言うと少し前にSBB(スイス連邦鉄道)からのメールに「スイスの鉄道175周年」という案内が来ていました(*1)(私はSBBのメーリングリストに登録をしています)。
 それによると「175年前の1847年8月9日に今のチューリヒ(Zürich)からバーデン(Baden)まで22.5kmをたった45分で結んだ」とあります。当時(?)の写真と思われる蒸気機関車が牽引する列車の写真も掲載されていますが「スペインの小さなパンのような列車(筆者訳,訳は間違いかもしれません。原文はSpanisch-Brötli-Bahn)のようだ」ともあります。
 筆者のフランス語の理解不足もありますので正確性は保証できませんがスイスでは日本より25年早く鉄道が開業したことは確かのようです。本当はルツェルン(Luzern)のスイス交通博物館へ今すぐ行って確認してみたいと思うのですが,もう少し待ちましょうか…

 ちなみにssb.chで現在のチューリヒからバーデンのダイヤを調べてみると途中停車駅の無いIR(Inter Regio,急行のような列車)1956列車だと25分,各駅停車のようなUrban Train S6 18620列車だと途中10駅停車して38分かかるようです。それを考えると175年前の列車も相当に高速度ですね(*2)。

 スイスには豊富な水力発電のエネルギー資源があるのですが当初は蒸気機関車が利用されていたようです。電化には送電線,架線や変電所などが必要ですから最初は非電化だったのか,それとも電気機関車の技術がまだ無かったか未熟だったか,からでしょうか。
 昔,スイス交通博物館を見学した時の印象に残ったスイスの歴史的「電車」に架線が2本ある「三相交流で動く電車(電気機関車だったかな?)」があったことです。日本では無い技術的挑戦だったように思います(あったらごめんなさい)。現在,私が知っている限りでは日本の交流電化されている鉄道路線はみな単相です。

 面白いのはスイスの少なくともSBBの電化線の交流周波数は16.7Hzと一般的なヨーロッパの家庭用電源の周波数である50Hzの1/3になっていることです(この周波数はスイスだけではなく他のオーストリアなども採用している)。発電所で最初からこの周波数で発電して架線まで送電しているのか,それとも発電所では50Hzなのをどこかで周波数変換しているのかは知りません。この16.7Hzという交流周波数は電気機関車(電車)の交流モーターを動かすのに都合の良い周波数を選んだようです。
 今は良い電力用半導体デバイスなどがあるのでTGVなどが周波数が違う路線への乗り入れをすることも容易になったのでしょう。日本でもJR常磐線の交直切り替えが有名ですが,スイスと周波数の違う国との国境駅ではデッドセクションのようなものがあるのでしょうか。

(私は断じて鉄ちゃんではないのでこの文章は話半分で読んで下さい)

(*1)私がみたのはフランス語のページ。他にドイツ語とイタリア語のページはありますが(当然ですが)英語のページはありません(見つけられなかった)。2022年4月25日閲覧。
https://175-ans.ch/?sap-outbound-id=5CA0A9699CED0A8195A57139DAA27F451183001A

(*2)2022年4月25日に確認。但し当時と今とで地理的・土木的に同じ線路かどうかはわかりません。

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