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風越亭半生と飯田弁

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#ふるさと講談

風越亭半生と飯田弁(Ⅰ)

   代打で凡ゴロと思いきや……の条
 私は、目下、地元長野県飯田地方の地域紙である南信州新聞において〈飯田弁〉にまつわる文章を連載中である。そうしたあれこれに触れるまえに、少々迂遠にはなるけれど、まずは「風越亭半生」を名乗ることになったいきさつについて話をしてみよう。私のなかでは、そうしたことがらは、みな繋がっているからである。
 飯田高校で同期だった地元の人たちが、毎年同年会を開いて来ている。

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風越亭半生と飯田弁(Ⅲ)

   手土産代わりの方言小話が……の条
 首都圏に出て行った飯田高校の卒業生たちの在京同窓会にあって、総会のセレモニーの一つとして、講演会が行なわれて来ている。二〇〇四(平成十六)年に、当番となった在京の我らの学年(高一九回生)は「講演なんか、もうやめて欲しい」とまでに不評のそれを脱却するべく、世話役の中心にあったSS、SA両君らが相談のうえ、在京者のなかからという慣例を破って、私に講演を依頼して

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