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飯田弁に見る飯田人の流儀

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飯田弁に見る飯田人の流儀

はじめに

 令和元年(2019)9月8日より、南信州新聞に「飯田弁に見る飯田人の流儀」と題して、飯田地方の方言に関する私見を連載中です。それらのうちの一部を、転載してみます。ご意見・ご感想・ご教示などいただければ嬉しく思います。

   

「いれいち」にみる位置のことば

 大相撲の歴史のなかで、最強の力士と言われているのが、信濃の小県郡の生んだ雷電為右衛門である。二三歳で初土俵を踏み、その場所で、いきなり優勝した。四四歳で引退するまでのあいだに、254勝もして、わずかに10敗しかしていない。その敗戦にあっても、相手に不足の下位力士との取り組みに嫌気がさして、前夜に大酒を飲み、二日酔いのままに土俵に上がったからだなどといわれている。勝率九割六分二厘、年に二場所とある

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