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維新「大増税」報道を逐条解説する!

今朝のデイリー新潮が「維新の会 もう一人の政調会長が大暴走…減税の選挙公約実現は大増税が前提だった」と題する記事を掲載しているので、記事全文を引用しながら、逐条解説してみたい。

維新の会 もう一人の政調会長が大暴走…減税の選挙公約実現は大増税が前提だった

まるで在りし日の大阪府と大阪市のいがみ合いを見ているようだ――。党幹部が別の党幹部のTwitterをブロックするなど、内紛が続く維新。その主役は、日本維新の会政調会長の音喜多駿参議院議員と日本維新の会国会議員団政調会長の足立康史衆議院議員だ。

→ かつての大阪府市には機構としても人間関係としても調整役がいなかったが、維新政調には藤田文武幹事長はじめ調整役がたくさんいますので、まったくの印象操作ですね。

ネットで公開された議論(「2022年1月11日(火)日本維新の会 国会議員団第4回政調役員会」)においても、お互いが一歩も引かず、ギスギスしたやりとりが続く。

→ 百聞は一見に如かず。公開している動画をご覧ください。確かに、ちょっとギスギスしてるかも(笑)

維新関係者はこう解説する。

「『なんで政調会長が二人いるんだ?』という疑問が音喜多氏のもとへ殺到したと本人が明かしています。維新の政調は、国会議員の政策責任者である足立氏と維新全体の政策責任者である音喜多氏の2頭体制です。維新の松井代表は、今年の参議院選挙を睨んで、音喜多氏を政調会長に大抜擢。これまでの維新における論功行賞もあって足立氏に一定の配慮をする必要があったことから、国会議員団の政調会長に置きました。ただ、足立氏がこれまで後輩議員として扱っていた音喜多氏が、ポジションとしては足立氏の上になったわけです」

 国会だけに収まる政策や議論については、足立氏。維新全体や地方行政にも影響がある部分については音喜多氏が担当するという役割分担なのだが、国会で議論されることのほとんどが広範囲にわたるため、二人の政調会長の守備範囲が被ってしまうのだ。

→ 2頭体制ではなく役割分担です!そもそも、党国会議員団政務調査会は全国に多数ある政調会の一つであり、それらの全体を調整するのが党政務調査会長です。役割が全く異なります。守備範囲が被ることはありません!動画で解説していますので、ご覧ください!

「大減税ののちに大増税が待っている」と説明すべき

 特に、現在、維新内で議論されているのが「増税」についてだ。

→ フローからストックへの「税体系の構造改革」について議論しているのであって、単純な「増税」について議論しているのではありません!

 代表続投が決まった11月27日に松井代表は「国民と約束した公約実現に全力を尽くしたい」として、先の衆院選での維新の公約実現を誓った。

→ 公約である維新八策2021には、
2.減税と規制緩和
とともに
3.チャレンジのためのセーフティネット
つまり、ベーシックインカムについても明記しています。その財源について議論することが「公約実現に全力を尽くす」ことに含まれることは言うまでもありません。

維新の公約であるマニフェストを見ると、1番最初に掲げられているのが、<大胆な規制改革による成長政略へ 増税ではなく減税へ>だ。他のページにも<大胆な減税によって経済成長を後押し><成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する。「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現します。>と書かれている。

→ 「フロー大減税」に併せて、「「フローからストックへ」を 基軸とした税体系全体における抜本的な改革を行います。」と明記しています。フロー課税の一つである所得税についても「総合課税化とフラットタックス導入を含む税制改革により課税の適正化・格差是正を図ります。」、租特については「既得権益化した複雑な租税特別措置法を廃止し、「簡素、公平、活力」の税制へと転換を図ります。」、資産の補足についても「マイナンバー制度の活用や銀行口座との紐付けにより、個人・法人の資産と収入を正確に把握し、効率的かつ公平で抜け漏れのない徴税を行います。」と明記しています。

これまでの維新議員の発言を振り返ってみても「増税の前にすることがある」と「特権的な議員報酬を皮切りに、行政のムダや高齢者に偏った補助金を徹底的に見直すことで財源を捻出する」ことを国民に強く訴えてきた。一有権者である筆者が、通常の解釈をすると、維新が政権を握れば、大減税がなされ、減税による成長戦略がはじまると信じてしまう。

→ 改革を先行して実行すべきことは言うまでもありません。しかし、国政政党日本維新の会としては、併せて10年後20年後の新しい経済社会のビジョン、つまり改革の大きな方向性を示し、そこからバックキャストしながら大改革を断行していくことが必要と考えています。自民党のように当座を凌ぐためだけの短期の議論に終始し大改革に手を付けなければ、日本は衰退を余儀なくされるし、実際に、自民党の体たらくのために日本は衰退を続けているのです。

しかし、足立氏は「維新は減税政党ではない」として、「減税は一時的な景気対策であって、ベーシックインカムの実現で中長期的には増税になる」旨を主張して譲らない。音喜多氏とは別の議員が足立氏の増税議論に異を唱え「ネット減税(一部に増税する部分があっても全体として減税になっている)を訴えないのか」と指摘しても譲らない。

→ 税構造改革には、当然、減税部分もあれば増税部分もあります。大事なことは、国民の所得、特に可処分所得を拡大することです。議論の詳細はこちらの動画をご覧ください!

ベーシックインカムには莫大な財源が必要であり、そのために、足立氏がこれまで主張してきた「金融資産税」が実現されれば、減税どころか31兆円の増税になってしまう。

→ デマ。「金融資産税」を主張しているのは私ではありません。日本維新の会が公約を検討する際にテーブルに載せてきたアイテムであり、浅田均前政務調査会長も、藤田文武幹事長も、「検討する」「検討すべき」と明言しています。それを受けて、党国会議員団の政務調査会長を拝命した私が、引き継ぎ事項を真摯に検討しているに過ぎません。

この金融資産税は、「貯金税」とも呼ばれ、個人の貯金や国債などあらゆる資産に1%の課税をするもの。ちなみに31兆円は、消費税15%相当の税収だ。消費税が25%になる規模の増税なのだ。

→ 誰の説明を引用しているのか不明ですが、金融資産課税の一般的な説明なら、頭からは否定しません。

足立氏はこの金融資産税について「所得税を払いながら、人生をかけて貯めてきた小金(こがね)をいまさら課税する」と“たいへん正直な説明”をしている。

→ 庶民、小金持ち、大金持ちに三分類すると、金融資産課税に一番抵抗感があるのは「小金持ち」でしょう。そういう認識を表明したことはありますし、現在も、そう考えています。

足立氏の意見が通るのであれば、大増税がはじまるということになる。なにより、「増税より減税へ」という選挙公約とのあまりの齟齬は、有権者への冒涜であろう。

→ 「増税より減税へ」は短期の経済対策。私が議論しているのは長期の税構造改革。経済政策を論ずるときに、短期(景気対策)と長期(構造改革)とを分けるのは当たり前です。それらをごっちゃにして議論を混乱させるのは、極左や極右や減税派といった原理主義活動家の常套手段です。

以前に大きな批判を受けたケータイ電話会社の激安プランの広告は、大きい文字で安くなると書き、読めないぐらいの文字で小さく注意書きが書いてあり、よく読むとぜんぜん安くないというようなものがあった。しかし、維新が掲げた選挙公約には、小さな注意書きすらない。これではただの騙しなのではないか。「大減税ののちに大増税が待っている」ときちんと有権者に説明するべきだ。先の維新関係者はこう話す。

→ 逆に、維新の大改革を断行しなければ「大増税が待っている」、自民党に任せていたら「大増税が待っている」、と考えています。

「足立氏は党綱領に記載がなく、選挙公約(マニュフェスト)にも『検討』としか書かれていない『ベーシックインカム』を絶対にやる前提でしか議論を進めようとしていません。

→ ベーシックインカムを『検討』するのは、公約ですから、絶対にやらなければなりません!

政調会の議論をみるところ、足立氏の意見は維新でも少数派ですが、足立氏は国会議員団の政策責任者という地位にあります。維新の現在の選択肢としては、(1)(足立氏に従って)ベーシックインカム実現に向けて大増税になることを認める(2)(音喜多氏に従って)ベーシックインカムは『検討』しつつネット減税をすることです。参院選を控え、現実には、(2)を選ぶしかないでしょう。今後は、自民党同様に政調会長(足立氏)抜きで政策を決定していく場面が増えていくと思います」 

→ 筆者の希望的観測なのでしょう。表現の自由は尊重します。

大阪都構想の“ブーメラン”
 冒頭に述べた党幹部が別の党幹部のTwitterをブロックしたという話は、実は、足立氏が音喜多氏のTwitterをブロックしたのだ。

→ ブロック理由はツイートした通り、防衛的観点からでした。短時間で解除していますし、まさか、公開されるとは思っていませんでした(汗)。今後は、公開されることを前提に対応したいと存じます。


二人の政調会長が違う意見を持っていて、毎週行われる議論は膠着状態だ。足立氏による持論の長演説も目立ち、会の終盤には、「自分にもきちんと意見を言わせる場を持たせろ」という異論もでた。

→ しかし、筆者の方、動画の最後まで本当によく見てますねー!

大阪府と大阪市で起きた二重行政を大阪維新の会はこう批判した。
<これがいわゆる大阪の「二重行政」。とにかく基本的に大阪府と大阪市で役所間・議会間の仲が悪い。狭い面積の中で、市民の声を聴くこともなく、府と市が協力することもなく、非効率に税金を投資し続けた結果、大阪はとんでもない状況に陥ることになったんじゃ>(大阪維新の会ホームページ)
 同じことが維新の政調会で起きている。大阪都構想の議論を通じて、彼らは何を学んだのだろうか。

→ 党国会議員団政務調査会は全国に多数ある政調会の一つであり、それらの全体を調整するのが党政務調査会長です。(以上、再掲。)党政務調査会長をサポートして、公約実現に邁進してまいります!

小倉健一(おぐら・けんいち)
イトモス研究所所長。1979年生まれ。京都大学経済学部卒。国会議員秘書からプレジデント社入社。プレジデント編集長を経て2021年7月に独立。

→ 渡瀬氏のお友だち。

マッチポンプ、お疲れ様でした!

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