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NFTな方々、岸田トークンを生暖かい目で見守ってあげてください!w

先日、イギリスの金融街シティーで、『Invest in Kishidaです。』って発言し、日本はNFTやメタバースなどWeb3への準備をするぞ!と高らかに宣言(?)した岸田総理。

その総理が、ついに、『岸田トークン』を発行しました。

この岸田トークン、いろいろNFT界隈、Web3界隈の人達だけでなく、デザインを見てもツッコミどころ満載ではありますが、ぜひ、生暖かい目で見守ってあげて欲しいと思っていますw

そもそも、どこを生暖かく見守ればいいのか、ポイントをまとめてみました。

岸田トークン、小泉進次郎トークン、野田聖子トークン・・・

いきなり、『トークン』とか出てきたので、多くの人はニュースを見ても、『トークンって何?』になってるかと思います。
人によっては、『岸田とう君? 岸田文雄君の間違いじゃないのか?』って思った人も少なくないでしょう(いや、少ない! ^^;)。

この『トークン』ってのが、日本で説明しにくい単語なので今後、メディア泣かせになってくるのは間違いないかと思います。

そこで、まずは、この『トークン』を軽く説明しておきます。

簡単に言えば、一般的なトークンというのは『お金(法定通貨)ではないけど、お金の代わりに特定の範囲内なら使えるよー』というものです。

例えば、ゲームセンターのコイン。

ゲームセンターの中では遊ぶのに使えるけれど、コンビニに行ってペットボトルのお茶が買えるわけではありません。

商品券や電子マネーなども、トークン。

それが使えるお店では買い物の時に『引き換え』できますが、税金の支払いには使えません。

少しはイメージできました?

で、ここがちょいとヤヤコシイのですが、『岸田トークン』の場合の『トークン』は、何かの支払いに使えるわけではありません。

先のニュースの中でも、『デジタル上の出席証明・記念バッジ』と書かれているように、会合に出席したときに配布される『目印・象徴』という意味で使われています。

使い方は出席証明なのですが、ブロックチェーンの技術を利用していることで、少し知識がある人の方は仮想通貨(暗号資産)とごっちゃになってしまって、『岸田トークン? 新しい仮想通貨?』とかになって、混乱してしまうかと思います。

あくまでも、岸田トークンは出席証明、いわば夏休みのラジオ体操のスタンプみたいなものとして利用するってことで、出席してない人が手に入れたり、持っている人が他の人に渡したりすることがないようにブロックチェーンを使う(出席管理簿として分散台帳を使う)ということなのです。

※ちょこっと補足
管理台帳に、『いつ、誰に、何を渡したのか』を記録しておけば、勝手に売ったり他人に渡した場合に、台帳(ブロックチェーン)を見れば誰が誰に受け渡したのかが明らかになるのです。

岸田トークンのデザインが・・・・

ええ、ここはNFTとか知らない人でもツッコミたくなりますよねw

小倉まさのぶ議員が、Twitterで写真を載せてくれています。

岸田総理と小倉青年局長が金メダル、他の議員は銀メダル!

この辺がヒエラルキー大好きの議員文化が香ばしいですw

また、自分の顔写真を入れるってのも、誰に向けて渡そうとしているのか、今ひとつよくわかりませんw

この辺もなかなかの議員文化が香っているように感じますw

ポリゴンって何だ? 入れ歯を綺麗にするやつ?w

岸田トークンを運営しているのは、株式会社IndieSquare(インディー・スクエア)で、プレスリリースも出ています。

で、このプレスリリースの記述で気になるのは、『チェーンはパブリックブロックチェーンであるPolygon(ポリゴン)を選定しました。』というところ。

NFTを少し知っている人は、『あれ? NFTってイーサリアムじゃないの?』とか思ったかも。

イーサリアムは、GAS代(手数料)が高くてNFTを使うにも手数料だけで数千円から場合によっては数万円とかになるから、「気軽になんか使えない!」とか言われてるやつですね。

ところが、このプレスリリースにあるように、NFTで使う(使える)ブロックチェーンはイーサリアムだけではなく、ポリゴンの他にもいろいろあります(というか、次々、新しいブロックチェーンが出てきています。中には、ブロックチェーンなのか?と思うようなものも・・・ 興味ある人は調べてみてください)。

ポリゴンは、イーサリアムをベースに枝分かれしたブロックチェーンだと思っていただければよくて、基本的な仕組みはイーサリアムと変わりません。

ということは・・・・

はい、ポリゴンのブロックチェーンにNFTをミント(NFTとして記録することですね)するには、手数料が発生します。

ただし、マティックの取引レートはめちゃくちゃ低いので(2022/5/30午前8時現在で76円)、ほとんど手数料がかからない(0.1%としても8円弱)と言ってもいいぐらいです(なので、ポリゴンを使って出品する場合は、無料でやってるNTFマーケットプレイスも多いです)。

いくら手数料が安いと言っても、ポリゴンの場合は、マティック(Matic)という仮想通貨が使われるので、岸田トークンを発行するには、マティックが必要なのです!

ビットコインのブロックチェーンなら仮想通貨はビットコイン、イーサリアムのブロックチェーンなら仮想通貨はイーサ、ポリゴンのブロックチェーンなら仮想通貨はマティック!!

ややこしい!!

でも、これって、日本銀行で発行する通貨が『円』と言ってるのと同じなので、ブロックチェーンとそれに対応した仮想通貨の呼び方が違っていても嫌いにならないで下さいねw

※余談ですが、ポリゴンという言葉は、多角形の意味で、コンピュータ・グラフィックでも広く使われる用語です。それもあって、ポリゴンを利用って書いていると、『岸田トークンって、CGで作った3D画像なのか?』とか混乱を生むかもねぇw

では、なぜポリゴンなのか?

ここからが本題。

前振りが長すぎて眠たくなった人もいるかもしれませんが、ここからがめちゃくちゃ重要であり自民党の決意の表れが見えるところなので、しっかりと読み込んでください。

マジで法律にも関わることであり、自民党が保守か革新かと問われるような内容なのです!(冗談抜きで、そう思いますよ!!)

先にも書いたように、ポリゴンで使う仮想通貨はマティック。

ポリゴンでNFTを作るにはマティックが必要になるので、岸田トークンを発行するためにマティックを使ったということになります。

では、そのマティックはどこで手に入る(日本円と交換できる)のでしょうか?

日本では、仮想通貨(暗号資産)と日本円を交換する業務を行うためには、金融庁の認可が必要であることが資金決済法に定められています。

さらに、それぞれの暗号資産交換所では、どの仮想通貨を取り扱うのかも金融庁の許可が必要です。

暗号資産交換業者登録一覧
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

上記の金融庁が出している一覧には、それぞれの業者が取り扱っている仮想通貨が明記されています。

が・・・・・

ポリゴンやマティックは、どこにも書かれていない!!!!

PDFファイルを200%にまで拡大して調べたのですが(え?w)、やはり、どこの暗号資産交換所も扱っていないのです!!

つまり、マティックは『日本国内では手に入らない仮想通貨』なのです!!

はぁ??

岸田トークンを発行発行するためには、日本国内では手に入らない仮想通貨を使わないといけないってこと???

岸田総理のカレンダーを買いに行ったら、『日本円では売れない。ラリで払ってくれ!』と言われるようなもの(ちなみに、ラリは、ジョージアの通貨です。あ、例として言っただけで、ジョージアにやっかみとかあるわけではありませんw)。

では、ラリ、じゃなく、ポリゴンのブロックチェーンで使うマティックを手に入れるには、どうすればいいのでしょうか?

日本国内の暗号資産取引所では使えないので、海外の取引所に登録して手に入れるしかありません。

ジョージアのラリを手に入れるために、ジョージアの空港へ行って両替してもらうようなものです。

しかも、ジョージアの空港では、いきなり『日本円』を換金してくれと言っても断れる可能性が高いので(行ったことないので知らない ^^;)、ここは世界で通用する『ドル』に換金しておく必要があります。

同じように、海外の暗号資産取引所を使うには、世界で通用する『ビットコイン』などに換金しておく必要があります(日本円ー>ビットコインー>マティック。あー面倒くさい! さらに言えば、それぞれを記録しておかないと、税金が厄介なことになる!)。

細かい話ですが、金融庁は無登録の海外交換所が『日本国内に向けてサービスをする』ことを禁止しています。

そういうこともあって、海外の交換所を利用するのには、英語のメニューしかなかったり、日本語でのサポートがなかったりと、ハードルが高い。

とまあ、この辺のツッコミどころ満載で、運営会社に問い合わせが多かったためか、こんなお知らせが掲載されていました。

1) 当該のNFTを作成するために使用したトークンは当社の海外居住者名義の口座で適法に調達しており、今回の施策で活用するために当社内限りで使用しております。
2) 今回のNFTは自民党青年局が管理しているものではなく、当社で運用しております。
3) NFTに関しては譲渡不能の設定を行うことで金銭的な価値を持たない仕様で運用しており、決済手段として利用不可となっております。

https://indiesquare.co.jp/news/20220529_info/
【お知らせ】自民党青年局が活用するNFTに関する補足説明

いやー、実に実に、香ばしい!!

そして、『やっほい!自民党が使ってくれる!』と大喜びだった運営会社も、『えらいこっちゃ!』ってザワザワしてるのが感じ取れて、感慨深いものがあります。

いろいろNFTやWeb3界隈の方々がツッコミたい気持ちが昂るのは分かりますが、ここは、日本のWeb3の発展のため、清濁併せ呑む(?)という大人な態度で、生暖かく見守りましょうよ!w

何も動かずに規制することを考えているのではないか?という疑いの目から、自民党自ら、総理自らトークンを発行するというところに躍り出ているのですから、これは高く評価していいと思いますよ!

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