人は、その人の何を愛するのか
何をもって「その人」なのでしょうか。
平野啓一郎さんの「ある男」を読んで思ったことを書いていきます。
あらすじ
ある日突然夫が事故で亡くなり、親族に連絡を取ったところ、全くの別人だとわかる。
名前も経歴も全てが偽りだったと知らされた妻。
愛した夫は誰だったのか。
人は、その人の何を愛するのでしょう。
その人の過去も名前も年齢も全てが嘘だとしたら、その人ではなくなってしまうのか。
最近では、有名人の過去の出来事が問題になることがありますが、やはり過去を含めての現在までが「その人」なのでしょうか。
過去は関係ないという人もいるでしょうし、過去の出来事でも許せないという人もいると思います。
どちらが正しいとかではなく、ただ何をもって「現在のその人」になるのか。
私は他人に好感を持つ時、話し方や仕草を含めた雰囲気に惹かれることが多いのですが、雰囲気はその人の過去の経験や思想から醸し出されている気がします。
だとしたら、聞かされていた過去が全て違っていたとしても、実際の過去から成り立っているその人に好感を持っていることになるのでしょうか。
その過去が許せなかった場合、全てがひっくり返ってしまうこともあり得ますよね。
結局何を見ているのでしょうか…
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