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個人開発者向けに広告収益のLTVを計算する方法を世界一わかりやすく説明する

LTVほど開発者にとって重要な指標はないのではなかろうか
でもアプリ作ってる開発者さんでも、LTV把握していない人がめちゃくちゃ多い
それもそのはず!ネットに転がってる情報は課金やサブスク向けのものばかり!
てことで、今回は広告収益が軸のアプリ、特にカジュアルゲームでめちゃくちゃ使えるLTVの計算方法を紹介するぜ!!

そもそもLTVて?

Life Time Valueてやつですね。
ユーザーがアプリをダウンロードしてから、使わなくなるまでに、どれぐらいのお金を落としてくれるか計る指標。これをしっかり把握しないと、アプリはグロースしていかない。
例えば、LTVを知ることで、「LTV100円なら、CPI100円まで広告に投下できるぜ」といった判断ができる。LTVは一人のユーザーを獲得するのに投下できるコストを算出するための重要な指標。

LTVの計算式は意外と知らない人が多い問題


2022年9月時点で「LTV 計算式」でGoogle先生に聞いて、一番上にでてくるサイトを見ると、LTVの計算式は以下と書かれてる。

・LTV=購入単価×購入回数×継続期間
・LTV=顧客1人客あたりの年間取引額 × 収益率 × 顧客1人あたりの継続年数
・LTV=顧客の平均単価×粗利÷解約率

https://www.tsuhannews.jp/shopblogs/detail/66619

その通りなんですけど、これは通販や課金アプリでしか使えないですよね
課金や買い切りで成り立っているアプリなんてほんの一握りで、大半のアプリは広告が収益の軸のはず!
てことで今回は、広告収益をメインのアプリでLTVを計算する方法を2つ紹介するぜ!!

一つは、ダウンロード数を売上で割るパターン、もう一つはARPDAUと継続率を使うパターンこの二つ目の計算式をマスターすると色々便利なんで、覚えて帰ってね!!!

ダウンロード数を売上で割るLTV計算

これは超シンプル、小学生でも余裕で計算できる。
例えば、直近1 ヶ月の売上が 100 万円で、ダウンロード数が10 万だったとしたら、100万÷10万=LTV は20 円て感じ。

この計算方法はシンプルだけど、2つの問題点があるんですよね

問題点1:直近の傾向が反映されずらい

例えば、7~9月の直近三ヶ月のLTV計算するとする。ダウンロード数は各月10万ずつで合計30万DLと仮定。広告収益は、7月が20万円、8月50万円、9月230万円で合計300万円だったとする。
このとき、「300万÷30万で直近三ヶ月のLTVは10円です!」ていうと、計算上は正しい。しかし実態の姿と乖離していて、信ぴょう性はかなり薄いじゃないですか。LTVが改善されていっているのに、その様子を表現できていない!

この例はかなり極端ですけど、プロモーションを打ったタイミングや新しく広告の枠を追加したタイミングなど、ユーザーや広告収益がブレやすいときは、この計算式は適さない。
一方、ダウンロード数の増加と広告収益が比例関係で、安定している時期ならばGood!何より計算が簡単だからね!

問題点2:リリース初期や施策の初動のLTVを計算できない

たとえば、「昨日リリースして、1000人ダウンロードしてくれました!昨日の広告収益は1000円です!なので、1000円÷1000人でLTVは1円です!!」て言われると違和感あるじゃないですか?
だって、昨日ダウンロードしてくれたユーザーのうち何人かは、きっと今日もアプリを使ってくれるし、アプリを使ってくれるなら、広告収益は今日も発生するもんね!てことはLTVはもっと高いはず!

ダウンロード数を売上で割る計算式は、あくまで過去に発生した売上をDL数で割るので、この計算式をダウンロードしてから十分な時間が経っていないタイミングで使うと、将来的に発生するであろう収益を無視して、LTVを計算することになります。

何か施策を打ったばかりのタイミングも同じ。
例えばメディエーションで新しい広告事業者を入れたとする。その事業者を入れた日からLTVを計算しようとして、売上÷ダウンロード数をすると↑と同じ問題にぶち当たっちゃうよね!その事業者を実装して、今後、継続的に単価があがっていくかもしれないのに、1日だけでLTVを判断すると、おかしくなっちゃう!

じゃあリリース初期の LTV の計算はどうするのかというと、それが2つ目の方法、ARPDAU・継続率を用いた計算がおススメ。

ARPDAUと継続率を用いたLTV計算


ARPDAUはAverage Revenue Per Daily Active Userのこと。聞いたことぐらいはあるかな?アクティブユーザー 1 人あたり 1 日にいくらの売上になるか、という指標。

ARPDAUは、ある期間の売上合計÷同期間のDAUの合計で計算できます。
例えば、リリース後1週間で100 万円の売上があって7日間のDAUの合計が10万人だったとすると、ARPDAUは1,000,000円 ÷ 100,000人=10 円て感じ。これは簡単だね!

次に、継続率からユーザー1 人あたりどれぐらい継続してアプリを使ってくれるかを計算する。
継続率はFirebaseとかで調べられるから見てみてね(参照リンク

例えば、ダウンロードした10人のユーザーが2日目に6人、3日目に5人、4日目に4人、5日目に3人、6日目に2人、7日目に1人で減っていくとする(8日目には0人になってると仮定)
この時、DAUの合計は10人+6人+5人+4人+3人+2人+1人=31人。
てことで、10人のユーザーが0人になるまで、延べ人数でDAU31人分、アプリを使ってくれていることになる。すなわち、1ダウンロードされると、平均で3.1日遊んでくれるんだね。図にするとこんなイメージ↓


DAUあたりの収益はARPDAUでしたよね!てことは、図の一つのブロックあたり、1ARPDAU。さっきの計算式で言うと10円です。てことで、ダウンロードされると平均で3.1日遊ばれて、DAUあたりの収益は10円なんでLTVは3.1日×10円=31円になります。



この計算方法にも弱点があって、計算する期間以降の収益が安定してないと使えない。
例えば、リリース 1 週間後にARPDAU を計算したけど、1週間後にユーザーがアプリ使いまくって、インプレッション爆増、それに伴って広告収益も爆増すると、計算したLTVが実態から乖離しちゃう。
収益が程度一定で、将来の継続率がだいたい予想できるアプリは、早ければ数日でまあまあ正確なLTVを計算することが出来るようになる。

また、アプリの機能追加や広告事業者の調整などのアップデートで継続率や ARPDAUが変わった場合、変わった時点から計算をやり直せば、同じく短期間のデータで比較的正確なLTVを更新できるというのも、この計算式の大きなメリット

まとめ

自分のアプリの状況に合わて、どっちの計算式使うかは決めればいいと思うけど、両方ともそこまで難しい計算じゃないから、両方使えばいいと思うよ。
どちらの計算式も一長一短で、どちらかが100%正しいLTVを出してくれるわけじゃないんで、
二つの計算式を使って、出た数字を見比べて、正確なLTVの感覚を掴むのがいいんちゃいますかね。
あと、↑の計算式は課金収益でも使えんで、色んなアプリで計算してみてね

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バイバイ!


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