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今さら聞けないマネタイズ側から見たeCPMをわかりやすく説明する

アプリデベロッパーの皆さんは広告収益から見たeCPMのこと、どれだけ分かっていますか?
「分かってるぜ!」て思う方が大半だと思います。じゃあクリック率とクリック単価とeCPMの関係を説明できますか?意外とできない人は多いと思います。
ネットに転がっている広告指標に関する記事は、当たり前ですが、広告主側の視点に寄ったものばかりです(アプリデベロッパーよりも圧倒的に広告主の数の方が大きいため、しょうがない)
広告でお金を稼ぐなら、ちゃんと広告マネタイズのことは勉強した方がいいけど情報がない!」て感じだと思います。
そこでこのnoteでは、広告で収益を上げる開発者の視点に立って、eCPMをわかりやすく解説します。

eCPMてなに?

Google先生で調べると、以下の通りです。

eCPMとは、Web広告などの単価を表す指標の一つで、ある期間に生じた広告の課金額を、1000回表示あたりの単価に換算したもの。

https://e-words.jp/w/eCPM.html

デベロッパーさんから見るとよく分からないですよね。だって広告主視点の説明だもん!
これをマネタイズ側から説明すると「広告1000回表示当たりにもらえる収益」になります。

eCPMの理解が収益向上の初めの一歩です。
よくデベロッパーさんから「広告単価が下がってて何とかしたいです」と言われます。
「なんで下がってるか確認しました?」と聞くと、99%の答えが「おそらく時期的なものです」「魅力的な広告案件が途切れてしまったのかもしれません」など、憶測に基づいたものです。eCPMが何かをきっちりと理解しておらずどう分析していいのかが分かっていないため、感覚的になってしまう開発者が非常に多い印象です(情報がないのでしょうがない)。

これが今回、一番伝えたいことなのですが
eCPMはCTR(クリック率)×CPC(クリック単価)×10
で求めることができます。
eCPM、すなわち広告単価における変数はCTR(クリック率)かCPC(クリック単価)のどちらかしかないのです。

CTRてなに?

ググるとこんな感じ。

CTR とは、Click Through Rate の略語で、ユーザーに表示された回数(インプレッション数)のうち、ユーザーがクリックした回数の割合を計算したものです。

https://www.kwm.co.jp/blog/ctr/#:~:text=CTR%20%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Click%20Through,%E5%A4%9A%E3%81%8F%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

分かりやすくデベロッパー視点で説明すると、100imp発生したときに、お金がもらえる回数がCTR(クリック率)。

すなわち、「CTR1%なら、100表示当たり1回お金がもらえるし、10%なら10回お金がもらえる」ということです(動画リワードなど視聴課金系は例外)。

CTRの高さは基本的にはフォーマットに依存しますが、広告の表示タイミングやフリークエンシー、ユーザーの属性などでも変化が見られます。(例えば、これまで出していなかったタイミングで広告を出したり、ダウンロードしたばかりのユーザーに広告出すと、広告に対して慣れておらず、クリック率が高くなりやすい。もちろんアプリによる。)

CPCてなに?

例のごとく検索すると以下の通り。

「CPC」とは、Webサイトの広告を1回クリックするごとに発生する広告掲載料金のことです。
参照:https://udemy.benesse.co.jp/marketing/web-ad/what-is-cpc.html

デベロッパー視点で説明すると、1回のクリックあたりにもらえるお金です。CPC10円ならクリック発生ごとに10円もらえるし、CPC30円なら30円もらえます。簡単でしょう?

アプリでの単価下落の多くはCPCが要因です。CPCの良し悪しはアドネットワークがちゃんとアプリに合う案件持ってるか、ちゃんとその案件を流すロジックあるか、ちゃんとオークションプレッシャーかけてれるか、などで変わります。(ここら辺は話すと長くなるので、いつか別のnoteで書きます)

eCPMの計算式

ここまで読めば冒頭で書いた「eCPM=CTR(クリック率)×CPC(クリック単価)×10」がスッキリ理解できるはずです。

eCPM:1000回表示あたりの広告収益
CTR:100回表示あたりにお金をもらえる回数
CPC:クリックあたりもらえるお金
なのでCTR×CPC=広告100表示あたりに、もらえる広告収益です。
これに10をかると、1000回あたりにもらえる広告収益、すなわちeCPMになります。
例)CTR3%、CPC15円だと3×15×10で、eCPMは450円になります。

CTRとCPC自体は、どこの事業者も管理画面で確認できるはずなので、一度見てみましょう。

どうやって使うの?

例えばインタースティシャルをゲーム開始前かゲーム終了後のどちらに出すか迷って、A/Bテストして、以下の結果が得られたとします

ゲーム開始前:eCPM500円
ゲーム終了後:eCPM600円

このnoteを読む前ならば、ゲーム終了後で即決だったと思いますが、CPCとCTRを見たら以下だったとします。

ゲーム開始前:CTR10%、CPC5円、eCPM500円
ゲーム終了後:CTR5%、CPC12円、eCPM600円

この時、「ちょっと待てよ、これなんでCPCこんなに差があるんだ?接続されている事業者同じだっけ?なんか設定に差があるのかも。開始前CPCを終了後ぐらいまで上がれる可能性はないのか?事業者に聞いてみよう」のようにeCPMで丸っと見ていたときには生まれないインサイトに繋がる可能性があります。このように、単価の上下をeCPMだけで丸っと、捉えるのではなく、CTR/CPCを見ることで、これまでだと発見できなかったインサイトが得られやすくなります。

まとめ

・単価はeCPMだけではなく、CTRとCPCもちゃんと見ましょう
・eCPM=CTR(クリック率)×CPC(クリック単価)×10
・CPCとCTRで分けて考えると、色々アイデアがでるかも

アプリではメディエーションをしっかり構築することである程度、マネタイズは完結しますが、CPC/CTRまで理解しておくと、単価上下の分析がより高いクオリティで実施できたり、広告事業者とより適切なコミュニケーションが取れたりします。
広告でお金を稼ぐ人からすれば、知っておいて損はないので、是非頭の片隅に置いておいてもらえると嬉しいです。

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