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プロフェッショナル視点のマーケティング

■書籍紹介

■はじめに

マーケティングの仕事は無限にあります。代理店は広告代行だけをしていれば良い時代は終わりを告げました。
GoogleやFacebookなどは初心者でも取り扱いやすい様なプラットフォームを用意しています。
言わば、集客に利用する道具は皆一律です。問題はその道具を使ってどれだけ集客ができるかです。
そのため、単なる代行業では価値を提供できず、LTVの低下に繋がります。

最近、Twitterで興味深いツイートを目にしました。
代理店→事業会社に異動された方のツイートです。
それは、「広告主は想像以上に代理店を頼りにしている」という点でした。

代行業を営む我々はお客様有りきにはなるので、広告主>代理店という力関係を想像しがちですが実は広告主=代理店であるという事です。
普段なら手に負えない領域を手伝って貰うからこそ、価値があるとの事でした。
我々はより、クライアントのパートナーとしての立場を強固にしなければなりません。

その背景もあり選んだ本書は『マーケティングプロフェッショナルの視点』になります。
筆者の所属してきたP&Gや資生堂などのマーケティング視点を盛り込んだ書籍となっています。

多角的に、価値提供を考えること、パートナーとしての関係性を構築する為の視点で本書を読み進めます。

■消費者の理念・信条を理解する

優れたマーケッターは驚くべき事に、玄関に入り、消費者の利用するモノなどを見て大まかなターゲティングの設計ができる様です。

情報が溢れる現代、自社ブランドが如何に選ばれるかの課題解決は常に付き纏います。

○○で○○の傾向があるユーザーは自社ブランドを愛用しやすいという事でしょう。

これもまたTwitterの話になりますが、面白い傾向があります。

UNIQLOと無印良品の例です。

UNIQLOは男性向けのナイトウェアにはスウェットしか展開しておらず、無印良品ではパジャマなど寝巻き具の展開が細かくされています。

これは、UNIQLOに行く男性は部屋着で床に就くが無印良品に行く男性は部屋着からパジャマに着替えるなどの行動を起こすからという事が読み取れます。

広告代行をしていると、思考が浅くなりがちです。
まずすべき事は既に購入したユーザーの傾向を探り、ダイエットサプリなら「サプリメントを探しているユーザーなんだろう」と「ダイエット ○○」などのキーワードでリスティングをかけガチです。

言わぬる顕在層向けのワードなので外れではないですが、分析の始まりが自社情報だと広がりが薄れるのではないかと考えました。

結局のところ、エンドユーザーの行動や思考を理解していかない事には展開に繋がりません。

ダイエットサプリを検討している層はきっとジムやパーソナルジムなどに行きたいとは思ってないでしょう。
同じ痩せる目的でも楽をしたいという考えが明白です。

そうなってくると、ディスプレイ配信を行う際のターゲティングの設定などは変わってきます。
この様にユーザーの行動や信条などの理解を努めると、より精度の高い分析に繋がります。

■「20代 女性がメイン」は古い

商品の多くは具体的な年齢設定のもと、開発され、市場に投下されています。

20代 女性 40代 女性などといった具合です。
時代は進み、ペルソナという概念が広まった事でもう少し年齢の細分化や加えて趣味・思考の考えが根付きました。

以前までの日本では、年齢や性別でのターゲティングである程度良かったのです。
マス広告がまだまだ使われていた時代、何となくの売りたい層が把握できていればその何となくが買ってくれるからです。

デジタル化が進んだ現代では、そういう訳にもいきません。
人々の生活が多様化しているからです。
20代はお金がない、年齢を重ねる事に年収が上がるのは基本ですが以前程若い人がお金がない状況も減っています。

生活が多様化した事で稼ぐ手段が増えた事で、傾向が一変しました。

そのため20代といった年齢へフォーカスするよりもなぜ『20代なのか?』を考える方が懸命です。

・学校というコミニュティに属している
・社会人としての経験がまだ浅い
・若年層の親世代もいる
…etc
など20代を狙いたかった理由は多々あるはずです。
先程も出た信条などが重要という部分に繋がりますが、
年齢よりも属しているコミニュティや状況で判断をした方がマーケティングの精度は高まります。
年齢・性別のセグメンテーションから様々な思考のセグメンテーションに切り替わりつつある事を忘れないようしなければなりません。

■商品・サービスの存在意義を理解する

マーケティングをするにあたって、ターゲットとなる相手は「人」です。
多くの商品は人相手に自社がどういったベネフィットを与えられるかを意識して開発・広報されます。

中でも人と人との関係性を揺さぶる機能や性能が大きく感情を動かす事に成功します。

無人島を想像して見てください。
恐らく今生活をしている時に使ってる殆どの物は不要になります。
人間は人間との関係性を構築するにあたって、消費活動を行うのです。

・呑み会
・旅行
・冠婚葬祭
など

多くのマーケッターが起こす勘違いとして、
1対1の関係性を創りあげてしまう事です。

ユーザー対ブランド
ノンユーザー対ブランド
競合ユーザー対ブランド
この様な具合です。

本来理解するべきなのは、ユーザーがどういったコミニュティに属していて、どういった課題を抱えているのか?という部分です。

つまり企業はそれらの課題を解決できる期待と応える性能を用意する必要があります。

冒頭で述べた、感情を動かす事は人と人との繋がりなどの話が多いはずです。
映画しかり文学作品の多くは人間関係を描いています。
商品の存在意義に人間関係の構築という先が無ければ他商品よりも価値が薄れる事でしょう。

上記の考えを持つ際に、商品の利用や購入をするシーンを想像する事を推奨します。
その際に、ユーザーはどういった「自我」を持っているのか?
理解が必要です。

オムツを例にします。端的に購入する人と言えば母親ですが、母親としての自我はなんでしょうか?
子の母、夫の妻、家族の主婦、姉か妹、誰かの上司か部下としてという事です。

子の母としてなら我が子への愛情を夫の妻としてなら子育てをする自分をよく見せたいなどと購入の動悸が変わってくる可能性があります。

ここから「購入の言い訳」が見えてきます、そしてその言い訳を刺激するベネフィットを提供し、感情を揺さぶる事で売れる仕組みを体現する事ができます。

■まとめ

今回はこれまで読書を行ってきた要素とは異なった書籍でした。

新たな発見として、「コミュニティ」の概念が強まりました。この考えを持つと、マクロな視点ではディスプレイやFacebook広告の配信で新規のターゲットを考える際に利用できます。

マーケティングのマクロな目線ではペルソナ設計やカスタマージャーニーマップの策定の際に考慮する要因として使えます。

自分自身もどういったコミュニティに属しているのか考える事で、広告の戦略にも活かしていけると考えを改めました。

■具体的 TO DO

・注力商材のコミュニティを思考する

→ターゲティングの新規作成、広告文考案、DSPへの展開など

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