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「M」のマーケティング戦法を読んでみて

■はじめに

マーケティングと言えば「新商品のリリース」などの広報活動を思い浮かべる人が多いでしょう。

実際に、巷の事例を拝見するとヒット商品や映画などは最新のモノが売り込まれています。

では既存のプロダクトでの勝負は難しいのでしょうか?
直近マーケティングの話を読んで行った際に、1から作り上げる行程は垣間見えたものの、既存を復活させる行程はあまり見れていない様に感じました。

そこで今回選んだ書籍が下記書です。

本書は日本マクドナルド時代の足立氏の経験・ノウハウをまとめた書籍になっており、当時赤字だったマクドナルドの復活劇が描かれています。

当時のマクドナルドはチキンナゲットへの異物混入の問題が上がり、客足が遠のいていました。

既存プロダクトの再建という観点で本書を読み進めていきます。

■リードタイムの概念

マクドナルドでは期間限定商品のセールスなどを恒常的に行っています。
TVCMなどでも大々的に取り上げられるので、認知をせざる得ません。

ですが、実際にマクドナルドを食べたくなるか?と言われると微妙にNOです。
大抵の消費者はマクドナルドはたまに食べたくなる商品という位置づけではないでしょうか。

たまに食べたくなる瞬間、購入する品はハンバーグやポテト、チキンナゲットとといった一般的な商品郡です。

ここに足立氏は目を付けました。

まず、リードタイムと呼ばれる概念があります。キャンペーンを打つにしても、製品開発からリリースまで約1年かかり
「来季はアボカドを主としたハンバーガーでいく!」と方針を立てても、1年前からその際の原材料などを取り揃えて置く必要があるなどのリスクがある様でした。

加えて開発コストもかかりつつ、原材料の仕入れは国内なので割高、キャンペーン自体は5〜6週間で終わるのでマネタイズに繋がりにくい側面を抱えていました。

そうなるとリードタイムの短い既存商品に目を向けるのは必然です。
また、マクドナルド購入層は当時では手軽さが求められており多少値が張る既存品よりもビッグマックなどの定番品が求められる傾向にありました。

そうなると開発→リリースまでに時間のかかる新製品よりも今一度目を向けるべきは既存品という判断は一目瞭然です。

ですがそうなると、既存品の広報活動が課題となります。
「新製品が出ました!」という告知をマーケティングに則り宣伝するのは簡単ですが、今からある商品を宣伝するには工夫が必要です。

そこで重要な観点が"話題化"になります。

■バズる話題化とは?

話題化をテーマにマクドナルドが行った施策は多数あります。
・チョコソースをポテトにかけたもの
・ビッグマックのパティを増したもの
・ユーザーに名称をつけさせるキャンペーン
…などなどです。

確かに既製品に意外なモノを絡めるアイデアや既存品を少し大きくするなど、既存品の活用をうまく行っています。

話題化の際に重視する点はお客様の体験もそうですが、対立構造が話題化を生みやすくなります。

例であげた、チョコポテトですが、商品開発の時点で社内で一悶着があった様です。

甘じょっぱくて美味しい派と全く合わない派でした。

通常なら意見が別れた商品はボツですが、これこそに話題化のヒントがあります。
実際にSNSなどで拡散をしたところ、
「どっち派?」という分かりやすい対立構造が生じました。

結果として発売前〜後のバズは成立した形になります。
確かに対立構造は簡単に話題化や自分事ができるので良い手法の様に思えます。

しかし、実際には売上自体はそこそこといった
着地になった様です。

例であげた名称を付けるキャンペーンも500万応募があり当時のバズり具合で国内1位の勢いでしたが、Web上で誰もが簡単に名付けられる分相対して売上には繋がらなかった様です。

既存品を売る=バズらせる(話題化)には繋がらない場合もあるという事でした。

やはり、認知→行動へどう落とし込むかの動きを思考する事が重要です。

■話題化自体は戦術(方法)に過ぎない

話題化自体は結局の所、1つの「HOW」であると本書では記載されています。

話題化となるとWeb=SNSを考えがちですが、その為の媒体として雑誌なども充分に有効な手立てになります。

マクドナルドは食というテーマなので、食関連の雑誌に掲載されるだけでも効果を発揮します。

反対にインフルエンサーを使おうという判断で、綺麗な女性に食べさせてもあまり来店意欲は湧かないはずです。

リスティングプラスが主に行っている、デジタルマーケティング領域も1つの戦術にしか過ぎないという点です。

Webが流行ってるから〜と安易に参入する方は多いですが、あくまでも戦術の中で戦っているという面を意識しなければなりません。

■仮説>ヒアリング

マーケティングを行う上で多くの仮説が必要になります。
「もしかしたから、こうなのかも?」という意見です。

足立氏は鳴り物入で日本マクドナルドに入った経緯があり、その手腕や経験を活かして幾つもの案が浮かんでいました。
しかしどれも実行に移す事はせずに、部下との対話の中で答えを出させようとする方向性にしていました。

加えて、仮説を立てた段階でヒアリングを行う事もしています。

理由としては、仮説→ヒアリングでないと自分の意見がない為に、流行りの手法に流されてしまう可能性など考えられるからです。

確かに、素直なのは良い事かもしれない加えて周りの人も素直な人間は伸びると評価をしています。

しかし言われたこと実行のプロセスの中で、自分の考えがないとタスク消化に陥りやすくなります。
自分の仮説を持ち、対応する事で、+の成果を生むことができます。

例えば管理画面で数値が悪化した際に、悪化要因に正解を求めがちですが、仮説を複数持っていきブラッシュアップするのも良いでしょう。

仕事や日常生活にて常日頃から仮説を持ち、検証していく癖を習慣付けていきます。

■まとめ


大手企業のPRには目を見張るものがあります。
振り返ってみると、大企業ほど、TwitterやInstagramでバズるイメージがあります。

有り触れている、からこそ斬新な手法がバズを生むのかもしれません。

上記の様な仮説、「なんで?」も考えていく事で自分の引き出しは広がるなと思いました。

事象→答えは付き物ですが、ない場合が多く、答えのあるものは結果差別化できません。

あくまでも答えを作るという観点で仕事をして行こうと思います。
わからない事は罪ではなく、わかろうとすれば良いと思います。

■具体的TO DO


・悪化案件の要因を仮説で2〜5つ出す。
→出した仮説の分析
市場や管理画面の変化などなど

・SNSを利用しているツイートなど保存し、自分でも個人Twitterやクライアントで応用ができないか考える


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