見出し画像

滞在研究〜イギリス・ダラム〜

九月の末から滞在研究のためイギリスのダラムというところに来ている。Durhamと書いてダラムである。綴り通りに読むとダーハムな気もするし、実際にヨーロッパの非英語圏の人もダーハムと言っているのを聞くし、英語の綴りと発音の関係はよくわからない(めちゃくちゃである)。

ダラムという都市が日本で一般的にどの程度有名なのかわからないが、イギリスやヨーロッパ好きでもなければ知らない人も多いと思う。かくいう私もダラムという場所の名前は知っていたが、昔イギリスに住んでいた時も「ヨークとニューキャッスルの間にある田舎」という程度の認識しかなかった。

滞在しているのはダラム大学というところなのだが、先生の研究内容を目的に滞在先を決めたので、街のことも大学のことも全く知らなかった。調べてみるとなんとダラム大学はイングランドでオックスフォード、ケンブリッジについで三番目に伝統のある大学らしい。しかも街にはダラム城やダラム大聖堂という11世紀ごろに建てられた古い建物があり、実はかなり有名な場所なようである。ちなみに私の滞在している音楽学部は大聖堂の敷地内にあり、初めて行った時はGoogleが間違って場所を示していると思った(ぐらい大学の校舎には見えない)。

画像1

ダラムに限らず北イングランドやスコットランドを歩いていると「あぁハリーポッターみたいだなぁ」と思うことが多いのだが、実際にダラム城や大聖堂はロケ地に使われているようなので、本当にハリーやロンやハーマイオニーが歩いていたようである。

画像2

街自体は小さく、一日あれば市内の観光は十分な気がする。自然の多いところで、近くの自然保護区を歩くだけでも楽しい。

画像3

滞在研究の目的は、自分の所属ではできないような研究を滞在先の先生の知識やスキルを頼りにして行うことであり、旅行すること自体が重要なのではないが(特にコロナなので昨今は必要でない限りオンラインで会議やデータ収集をすることも多い)、しかしやはり場所を移動するということ自体にも滞在研究の意味はあるように思う。

私は日本人だから普段住んでいるオーストリアも、今滞在しているイギリスもどちらも外国には違いないのだが、ウィーンとダラムの景色はまるっきり違うし、言葉はもちろん人のコミュニケーションの仕方や食べ物といった文化的な要素も全く異なる。

同じ文化圏に住んでいるとそれはそれで居心地がいいのだが、たまにはこういう荒治療的な感じで他の文化へ飛び込んでみるのも、それはそれで人生経験として悪くないと思う。旅行でも十分価値はあると思うが、もし余裕があれば数ヶ月単位で自分の文化ではないどこか違う文化圏に滞在することをおすすめしたい(違う文化圏というのは必ずしも国境を越えるという意味ではない、念のため)。