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【中医学】 心と小腸〜各論〜

こんにちは

過去に心のはたらきと性質について書きました。今回はより実践的な各論に入っていきます。
まずはおさらいです。心のはたらきとして血脈や神を受け持つということを言いましたがそれはなぜそうなのかと言えばこのように分けられているからですね。

はじめはよくわからないと思いますが、何回も読んでいたり、みていると覚えるので大丈夫です。まずはこんな感じで関係性があるんだよということがわかればOKです。ではこれらが健康なときはどんなはたらきなのか見ていきましょう。
まずは目次です。


健康時

○心のはたらき

1)血脈 … 血液循環をスムーズに行い、全身を栄養しています。
2)神志 … 精神を充実させ、意識や思考活動がしっかり行われます。
3)舌  … 味覚が正常で、言語をはっきりと話すことができます。
4)汗  … 発汗は心の機能を反映しています。
5)顔  … 血色に反映します。
6)心包と深い関係がある。

○小腸のはたらき

1)胃から送られてきたものを消化し、清濁を分別し、全身に栄養不要なものを大腸にそして、余分な水分は膀胱に送るはたらきを持つ。
2)液を生じます。

君主の官とは最高高位とされており、この部分が記憶や指揮、知覚、意識判断などの精神活動を調整しています。神が安定することで他の五臓六腑も活動をすることができます。また心気の作用により血液を全身に巡らせ筋肉や骨を栄養します。

これらが通常の状態のときです。ではこれらのはたらきが弱まると体にどんな症状が出てくるのかまとめます。

はたらきが低下すると…

① 血脈

心は血液を循環させる原動力であり、血脈は血を運搬する重要なパイプです。このパイプを通じて五臓六腑に血液を供給します。心気が弱まると血液の推動作用が弱くなり、血液循環が悪くなり、顔色の血色やツヤに反映します。

衰えると…不眠、心悸、健忘、気短、顔面蒼白、胸痛、脈象異常

② 神志

精神状態、意識、思考活動が神の機能状態を反映しています。心機能の乱れは神を不安定にさせ、色紙敵活動にも無意識活動にも影響します。

衰えると…うわ言、意識障害、精神錯乱、健忘、多夢

③ 舌

心は舌に開竅すると言われています、心の障害は舌(色や形、苔など)に反映し、味覚と言語に異常をもたらします。

衰えると…舌や口に瘡が生じる、舌質の淡紅は心血虚を示す。紫暗は心血瘀を示す。

④ 汗

汗は心の液であり心は五行の火に属し、暑熱の性質を持つことから汗は心の機能を反映します。

衰えると…自汗、大量発汗、盗汗

※用語の確認
自汗…いつも汗がでている。活動後にさらにひどくなること
盗汗…寝汗のこと

⑤ 小腸

小腸では食べ物を消化吸収し、清濁を区別する作業が行われる。”清”とは昇清作用(栄養分の吸収)、”濁”は降濁作用(老廃物の排泄)のこと。

衰えると…食欲減退、下痢、胃痛、嘔吐、腹部膨満感

というわけで以上のような症状が見られます。逆にこれらの症状に当てはまるようなら心もしくは小腸に異変が起こっているのでは?
と考えても良いでしょう。ただし、現代の臓器としての心臓と中医学の心とは同じものではないのでご注意下さい。

では最後にもう一度表を載せます。

いかがですか?関連性が少し見えてきませんか?
また少しずつ学んでいきます。

勉強の励みになります!どしどしお待ちしております!