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【中医学】 肺のはたらきについて
こんにちは
昨日は心について振り返りましたが今日は肺のはたらきと性質についてまとめていきます。
現代では呼吸器疾患であったり肺炎などはよく耳にしますよねその肺です。肺というのは体内で一番高い部分にある臓器なので五臓六腑の蓋(華蓋)と呼ばれたりしています。
ではまずは肺のはたらきについてまとめていきます。
肺のはたらき
1)清気を受け持つ
清気は上部にある様々な器官にエネルギーや栄養を与えるものとされています。
視覚、聴覚、嗅覚、発生などが正常であるためには清気は欠かせないものであると考えます。
【正常な状態】
●肺は正常で清気は上部へ送られる
症状⇒視覚、聴覚、嗅覚、発声などは正常
【病んでいる状態】
●肺の気が弱まる、邪気によって肺の働きが妨げられ、清気が上部に送れない
症状⇒めまい、鼻詰まり、鼻が乾燥する、耳鳴り、耳の聞こえが悪いなど
この清気を受け持つというのは呼吸のことですが、吸うことと吐くこともはたらきが別で考えられています。
それが気を上に送る【宣発】と気を下へ送る【粛降】に分けられています。
2)宣発(気を上へ、外に動かす)
かんたんにいうと吐く動作とそれに付随した動きのことを宣発といいます。
具体的には以下の通りです。
体内の汚れた気を外へ排出する
飲食物を消化して得られた「水穀の精微」を全身(特に体表面である皮毛)へと行き渡らせる
バリアーの役割をする衛気を、身体の表面に行き渡らせる
清気を上部にある様々な器官へと送る
※水穀の精微とは?
水=液体、穀=固体の飲食物のことで水穀=飲食物の意味です。
そして水穀の精微は、気血津液の原材料になります。
ではそれらの失調によりどんな症状が現れるのかまとめます。
【病んでいる状態】
●宣発のはたらきが弱まり、「水穀の精微」を体表部へ送れない
症状⇒風邪を引きやすくなる、汗が多い、皮膚がカサカサするなど
●宣発のはたらきが弱まり、衛気を体表部へ送れない
症状⇒身体の表面が冷たくなる、寒気がする、風邪を引きやすくなるなど
では続いて吸うことについてまとめます。それが粛降といいます。
3)粛降(気を下へ、内へ動かす)
この動きの内容は以下の通りです。
清気(外の空気)を吸い込み下へ送る
気の逆上を抑える
飲食物を消化して得られた水穀の精微を下に送る
身体の上部の水を下へ送り、水液の代謝を助ける
また肺をきれいにしておくことで痰を溜まらせないようにしたり、大便を下におくる際に助け、排便を促すはたらきもあります。
なんとなくイメージはつきますでしょうか?では粛降が病んでしまうとどうなるのでしょうか?
【病んでいる状態】
●粛降のはたらきが弱まり、気の上逆を抑えられない
症状⇒咳、喘息など
●粛降のはたらきが弱まり、上部の水を下に送れない
症状⇒顔がむくむ、尿量低下など
●粛降のはたらきが弱まり、肺や気管に痰が溜まる
症状⇒咳と同時に痰が絡む。喘息のときに、痰が喉につかえ、呼吸を妨げるなど
4)宣降
宣発と粛降とお話をしてきましたが、それらを合わせて宣降といいます。呼吸によって生み出される気の動きすべてを指します。
つまり肺のはたらきは、上にも下にも全身に気を送るはたらきを有しています。また全身の経絡にも気血を巡らせるはたらきもあります。そして気血が流れるということは水の流れにも影響します。全部関係しているんですよね。
また、昨日の心の部分でもお話しましたが、全身に血を送るのは心のはたらきと言いましたが、実は肺も行っています。これも肺と心が相互に助け合っています。
というわけでなんとなく肺のイメージはついたでしょうか?
人間の呼吸に色をつけれたらわかりやすいかも知れませんね。気の流れ、そして血と水への作用など頭に入れておきましょう!
勉強の励みになります!どしどしお待ちしております!