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パーキンソン病 【1/3】 疾患基礎

手が震えるんです…

こんにちは
今回はパーキンソン病についてです。

安静時振戦、無動(/寡動)、固縮、姿勢反射障害が4大徴候ということは覚えているけど…という方も多いのではないでしょうか?
今回はパーキンソン病の大まかな部分を復習していきます。

一言でいうと?
”パーキンソン病は進行性の疾患であり、徐々にかつ不可逆的に症状が進行していく疾患です。”


というわけでまずは概要と病態です。

パーキンソン病の病態

パーキンソン病は大脳基底核に属する中脳の黒質に存在するドパミン神経細胞の変性を主体とする神経変性疾患です。4大徴候(安静時振戦、無動・寡動、固縮、姿勢反射障害)に加え、嗅覚障害、睡眠障害、便秘、うつ、精神障害などの非運動性症状も伴うことも多い。

中脳黒質何じゃそれ?という方はこちらをご覧ください。

(少し前に書いたものなので近い内にまた書き直します)

大脳基底核のはたらきは以下の通りです。

  • スムーズな運動

  • 不随意運動を抑制

  • 姿勢の変化を調整する

  • 注意、学習

  • 報酬行動

などがあります。

脳から筋肉への動作指示を司る脳の部分、大脳基底核にある神経細胞が、ドパミンという重要な神経伝達物質を放出します。ドパミンは、筋肉の動きに必要な信号を強化する役割を持っています。

しかし、パーキンソン病で大脳基底核の神経細胞が変性し始めると、ドパミンの生産が減少し、神経細胞間の接続も少なくなります。その結果、脳が筋肉の動きを正常に制御できなくなり、振戦、動作の緩慢、動きの小ささ、姿勢や歩行の異常、協調運動の障害などの症状が現れます。

また迷走神経背側核嗅球より神経の変性がはじまる可能性も指摘されています。(break仮説)その結果、便秘、嗅覚障害、睡眠障害などの非運動器症状が生じます。

パーキンソン病とパーキンソン症候群

よくパーキンソンとか言いますけど、パーキンソン病とパーキンソン症候群は意味合いが違うんですね。ここも抑えておきましょう。

パーキンソン症候群はでている症状であって、進行性核状性麻痺、大脳皮質基底核変性症などが呈する症状のことを指します。もちろんその中にパーキンソン病も含まれています。

パーキンソン病の診断・重症度分類

<診断基準>
以下の診断基準を満たすものを対象とする。(疑い症例は対象としない。)
1.パーキンソニズムがある。
2.脳 CT 又は MRI に特異的異常がない。
3.パーキンソニズムを起こす薬物・毒物への曝露がない。
 4.抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる。
以上4項目を満たした場合、パーキンソン病と診断する。

厚生労働省 パーキンソン病より

もちろん鍼灸師や柔整師が診断する事はありませんが、基準となることは頭に入れておきましょう。また知っておかなくてはいけないのがホーン・ヤールの重症度分類です。わかりやすい写真があったので引用させてもらいます。

パーキンソン病オンラインより引用

以上のように症状別に重症度の分類がされています。一般の鍼灸接骨院に来れるような人は1度もしくは2度でしょう。わたしは施設にいますので治療する人は基本5度ですね…なので大半は寝たきりの方です。
以前、鍼灸接骨院に勤めていた際に診ていた方はたしか1度だったと思います。

というわけで今回はここまでです。次回はパーキンソン病の症状についてみていこうと思います。そしてその次に治療について考えていきましょう。


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