6月末だし上場企業の大株主を調べよう②

第2弾です。ここからは粛々と有報の「大株主の状況」に名前が登場するファンド等の保有企業を並べていきます。
これらは一般に公表される開示情報ベースですが、東洋経済新報社の大株主データというデータベースでは、更に企業によって11位以下の株主まで深堀りすることができ、今後これらのファンドが大量保有報告書を提出する、もしくは何らかのキャンペーンを仕掛ける可能性がある企業をいち早く調査することが可能です。

エフィッシモキャピタルマネージメント

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NECキャピタルソリューション(8793)は9月末株主に居たが、3月末には出てこず。
ニチイ学館(9792)は9月末株主に居たが、3月末には出てこず。
大量保有報告では、東京鐵鋼、鳥居薬品、大阪製鐵、ヤマダ電機、デクセリアルズなどなど、この他にも多くの企業の保有が判明しています。

村上ファンド系列

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※は現状大量保有報告がなされていない企業。今後これらの企業について株式を買い増して大量保有報告書が提出される可能性もあります。野村絢さん名義のみで保有する企業が意外とあります。
日本板硝子(5202)は9月末株主に居たが、3月末には出てこず。
イノテック(9880)は9月末株主に居たが、3月末には出てこず。

ダルトン・インベストメンツ

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他にも大量保有報告では20を超える企業の保有を報告しているが、大株主で出てくるのは「DALTON KIZUNA (MASTER) FUND LP」が保有する上記のみです。他はカストディアン名義での保有になっているものと思われます。
三城ホールディングス(7455)は9月末に居たが、3月末には出てこず。

オアシス・マネジメント・カンパニー

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「OASIS INVESTMENTS II MASTER FUND LTD.」名義での保有です。
大量保有報告では、サンケン電気、島忠などの株式保有を報告しており、この他、株主提案でフジテック、三菱倉庫、安藤ハザマの保有も判明しています。
4月のサン電子に対するキャンペーンでは、創業家株主を味方につけ、勝利を収めることに成功しました。ここからは、送り込んだ取締役を中心に、本当に投資先企業をバリューアップさせることができるのかが問われるフェーズになっています。

RMBキャピタル

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「RMB JAPAN OPPORTUNITIES FUND, LP.」名義での保有です。
この他、株主提案により、ムサシやテレビ朝日ホールディングスの保有が判明しています。
三陽商会への株主提案では、極めて真っ当な提案を主張されたという認識ですが、残念ながら否決という結果になりました。それ以前の年度で別の株主から提案された増配提案には反対するなど、単なるBSマネジメントに係るアクティビズムではなく、中長期な企業価値創造に立脚した立場でのエンゲージメントを志向されていると感じます。
直近なされたテレビ朝日HDへの提案も内部からは主張しにくい提案を外部の立場から発信しており、極めて真っ当な投資家という印象を抱いています。