サードポイントによるソニーへの提案①〜2013年度編〜

皆さま、お久しぶりです。

最近色々な資本市場関連の方のお話を聞くことができ、毎日がより充実しているActivist Timesです。
皆様のお役に立てるよう日々精進していこうと思いますのでよろしくお願いします🤲

本日はソニーvsサードポイントのお話をしていこうと思います。
サードポイントのソニーに対する投資は大きく分けると2013年の投資2019年の投資に分かれます。
その為今回は2013年の投資をまとめていこうと思います。

報道ベースでまとめているので、抜けがあったらすみません、、、
それではよろしくお願いします🤲

⭐️ サードポイントによるソニーへの提案(2013年度編)

①2013年3月、サードポイントがソニーの株を取得したことを発表

②2013年5月、サードポイントがソニーの筆頭株主に。ソニーエンタテインメントの一部分社化など経営改革案を提言

●提言内容

ソニーエンタテインメントの一部を分社化し、株式の15─20%を米国市場で新規上場(IPO)すること。

・ソニーのエレクトロニクス事業について、収益性の高い事業や製品群を見極めて利益率を改善し、提供する製品の合理化を進めることが必要と提言。

→ 今でいうコングロマリットディスカウント(=成長性の高い事業への注力)的なことを求めていたようです。

・一部報道でソニーの金融事業売却を迫ったとも指摘があったようですが、それは否定しています。

●これに対するソニーの意見

・平井社長兼CEOの従来の発言の通り、エンタテインメント事業はソニーの成長にとって重要な事業で、売却の予定はないとのこと。

・また、エレクトロニクス事業を再生し成長すること、さらに既に安定した事業基盤を持つエンタテインメント事業と金融事業をさらに成長させることで、株主価値の創出に取り組むともコメントした。

●本時点でのサードポイントによる保有

ロイターによると、サード・ポイントはソニーの株式を約6400万株(1150億円・約11億ドル)保有する筆頭株主で、発行済み株式総数に対する保有割合は約6%。内訳は直接保有が約710億円(約7億ドル)、現金決済型スワップによる保有分が約440億円(約44億ドル)とのこと。

③2013年5月22日、ソニーが2013年度に経営方針説明会を開催

本説明会では以下の基本方針を説明。

●エレクトロニクス事業の強化
・3つのコア事業(モバイル、イメージング関連、ゲーム)の変革を加速
・テレビ事業の黒字化
・グループの総合力を活かした新興国での成長戦略を加速
・持続的な成長のための新規事業(メディカル、セキュリティなど)の強化
・事業ポートフォリオのさらなる見直し

●エンタテインメント・金融事業の収益力の一層の強化

●継続的な財務体質の強化

④2013年6月18日、サードポイントがソニー株を6.9%保有していると主張。

ソニーの平井一夫社長宛てに、ダニエル・S・ローブ最高経営責任者(CEO)の名前で書簡を出したと発表。その中で、ソニー株の保有数を「7000万株に増やした」と公表。7000万株は発行済みの6.9%。加えて、ソニーエンタテインメント株の米国での株式公開(IPO)を、改めて提案。

⑤2013年6月20年、ソニーは株主総会にて、サードポイントの提案に対して言及。

6月20日の株主総会で、平井社長が「今後の取締役会で適切に検討する」との方針を示した上で、「(エンタメ部門は)今後もソニーの成長戦略を実現していくうえで大変重要な事業」と話し、当面は金融事業も含めてエレクトロニクス事業との「一体運営が必要」と強調。

④と⑤に関してのソースは以下の通り。

⑥2013年8月22日、ソニーからサードポイントへの返信書簡についてを公表

詳細は以下のリンクからご覧ください。
主なポイントとしては、

・コンテンツの需要そしてその価値は、新たな配信プラットフォームの出現、高性能なモバイル端末及びブロードバンドへのアクセスの普及、といった業界・事業構造のダイナミックな変化の中、さらに増大しており重要で、エンタテインメント事業がこのトレンドから今後ますます利益を享受できると考えている。そして、この価値ある資産を一部にとどまらず全て所有することこそが当社の株主の皆様の共同の利益にもなると考えている。

・エンタテインメント事業を完全所有することでソニーグループ内の協業の加速、シナジーの促進、より迅速な事業活動が可能になる。またソニーはグループ内の協業の機会は多数存在し、今後一層増加すると考えている。一方、ライツオファリングや公募による株式公開は、グループ会社間取引においても少数株主への配慮により生じる独立当事者間と同様の関係を保つ必要性等、従来は必要でなかった負担を経営に課すこととなり、結果として、ソニーのコントロール及び戦略の柔軟性を制限することになると考えている。

・上記の理由からサードポイントの提案は受けるべきではないと主張。

⭐️その後の動き(2022年8月11日追記)

・2013年9月にサードポイントが再度、ソニーに分社化を提案
→ソニーはそれを拒否

・2013年10月末、ソニー中間決算で業績予想の引き下げ
→後々サードポイントが「残念である」と主張。

・2013年11月頃、ソニー株を自社名義で3%保有した旨公表
→半年後に臨時株主総会を開くことができる状態に、

・2013年11月、ソニーがエンタメ事業の目標を開示
→サードポイントの求めるエンタメ事業の情報開示をやりましたね。

・2014年1月、サードポイントがソニーに対して書簡を送付。
内容は、「ソニーの成長ベクトルは有望だが、それを進めるには、パソコンとテレビ事業の再編に向けた真剣な取り組み、エンターテインメント事業の価値実現を図るいっそうの努力が必要だ」とのこと。
加えて、「ソニーのパフォーマンスが上がらず、2013年後半の日本の(投資)ポートフォリオには失望した」とも主張

・2014年2月、パソコン事業を譲渡
→サードポイントの影響か❔

・2012年5月、ソニーの経営方針説明会にて、エレクトロニクスの事業構造の改革を完遂と、2015年度以降の成長に向けた基盤を構築を発表。
→着実にサードポイントとの対話の成果が見えてますね。

・2014年10月、サードポイントがソニー株を全売却。
→一旦終結しました‼︎

⭐️最後に

今回はソニーvsサードポイントの戦いをまとめていきました。
サードポイントの提案内容には一理あるなーと思いながらまとめていました。

最終的にエンタメ事業の情報開示とエレクトロニクス事業の改善が達成され、ソニーの株価が上昇し、サードポイントにとっては良いエグジットとなったと思います。(2022年8月11日追記)


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それでは、また次回お会いしましょう!


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