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フジテックの内山会長の賛否予想①〜行使に関する基礎情報〜

本年6月総会では香港を拠点とするアクティビストのオアシスマネジメントが、フジテックの内山会長の私物化を指摘し、オアシスvsフジテックの攻防が続いております。投資家界隈ではとても話題ですよね。
オアシスの主張は以下のURLを飛んでいただくと確認できます。

さてさてこのような波乱が起きていますが、内山会長はそのまま会長の座を死守するのか、それとも会長の座を退くことになるのか、これ気になりますよね、

そこで私が公開情報ベースで行使結果の予想をしてみようと思います。
以下の3つのノートに分けてご案内しようと思います(当初二つのつもりでしたが当方の時間の都合で分けさせて頂きますのでご容赦ください)。
①行使に影響するフジテックの基礎的な情報
②機関投資家の行使予想〜その1〜
③機関投資家の行使予想〜その2〜と想定賛否

ではまずこのノートではフジテックの基礎的な情報をまとめていきます。

⭐️フジテックの取締役構成(6月25日追記)
以下をフジテックのコーポレートガバナンス報告書と第75期招集通知から抜粋。
機関構成は監査役設置会社。
取締役会内における社外取締役の比率は6/10(60%)
女性は2名選任。

機関投資家は日本企業に対して、取締役会内における社外取締役の比率は1/3を求めるケースが増えてきている。また多様性の観点から取締役会内に女性1名以上を選任するよう求める投資家も増えている。
それを鑑みると機関投資家の求める水準は概ねクリアしているように見える。

(出典)フジテックのコーポレートガバナンス報告書
(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知
(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知
(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知


⭐️フジテックの株主構成
以下の画像はフジテックの招集通知からの抜粋しました。
国内機関投資家(=金融機関)が33.73%で、
海外機関投資家(=外国人)が42.88%です。

(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知

https://www.fujitec.co.jp/common/fjhp/doc/top/document/stockholder/7907/第75期定時株主総会招集ご通知.pdf

⭐️業績関連
自己資本比率50%超は若干高めではあるが、ROEが継続して8%〜9%を超えている点は良いと思います。機関投資家もこの点では反対しないと思われます。

(出典)フジテックのホームページ
(出典)フジテックホームページ

⭐️政策保有株式の比率
2021年3月期の有価証券報告ベースでは約6.5%。
特段問題視される水準ではないですね。

(出典)2021年3月のフジテックの有価証券報告書
(出典)2021年3月のフジテックの有価証券報告書

⭐️買収防衛策導入の有無
2020年12月に継続しない旨の決議済みです。

⭐️大株主の状況
下図はフジテックの大株主一覧と大量保有報告書提出先の一覧です。
今回鍵を握る機関投資家は
「三井住友トラストグループ」「ティー・ロウ・プライス・ジャパン」「オアシスマネジメント」「アーチザン・インベストメンツ」であるといえます。
上記投資家だけで発行済みの約3割(28.8%)を占めています。
また上記に加えてアクティビストのAsset  Value  Investorsがそれなりの株数を保有しており、同社の行使も重要と思われます。

(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知
(出典)フジテックの第75期株主総会招集通知
(出典)Asset Value InvestorsのAVI Japan Oppotunity Trustの2022年3月のマンスリーレポート

⭐️議決権行使助言会社の賛否
議決権行使助言会社の賛否を参考にして行使する海外機関投資家は多いため、フジテックのように海外機関投資家の保有が多い会社にとって、同社達のの推奨結果は非常に重要です。
結果は「ISS、グラスルイス」共に反対、、
フジテックにとっては厳しい結果となりました。

それでは次のnoteでは各投資家の賛否について検討していきたい。


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