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組織内キャリアの描き方(後編)

 前回は、組織内キャリア開発について個人の視点から「キャリアアンカー」について掲載しました。今回は後編として「組織の視点」から記載します。

 組織内でのキャリアは、自分を見つめ理解して自己実現を目指していくばかりでは、実現が叶いません。自分と組織のニーズがどこかでマッチして行かなければならないからです。
 単に自分のニーズばかりを満たそうとすると、組織からの評価は得られずに、自己実現する機会を失っていきかねません。また、組織のニーズに合わせてばかりだと、自分は何処をめざしているのか自分を見失ってしまうことにもなるでしょう。
 今回は、組織側のニーズを汲み取りながら、自己実現を目指していく手法である「職務と役割の戦略的プランニング」についてご紹介します。

職務と役割の戦略的プランニング

まずは、下記のSTEPに沿って組織側からのニーズを把握していきます。

■STEP1:現在の職務と役割を棚卸する。
 自分の周りにはどのような利害関係者が居て、どの人からどのような期待があるのかを明確にします。
■STEP2:環境変化について認識する。
 職務と役割について影響を及ぼす環境の変化(可能性も含む)について分析します。具体的には「経済」「政治」「技術」「社会文化」から考えてみると良いでしょう。
■STEP3:環境変化が利害関係者に与える影響を評価する。
 上記のSTEP2で明らかとなった環境変化は、利害関係者に対してどのような影響を与え、期待となって現れるのかを分析します。
■STEP4:職務と役割に対する影響を認識する。
 上記STEP3で明らかになった利害関係者からの期待変化は、自分自身の職務と役割に具体的にどのように影響するのかを予測します。
■STEP5:職務要件を見直す。
 STEP4で明らかになった結果から、将来的な自分の職務に求められる技能や能力、価値観などを分析します。そして現在の自分自身と比較して、差があれば具体的な能力開発の方法を検討します。また、それが難しい場合は、職務を再構築するプランを検討します。
■STEP6:利害関係者と共有する。
 上記1~5までの考察についての流れと結果を上司や同僚と共有します。

上記1~6のSTEPにより、組織のニーズを汲み取りながら、「全編」で記載した「個人の視点」を融合し、組織内で軌道修正を繰り返しながら自己実現を目指していけるといいですね。

では、また。


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