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選手でもなく監督でもない、また一人「Made in Australia」

Aリーグももうグランドファイナルを残すだけとなり、どこを見ても選手や監督の去就に関する情報や噂が飛び交う季節になりました。(6月25日現在オリンピックの招集リストは男子・女子とも出てません)国内・国外どちらも面白い話面白くない話色々聞きますがそんな面白い話から一つ。

今回したい話は選手の話でも監督の話でもなく、Aリーグで長いこと審判を務めたのち渡英したJarred Gillett氏が2021/22シーズンからプレミアリーグの審判団のリストに登録されたこと。オーストラリア人初だけでなく初の外国人審判となるそうです。

私がGillett氏をAリーグで見たのは最後の1年だけでしたがファイナルトーナメントの試合を結構手がけることもあって過去の試合の切り取りや再放送でも見たことがありますし、なんといってもAリーグ最後の試合となったこの動画が有名で印象的です。

これももう2年以上前になるんですね(2019年3月8日、ブリスベン・ロアーvsウェスタン・シドニー・ワンダラーズ@Suncorp Stadium)。動画内の会話であるように2019年から英2部の審判となり、プレミアリーグでもVAR担当として名前(とVAR判定の結果の諸々)を見るようになりました。去年のシーズン終わり頃には「もしかしたら順位に関係ない試合で笛を吹く可能性も」という話もちらと耳にしましたが実現せず、2021/22シーズンを前にやっと正式に発表となりました。

VARの判定含め彼の判断や、オーストラリア&Aリーグの審判全体のレベルについてどうとかいう話は置いておいて今回の任命はめでたいことだと思いますし、オーストラリアのサッカー界・歴史において間違いなくすごい功績です。Gillett氏はまだ若い(34歳だそうで、あっ私より僅かに年下・・・)ですしこれから長らくさらなる活躍を願っています。

キャリアの長さ、色んな場所での評価などを考えてこれからオーストラリアで彼に続ける審判が出るかというと難しいかな、という印象はあります。イングランド以外でオーストラリアの審判が評価されて活躍できる機会はどれくらいあるんだろう、という疑問も。そういう意味では選手や監督よりも狭き門というかとても異例な出来事ということで、似たようなケースはしばらく出ないのかもしれません。それでもAリーグでの長年の数々の功績から海外への道が開けたというのは今後に向けて希望が持てる話です。そんな審判の機会を増やすためにもオーストラリアで男子・女子ともにクラブ・代表の国際試合だったり第2部リーグに力を入れるも大事、という話にもつながりそう。

さて、先ほどリンクした動画ですがAリーグの試合や判定や選手のやりとりがいつもみんなこういう感じで進んでるわけではない、ということを遅ればせながらおことわり。
また別の試合の例として最近Aリーグ公式が公開したBehind the Gameという企画(選手・監督・審判それぞれのマッチデーを撮影)から審判Alex King氏の試合日を取材した動画を紹介したいと思います。2021年4月28日のセントラル・コースト・マリナーズvsブリスベン・ロアーの試合(@Central Coast Stadium)で判定に疑問があったりレッドカードが出たりした試合なのですが、VARのサポートもある中での主審の視点やチームワーク、そして感情的な側面なども見られる面白い動画なので今回の主題とは直接的には関係ありませんがついでに参考としてどうそ。