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Aussie Classical Soundscape

前回の記事でオーストラリアに根付いた英国周りのクラシック音楽文化について書いたらオーストラリアの音楽についても書きたくなった・・・と書きましたが。
後で練ろうとよくよく考えて見たら気持ちに反してだいぶ難しいことが判明。

なのでまずは専用のSpotifyのプレイリストをひとつ作ってみました。

あとHush Foundationが出している「Magic Islands」というアルバムも代表的な作曲家の作品を揃えています。

極端な話ここから下の文字を読まなくてもこれ2つ聴くだけでだいたいなんとかなりそう(笑)
もちろんこのプレイリスト&アルバムに出てくる作曲家もその作品もオーストラリアの音楽のほんの一部ですがなんとなくその特徴とか多様性がちょっとわかってもらえるかなーと。ちなみにプレイリスト内だとSculthorpeの後の作曲家は全員存命で現在活躍している作曲家です。
(あと作曲家名の日本語表記がどうなってるのか分からない作曲家もあるので本記事では英語表記に統一します)

オーストラリアは全体の歴史もそうですがクラシック音楽の歴史もヨーロッパよりかなり新しく、すでに確立されたものや進化途中のものやらいろんなものを材料として急速に成長したような印象があります。
そしてヨーロッパから地理的に遠く離れているのでヨーロッパの文化の変遷があまり伝わらないかと思いきやメルボルン交響楽団のプログラムなんかを見るとヨーロッパで初演された作品が意外と短い時期を経てオーストラリアで弾かれてたり。20世紀ならではのさまざまな環境の影響があるようです。

先ほどリンクしたプレイリストにはなるべく作曲家・作風がばらけるように曲を選びましたがPeter Sculthorpeだけ7曲も選ぶはめになりました。というのもオーストラリアが独自のスタイルを確立する過程をこの作曲家は網羅しているようなところがあり。
ヨーロッパの音楽とは違うオーストラリアの声を求めてアジアの音楽に目を向けた曲集Sun Musicも、先住民の人々と強力して彼らの楽器や言葉、音楽を取り入れたレクイエム、オーストラリアの自然や人間風景を独特のパレットで描く作品の数々など、でもその中でも弦楽器の使い方はどこかイギリスに遠くルーツがあるようでもあり、もうこれ以上絞れないというかもっと足してもよかったくらい。

なのでオーストラリアのクラシック音楽で代表的な作曲家を挙げるならSculthorpeが真っ先に浮かぶのですが20世紀~21世紀の多様化する音楽の時代においてオーストラリアの音楽も色んな方向に枝分かれしています。
時代柄あんまり大編成のオケ曲やオペラを世に出せる機会というのは減ってきていますが室内楽関連でも面白いが作品たくさん生まれてますし、シリアスな方面のクラシックから映画音楽などポピュラーなジャンルにも広がっています。そのほかにも自然と人間の世界、先住民と移民、男性作曲家と叙せ作曲家、など属性がとにかくいろいろ。

プレイリストにも全員に言及しなくていい前提で色々入れましたが選んで何人か言及するならまずBrett Deanですかね。大規模で交響的なジャンルの作品ではワールドクラスの作曲家だと思います。それこそコンサートでマーラーなんかと一緒に演奏されても遜色ないくらい。複雑だけどエキサイティングな音楽。
自分がオーストラリアの音楽を好きになるきっかけだったRoss Edwardsも外せない。オーストラリアの自然!という感じの作風とイレギュラーなリズムとっつきやすさと。機会がある度にプレイリストに入れた「Maninyas」を推しています。

これは20世紀から21世紀のクラシック音楽全体にも言えることですが特にオーストラリアの音楽では打楽器の使われ方が多様で存在感がすごいですね(もちろんプレイリストにも打楽器が楽しい曲をたくさん入れました)。クラシック音楽そのものの進化がオーストラリアでの音楽の発展とうまいこと噛み合ったようなところもあるのかな。

大学に通ってた2000年代始めと比べてここ10年ほどでそんなオーストラリアの作曲家の作品を聞く機会がぐんと増えたように感じます。作曲家の人数が増えたこと、現代のローカルの音楽を扱う奏者やイベント、場所が増えて少なくともメルボルンでは日常的にそういう作品に触れられる環境になりつつあります。ただ作曲・演奏のペースと比べると録音はちょっと遅れる傾向があるので今回音源が無いという理由でプレイリストに入れられなかった曲も。

そんなわけでここまで来てもとにかく全然紹介できてない!以前ブログの方ではコンサート感想でも言及していたのですがまたなんらかの形でオーストラリアの音楽作品周りも紹介できるよう模索していきたいです。