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2022年音楽振り返り

今年もすっかりクリスマスキャロルと「メサイア」の季節になりました。2022年も音楽色々楽しんでましたよ!ということで今年も弾いたり聴いたり音楽周りをまとめます。

Best of 今年出会ったオーストラリアの音楽

曲を規模の大小で判断するわけじゃないのですが、やはり存命の(しかもオーストラリアの)作曲家で素晴らしい大規模作品を聴くとどうしても室内楽とかより優先して選びたくなっちゃいます。ということで今年はメル響が聖ポール大聖堂で演奏したMary Finstererの「The Lost : Missed Tales No. 3」を選びました。
交響楽的な表現では古の作曲家に勝るとも劣らず、スケールは大きくディテールは繊細で古きも新しきも全て包括したような曲で、21世紀の管弦楽作品らしい作品。なによりソリストがビオラとチェロなのもポイントが高い。もっと言えばコンサート全体のセットアップも含めて最高でした。そして私の音楽関係noteではすっかりお馴染みですが録音がありません。またどこかで出会えるといいけど。

そういえばオーストラリアの音楽といえばそちらに詳しい大学の友人から弾く曲を探す手段をいくつか教えてもらったので来年はもっともっと激戦区になるといいなこのカテゴリ。

Best of 今年購入したアルバム

去年に引き続き今年もNew Sounds(複数回)で出会ったクラシック以外のアルバムから、Efrén Lópezの「El fill del llop」です。
すごく下手に説明すると色んな楽器を弾く人達が集まって色んな楽器を弾いて色んな(地中海周りの)音楽を弾いてるアルバム。さらに下手な説明を続けると色んな国の音楽が色んな音で聞こえてくるのがとにかく楽しい。
アルバムの中で間違いなく聴いているのが最初のトラックの「Kurtoğlu zeybeği」でトルコの曲なんですが曲の好み(というか半分は音階が好きなのかも)はもちろん、打楽器の膜が震える音がたまらない。
楽器でいうと「Bourrées de la Carrasca de la Vaca」に出てくるガリシアのバグパイプとハーディ・ガーディ。土臭さと木臭さがとても魅力的です。
Spotifyにも録音はありますがBandcampのリンクを貼っておきます。スクロールすると誰がどのトラックで何の楽器を弾いてるか書いてあるのですがEfrénさんの多才さは別次元としか言いようがない。

Best of 今年行ったコンサート

今年はコンサートは行ったことは行ったのですがバレエの方(後述)が結構インパクトがすごくて思い出に残ってるのはそっちが多かったり。
そんな中今思い返しても実現したのがちょっと信じられないのがメル響のストラヴィンスキー三大バレエ(火の鳥・ペトルーシュカ・春の祭典)を一つのコンサートで全部弾いてたコンサート。聴く方も疲れたので弾く方はその10倍大変だったはず。一応管楽器の人達はある程度ローテーションしてはいましたがローテーションでなんとかなるようなパートでもないような(汗)
もちろん実際弾いてましたし不可能ではなさそうですがほぼロマンなプログラムでした。

Best of 今年聴いた「New Sounds」のお気に入り回

このまとめも2年目でNew Soundsも結構慣れてきたうえに再放送分も再放送として聴くようになって驚きが減った?というのは少しはあるかもですが相変わらず色んな音楽にこのラジオとポッドキャストで出会ってます。
ただ好みの方向性はだいぶ固まってきたので今回選ぶのも確立した好みのジャンルから。地中海方面(この回は特にトルコ方面)大好きだしガムラン関連大好き。古い音楽の新しいアレンジも好き。
ちょっと方向性が違う特集だと民族音楽・バロック音楽・現代音楽を様々な弦楽器でつなげて「結構近いんだな」と思わせた回、それからサルデーニャギターの魔改造おじさんの回。どちらも違う意味で目から鱗が落ちました(あと方向性が違うと言ったけどそんなに変わらないかも)。

Best of 今年弾いた曲

色々新しいレパートリーは常に探索していて色んな曲と向き合いましたが今年弾いたうちから印象が強かったのは武満徹の「リタニ」だったかもしれません。
曲の印象が強烈というわけではないのですがピアノを弾いていてこの曲から一番「日本」を強く感じたというか。武満の作品はいくつか弾いているのですがなんとなく音楽にも自分にも日本を改めて意識してその感覚を大事にしなきゃな、と思いました。でも今後何か武満の音楽を人前で弾くとしたら「雨の木素描II」がまだ優先度高いままです。「リタニ」もなにかきっかけと一緒に弾くに良い曲が見つかったら考えるかも。

番外編、という形ですが今年はバレエを3作品生で見て配信でもいくつか見てこれまでになくバレエに触れる機会が多かった年でした。
中でもオーストラリアバレエ団の「Kunstkamer」は振り付けだけでなく音楽や演出、そしてバラバラの多様なものを一つの糸でつなげていくような流れ、そして奇抜さも美しさもミニチュア感もある世界観がすごく好きでした。
そしてNew Soundsで偶然知って自分にとっては「逆輸入」のような形になったシドニー・ダンス・カンパニーの「Impermanence」も数回の公演延期を経てやっとバレエとしてやっと出会えて良かったです。

来年も弾くも聴くも観るもバランス良く、新しい音楽も古い音楽も出会ったり暖めたりしていけますように。