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愛すべき「ダンジョン」なスタジアム

良い報せ悪い報せクレイジーな報せ、サッカーに関してはオーストラリアでも様々なニュースが入ってくる時期になりました。
もちろん選手の移籍や放送権、久しぶりの代表試合など大きなニュースにも盛り上がりますが、最近ちらほら流れてくるのがオーストラリアの各州政府によるスポーツ施設更新のための助成金についての話。2023年の女子W杯を機に女子サッカーをローカルレベルでも強化するため特に女性用の施設を改善することに使用するところが多いようで、様々な地方のクラブから喜びの声が上がっています。

ところで今後オーストラリアのサッカー関連コンテンツを紹介するときに是非含めたいなと思っているものの一つに「Shim, Spider and so much Moore」(リンク先はAcastですがApple、Spotifyにもあります)という豪国内・海外のサッカーの話をしたりゲストを呼んでじっくりがっつりトークをするポッドキャストがあります。詳しくは後日改めて紹介したいですがこのポッドキャストの人気企画(?)として海外で広くプレーした経験があるゲストに「プレーした中で最高のスタジアム」と「最悪のダンジョンなスタジアム」を聞くというくだりがあり、ゲストとの」話がついつい盛り上がっちゃって聞く時間がなくなるとリスナーからお叱りを受けるくらい人気の企画です。

実はこの質問で真に人気なのは「最悪のダンジョン」の方(特定の場所を悪く言いたくなくてそっちは言わないゲストもいますが)。最高のスタジアムはある程度絞られますがオーストラリアの選手や監督も世界の色々な場所に行くので様々なダンジョンの話が聞けます。信じられないくらい寒かったり、電気関係筆頭に施設がぼろかったり、芝がやけに長かったり、現地サポーターが敵意むき出しだったり、所変わればダンジョンも多彩に変わるのがよくわかりますし、それぞれ歴史ありエピソードありで聞いてて楽しいです。ベルリンのトンネルを通って入るスタジアムとか行ってみたい。

ゲストによっては海外に渡る前(Aリーグ時代より昔)にオーストラリアでプレーしてたローカルのグラウンドをダンジョンとして挙げる人もいます。何度もこのnoteで書いているようにオーストラリアの歴史もサッカーの歴史も他の国より短いですが様々なクラブにそれぞれ歴史と伝統があって、ダンジョンと愛を込めて呼ばれるスタジアムやグラウンドもまた由緒正しいクラブのものが多いです。例えば今パート2が放送されてるOptusのFootball Belongsシリーズに出てくるグラウンドにもきっといくつかダンジョンがあるはず。

私がふんわり知る今のオーストラリアのサッカー事情と建築事情だと特に住宅地があるような場所に新しいスタジアムやグラウンドを作るのはかなり難しいと思います。スタジアムを建てるのにすごくお金がかかったりサッカー方面にあんまりお金が出なかったり他のフットボールの丸いスタジアムが優先されたり近隣住民の理解が得られなかったり、住宅地がどんどん広がるので都市部からのアクセスに難があったり、理由は色々ありそうですが。
(例外としてウェスタン・ユナイテッドがメルボルン西方に作ろうとしているスタジアムは開発が進みつつある地域なので可能ということだったはず)

そんな中既存のスタジアム・グラウンドの施設が新しく良くできるのは朗報です。ただその過程できっといわゆる「ダンジョン」が減っていくんだな、ということもふと頭をよぎります。ただ上記ポッドキャストにゲスト出演する人は黄金世代以前の人(例えばもう指導者の道を進んでる世代)が多いので海外のダンジョンも国内のダンジョンもとっくにダンジョンじゃなくなっている可能性も十分ありますが。

もちろん最新設備や大きいキャパシティですごく盛り上がるスタジアムに遠征してみたいですが、主要都市じゃないサッカー拠点の町(ニューカッスルとか)のスタジアムも行ってみたいですし、ダンジョンと呼ばれるようなスタジアムでの試合も味わってみたい。ポッドキャストで実際に挙げられたところで一番縁があるところだとヴィクトリー女子がたまにプレーするMorwellのスタジアムかな?でもそこを始めローカルクラブは公共交通機関で通いにくいところも結構あるのが難点。でもこのnoteでダンジョン巡りとか書くのも楽しいだろうな。いつかできたら、絶滅しないうちに。

ちなみに今回のヘッダー画像も恒例メルボルン・ヴィクトリーのホームのAAMI Parkなのですが(そこばっかり行くのでそこしか手持ちの写真がない)、よくよく考えればAAMI Parkもこのまま年を重ねて味が出てきたら「カモメがとにかく五月蠅いくらいたくさんいる」という特徴のダンジョンになるかもしれないですね。身近なホームがまさかの未来のダンジョンに?それもまた楽しみかも。