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Aリーグ簡単にまとめてみた (part 2: 各クラブについてまとめてみた)

引き続きAリーグ2020/21シーズンについて書いていきます。今回は各クラブを展望してみたりと注目してる選手について少し。各クラブ色々プレシーズンの試合でセミプロのクラブやAリーグクラブ同士試合していたみたいですがそこまでは追っかけきれないので自分の目に入った範囲で。

ちなみにPart 1はこちら。

注:真面目に考察とかするのは(自分の力量的にも今のリーグの状況からしても)難しいんでそういった内容とはちょっと外れます。また、この文章はメルボルン・ヴィクトリーの熱心めなサポーターが書いているのでそちら方向に偏ることもあります。

Adelaide United(アデレード・ユナイテッド)

カラー:赤(今年は濃いめ) 監督:Carl Veart
地元密着・若手起用型。前シーズン再開後に監督が交代した後若手選手を多く使ってポジティブな傾向は見られたものの、補強と放出のバランスを改めて見るとちょっと弱体化した感が否めない印象。豪U23代表のストライカーAl Hassan Toureを筆頭とした若手の爆発力は間違いないけどチーム全体としてはどうかなー。個人的に注目しているのが心疾患から回復してアデレードに加入したGeorge Timotheou。若いけれどその病気が発覚する前は海外挑戦中だったそうで、まずはピッチに無事戻ってお手並みが見てみたい。

Brisbane Roar(ブリスベン・ロアー)

カラー:オレンジ 監督:Warren Moon
中堅?バランス型?多少のメンバー入れ替わりがあったものの概ね安定したチーム。日本からも工藤壮人選手と檀崎竜孔選手が加入しました。どこのクラブでもピッチ外でも仲が良い選手同士というのはいますがブリスベンはその人数が若干多めな、和気藹々とした印象があります。ついでにライバル関係がない唯一のクラブ。最終的にACLに出場できる順位にこぎつけましたがその要因としては前任の監督の手腕も少なからずあったと思うので今シーズンの懸念材料は主にそのあたり。シーズン再開からNPL(セミプロリーグ)から拾い上げられた人材の一人、Danny Kimは特に期待の選手ですでにブリスベンに馴染んでいる様子。あとACLでは元ヴィクトリーで中国クラブ相手に得点するマンJai Inghamの活躍が楽しみ。

Central Coast Mariners(セントラル・コースト・マリナーズ)

カラー:黄色&紺 監督:Alen Stajcic
地域密着型、小規模(弱小)クラブ。ここ数シーズン最下位が続き、それを大きく変える可能性がありそうな補強も見られないのでやっぱり低迷が続くかなあ・・・ただそんなことを言っているとちょっと調子が悪いときにびっくりするような展開で逆転されたりとかするので気は抜けません(前シーズンのうち参照)。経済的にも苦しいクラブではありますが次の世代を見据えて地元出身のキャプテンMatt Simonと選手兼コーチとしての契約を結んでいるのでそちらも今後注目。もともとCentral Coastの本拠であるGosfordの辺りはサッカー選手を輩出している地域なので若手がどんどん上がってくるといいですね。前シーズン終わりにはDylan Ruiz-Diaz19歳にこてんぱんにされたのが記憶に新しいので今シーズンはどれくらい起用されるか気になっています。

Macarthur FC(マッカーサーFC)

カラー:黒 監督:Ante Milicic
今シーズンからAリーグ参入の新参クラブ、ベテラン重視。監督は女子豪代表の前監督、集まった選手も経験豊富な外国人助っ人にAリーグではお馴染みの名前がずらり。その中でもBeñat Etxebarriaは今回目玉補強。始まる前からわかる、これは手強いやつ。実際豪U-23代表との親善試合(まだ補強途中の段階)では「あっこれは若い子が立ち向かうにはちょっと難しいわ」という個の強さが垣間見れました。そんなチームが順位表の下半分で終わる未来が見えないのですがもし弱点になり得るとすれば30歳以上の選手が多いところくらいかな。そんな環境だからこそ早くから加入を表明していた豪U-23代表Denis Genreauを筆頭に若い選手にはなんとかスタメンを勝ち取って欲しいと思ってしまいます。

Melbourne City(メルボルン・シティ)

カラー:ライトブルー 監督:Patrick Kisnorbo
あまりビッグクラブ感を前には出さないけれどCFGの一員で経済的にもしっかりしてて前回リーグ2位&準チャンピオンとかなり強力なクラブ。堅実な実力派ではあるのかなあ(ライバルクラブなんでそういう評価は私からはなんとも)。チームも前回のメンバーを概ねキープして何人か新しい戦力(日本から来た椿直起選手を含め)を迎えたものの守備方面で「あれ?ちゃんと抜けた分補強した?」と思うところも。ただ火力は間違いなくあってJamie Maclarenは今シーズンもきっとまた得点王狙える。あと良い若手が揃っている。ファーストチョイスGKのTom Gloverはその代表格で個人的にオリンピックでGKにオーバーエイジ枠割かなくてもいいくらいなんじゃないかとたまに思います。

Melbourne Victory(メルボルン・ヴィクトリー)

カラー:紺 監督:Grant Brebner
不調はあったもののやっぱりアイデンティティとしてはまごうなくビッグクラブ。プレシーズンはACLと隔離期間で過ごしたヴィクトリー、ACLでの戦いぶりと結果を見るにチームの大幅な入れ替えは補強のチョイスを含めかなり功を奏している様子。あとは遠征中に加入した選手などが加わってどういう全体像になるか、フォーメーションと選手層の兼ね合いはどうなるか、シーズンを通しての出来はどうか。そしてACLで活躍したのは新戦力が主なので前からいる選手がポジションを奪い返せるような活躍を見せられるかに注目。特にエルヴィス君ことElvis Kamsoba、まだ私はあの笑っちゃうくらい楽しいプレーを見るのをあきらめてません。新戦力で注目はJake Brimmer。若くてセットプレー担当、中盤を自由自在に動き回ってます。

Newcastle Jets(ニューカッスル・ジェッツ)

 カラー:赤と青 監督:???
地域密着型、もともと大きいクラブではないのがさらに縮小傾向。経済的危機と成績不振を覆そうとした前シーズン後半の起死回生の策が潰え(Wanderersの項参照)、補強どころか監督もまだ正式に任命されていない(はず?)状態で全体的に赤信号の状態。前のシーズン終わりでは「来シーズンはかなり手強い」とまで言われてたのが幻に。試合での勝負はもちろん、そもそもクラブが存続するかどうかが心配です。ただ良い選手はちゃんと残っていて生え抜きの若いMF、Angus Thurgateや前シーズンのベストゴールとも言われるロケット弾を決めたベテランセンターバックのNikoai Topor-Stanleyなど理不尽な個のプレーが出てくるので試合ができればただでは屈しないはず。とはいえ前シーズンの変化を見ても実際どこまでがんばれるかは監督の人選にかなり左右されそう。

Perth Glory(パース・グローリー)

カラー:紫 監督:Richard Garcia
ベテラン重視、中堅からステップアップしたクラブ。前シーズン後半に少し調子が落ちたり、監督の代替わりや選手の入れ替わりや実現しなかった補強などあるものの前の大クセベテラン三人衆(仮)がいる限り少なくとも攻撃面はこれまで通り強い予想。変化があるのはディフェンス周り。監督が(前の監督のアシスタントではない人に)変わったことで以前の堅守路線は変わるのか、守備方面の補強として入った太田宏介選手がどういうプレーを求められるのか。個人的な注目選手もアタッカーで、怪我で長期離脱していたChris Ikonomidisの帰還が楽しみなのと、あと五輪予選で活躍したNick D'Agostinoがどれくらいベテラン勢と競って出番を勝ち取れるかも見所です。それからサッカーと関係ないところでWA州は他の州で感染があると一番最初に州間の移動に規制をかけるような印象がありましたが移動に関して地味に効く可能性も。

Sydney FC(シドニーFC)

カラー:スカイブルー 監督:Steve Corica
名実そしてメンタリティ共にビッグクラブ。前シーズンでいえばAリーグのサポーターが1番、2番目に多かったのがヴィクトリーとWanderersで、その2つのクラブと激しくライバル関係にあるのがシドニーです(ちなみにサポーター数は3位)。監督の世代交代も数年前にごくスムーズに済ませて危機とか縁がなく安定して強く、どっしりしたふてぶてしさが全ての要素にあります。主な得点源だったストライカーが去ったとはいえ「どうせシドニーだからなんとなりそう」というイメージ。Milos Ninkovicがまだ元気でやってるから大丈夫でしょう。Trent BuhagiarもACLで大活躍だったしまだまだ伸びそうだし。とはいえACL帰りの隔離期間が終わったタイミングでシドニー周辺がロックダウンになったのはさすがに影響がある様子。試合は延期されるのか、他の州で長期的に仮の本拠に入るのか、観客はどうなるのかが目下の心配です。

Wellington Phoenix(ウェリントン・フィーニックス)

カラー:黄色と黒 監督:Ufuk Talay
爆発力のある周辺クラブだったのが今の監督の元で安定した得点としっかりした守備を得てすっかり中堅どころに。経験豊富な選手から抜けていったのが大変な中、3位で終わった前シーズンを超えることはできるのか。前回の記事で書きましたがウェリントンは今オーストラリアのWollongongという地域を仮の本拠としています。このエリアは伝統的にサッカーが強い地域で、仮とはいえホームのサポーターを滞在中にどれだけ増やせるかも注目ポイント(オーストラリアのサポーター用パッケージも出しているようです)。大きな補強でいうと元イスラエル代表のTomer Hemedが一番の目玉ということになるかな。前からいる&若手の選手ではReno Piscopo。クラブでも五輪代表でも安心安定の活躍が続くよう今年も期待。

Western Sydney Wanderers(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)

カラー:赤と黒 監督:Carl Robinson
かつての地元に根付いた強豪の影はすっかり薄れ、ここ数年大いに苦しんできたクラブ。前シーズンの後半ジェッツに希望の光をもたらしたロビンソン監督を今シーズン起死回生の策として迎えたのが一番の補強で、それに伴いAリーグの他クラブからベテラン級の選手を何人か呼び寄せています。これはWanderers復活するぞ、という声も聞かれますが私はちょっと懐疑派。新戦力の加入が遅めで前からいる選手も意外と多く、プレースタイルの変化や新しい監督に合わせる過程が入ると少なくともしばらくは難しいんじゃないかとなんとなく。そんなロビンソン監督の元で伸びて欲しい若手はま前ヴィクトリーにいた中盤のAnthony Lesiotis、それから前シーズン努力が実りつつあったサイドバックのTate Russellあたりかな。

Western United(ウェスタン・ユナイテッド)

カラー:緑と黒 監督:Mark Rudan
メルボルン郊外西側を本拠とする労働階級的なフレーバーのあるクラブ。参入初めてのシーズンで上半分の順位まで上り詰め結果は概ね上々。2年目はその強いスカッドを安定させ、さらにテリトリーである西側の地域を中心に若い選手を拾い上げて補強は終わりの様子。今井智基選手もすっかりその安定したチームの一員です。成績的にもエンタメ的にも前シーズンは大スターAlessandro Diamantiで持ってた感はありますがMax Burgessも急に頭角を現してチームの鍵となったりダークホース風味の怖さは健在。ただ他のクラブが手札を変えてきている中それで十分なのかは始まってみないとわからない。あとこのクラブに弱点らしきものがあるとすればまだ正式な本拠となるスタジアムができていないことが該当するかな。完全なる遊牧民。でもそれでもクラブのアイデンティティはしっかりあるのが面白いです。

ファイナルトーナメントのシステムの関係上やはりAリーグの12クラブの明暗を分けるのはトップ6に入れるか入れないか、ということになってきます。今の段階でもある程度予想がつくクラブもありますが監督・選手など事情が結構変わっているところが多いため真ん中らへんの順位の戦いがより厳しくなってきそう。半分のクラブが勝ち上がれるとはいえ、強豪クラブはトップ辺りを維持しないと十分怖いというスタンスで身構える必要がありますね。

さて、一応AリーグもWリーグも今の所は(若干のシャッフルありで)27日に開幕するそうなので緊張が続くあと5日です。ヴィクトリーはおそらく今日あたり今年ラストの隔離から出てメルボルンに戻り、クリスマスは無事家族と過ごしてから1月2日の初戦に向けての準備に入る予定。それまでにもしかしたらもう一つ、改めてヴィクトリーについて(ACLで見た分を踏まえて)まとめたいです。あとWリーグの方も試合見てからそのうち。できるかな。