見出し画像

豪ABC Classicカウントダウン結果感想

朝から夕方まで土曜日・日曜日の2日間、100曲(+α)完走しました。
ABC Classicのカウントダウン、今年も楽しかったです。
2001年の初回、10年目の2010年に続き20周年の今年もノージャンル。どこから何が来るかわからないわくわくとたまにカオスさもあり最後まで驚きの連続でした。

企画概要は公式サイトのこちら。そして簡単な説明と私が投票した10曲、そして別に立てた10の予想はこちらの記事に。

投票した曲の順位はこうなりました。

【投票した10曲】
(1) メシアン 「鳥のカタログ」→ランク外
(2) マーラー 交響曲第5番→74位
(3) ラフマニノフ 交響曲第2番→198位
(4) ヴォーン=ウィリアムズ 交響曲第5番→ランク外
(5) ショスタコーヴィチ 交響曲第5番→ランク外
(6) ストラヴィンスキー 「春の祭典」→124位
(7) ホルスト 「惑星」→10位
(8) ラフマニノフ 交響的舞曲→ランク外
(9) ヴォーン=ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲→30位
(10) ロス・エドワーズ バイオリン協奏曲「Maninyas」→ランク外

 投票した曲の最終成績という意味では今年はワーストだったかもしれません。マーラー5番が74位で出たときからやばいと思いましたが200位までのリストを見ても半数=5曲も入ってないとは(覚悟の上で投票した曲もいくつかあるとはいえ)。これがノージャンルの手強さですね。30周年のノージャンルの時に基準として覚えておかないと。

ちなみに1位の発表の後の放送は「ランクインしなかった!」とか「ランクインしたけどこの楽章放送してくれなかった!」のお便りを中心にしたリクエストタイムなのですが、大文字で書かれたメッセージが多数きたり100位までに入らなかったあんな名曲こんな名曲でリクエストタイムが火を噴いていました(笑)そこまで含めて楽しいです。

とにかく今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」が1位に輝くとは予想だにしてなかったです。私の好きは好きですがそこまでとは。
上位でも結構驚いた結果がいくつかあったのですがヘンデルのメサイアが6位とかモリコーネの映画音楽(ガブリエルのオーボエ、12位)はよくよく考えてみれば普通に大人気でしたね。ビゼーの真珠採りが普段もっとポピュラーな扱いのオペラより上位だったり、カウントダウンという舞台でファンの票を多く集め真の人気をしっかり示す曲も色々。

そして10の予想の結果はこうなりました。

【予想】
(1) トップ100にランクインするオーストラリアの作曲家の作品は1曲以上10曲以下→○(5曲:34位、62位、90位、92位、93位。実際の曲はリストを参照)
(2) ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はヴォーン=ウィリアムズの「揚げひばり」より上位に入る→×(ラフマニノフ11位、ひばり3位)
(3) トップ10に交響曲が1曲以上ランクインする→○(7位にドヴォルザークの新世界)
(4) 101位から200位にメシアンの作品が複数入る→×(200位まででもゼロ)
(5) トップ50にヴォーン=ウィリアムズの交響曲はランクインしない→○(200位まででもゼロ)
(6) トップ100に同じ作曲家の交響曲が4曲以上ランクインしない(6月12日:誤記訂正)→×(ベートーヴェンの交響曲が5,6,7,9と4曲入った)
(7) ストラヴィンスキーの三大バレエの順位は「春の祭典」>「火の鳥」>「ペトルーシュカ」の順(必ずしも100位までに入らなくても順位が数字で出ていればOK)→○(春の祭典124位、火の鳥155位、ペトルーシュカランク外)
(8) 一番上位にランクインするドイツ語で歌われる作品は一番上位にランクインするラテン語で歌われる作品より順位が高い→○(ドイツ語:第九2位、ラテン語:アレグリのミゼレーレ11位)
(9) ギター作品(ソロに限らず)がトップ100にランクインし、かつ放送される録音がSlava Grigoryan演奏→○(アランフェス交響曲36位、Slava Grigoryan演奏)
(10) いずれかの日の「ティー」タイム(豪東部標準時間15:00~16:00)に「T」で始まる作曲家の作品が放送される(当該作品がオージーの奏者・アンサンブルによる録音の場合ボーナスポイント)→×(1日目・2日目ともに該当せず)

ストラヴィンスキーのバレエが1つも100位以内に入らないとか(あとペトルーシュカは200位にも入らなかった)衝撃。あと「ティータイム」のはほんと惜しかったんです、1日目の16:00になった途端にチャイコフスキーのバイオリン協奏曲がかかって。この手の凝った予想は考えるの大変ですけどまたやりたいです。ドイツ語・ラテン語のも最後までわからなくて良かった。

 今回ちょっと思ったのが交響曲というジャンルにもうちょっと愛が欲しいなあ、ということ。自分が投票したのに交響曲が多くて外れたのが多かった、というのもありますが、それを抜きにしても100位に入れなかった交響曲の多いこと。がんばれシンフォニー。

あとリスナーさんたちからのお便りでも垣間見れるのですがテレビや音楽に使われた曲はやっぱり強いですね。実はカウントダウン中のジングルにもオーストラリアの作品が使われてたり、そういった形で豪作曲家の作品、新しい音楽にみんな親しみを持ってもらえるといいなと思っています。

今回思ったのですがこうやって放送される順番が投票によって決まる=ラジオ局側がコントロールできない状況ってのは色々面白いですね。次何の曲が来るかわからないのはもちろん、朝まだ何もしてないのにマーラー2番のクライマックスが流れて不思議な達成感を味わったり、ラヴェルの「ボレロ」で盛り上がってからのチャイコフスキーの「1812年序曲」でまた盛り上がったり。一日のリズムや曲のつながりを無視した、TPOをわきまえないような音楽の現れ方もまたカウントダウンの楽しさと言えるかも。

今年のカウントダウンはカウントダウンのサイトのListen Backから聴けます(何回かに分かれてます)。あと結果を(過去のノージャンルの回と比較したりして)分析したグラフィックも。時代とともに移り変わる特定の曲の順位とか興味深い。
そしてこれまでのカウントダウンのリストのアーカイブはこちら、そして過去のカウントダウンはいくつかSpotifyのプレイリストにもなっています。

 来年のテーマはどうなるんでしょうね。何らかの縛りはありそうですが。国かジャンルか時代か、はたまたもっとふわっとした感じのか。どんな縛りでも順位発表ははらはらしますし意外な結果も色々でますが今年以上に波乱万丈なカウントダウンになるようなテーマをお願いしたいところです。